『あの、こちらお土産です。』



師走も過ぎ、年も明けた頃の早朝、
S少年と母が玄関前に立っていた。


年は明けたが、朝が早くてひよこよさんの目が開いてない。
S少年家族の活動時間は早いのだ。



『年末に中国へ帰りましたので…』

と母が言う。

確かに宅配BOX事変の時にS少年が
『おばあちゃんに会いに帰るんだ』
と言っていたのを思い出す。



『何とまぁご丁寧に…すみませんねぇ。』
と開いていない目で大きめのお菓子の箱を受け取った。


大きめのお菓子の箱。
コロナ禍を経て久しぶりに自分の国に帰って、
たくさん持ち帰りたいものや使い慣れた食品があっただろうに。


限られた荷物の中でこんな大きめの箱のお土産を入れてくださったことに、ありがたい気持ちでいっぱいだった。



『ちょっと待ってくださいね。』
とひよこよさんはお礼に、
自分の実家近くにある道の駅で売っているお気に入りのドレッシングとお漬物を渡した。

ひよこよさんは物をいただいたら必ずお返しをしたい性分である。



S少年の母は嬉しそうに笑い、受け取って帰っていった。
笑顔の柔和な、しっかりされた母である。
それであるが故に父の子憎たらしさが余計に浮き彫る。




さて。

中国からのお土産をいただいた。

ひよこよさんは『得体の知れないもの』にひどく関心がある。
食べたことのないものの味をとにかく知りたい欲求が強い人間なのだ。



本場中国からの得体の知れないお菓子。

箱には『如意八宝』と記されていた。



※当時まさかこのお菓子をブログに書くとは毛頭考えていなかったもので、写真が不足している部分もありますがご了承ください。

むしろ逆に『よく撮ってあったやん』と褒めてくれるとこれからも頑張れます。





この分ける気のない包装が余計に気持ちを掻き立てる。


『八宝』と名がついているだけあって、8種類のお菓子が入っているらしい。



それをとりあえず写真通りにお菓子を分けてみると、





合わない。



袋の上から形や感触を模って置いてみるが、
丸いお菓子の所に四角いお菓子が余る。



1からきちんと確認しよう。



まずこの『大なんちゃら』。




この『大なんちゃら』はここで間違いない。

ちなみに食べるとほのかにピーナツ味のカリカリしたもの。




次はこの『酸なんちゃら』である。




パッケージには『酸』の文字はなく、
『象果何とか』と書いてあるが、これしかそれらしいものは当てはまらない。


食べてみると寒天よりもう少し硬めの食感で、
名前に『酸』がついてあるだけに酸っぱい。
ちょっと下唇が出ちゃう味。


次は『糖油なんちゃら』を見てみよう。




写真では茶色と白の2色展開だが、

それさえも無視した黒いものが2つしか入っていなかった。





写真を見ると茶色には茶色ペースト、白には黒いペーストが入っていることが分かる。



果たして黒には何が入っているのか。




何もない。




何も入ってない、蒸しパンにもう少し水分を含ませたような、求肥を結構固くしたような感触である。



もしかして、最後に余ったこの『老婆餅』なるものがこの黒い丸なのだろうか。




写真の『老婆餅』もよく見ると博多通りもんのように何か中身が入っていることが分かるし、
そもそも色が黄色であって黒でない。


そして味はほんのり遠くに黒糖を感じるが、
基本的には下唇が出ちゃう味。


ではこの8種類の写真には載っていない、
このピンクの包装菓子はどうか。


『手工制作』の下に柔らかい英語でHand-madeとだけ書いてある。



誰のhandmadeなのだろうか。



写真にもない、ただhandmadeとだけ書かれたお菓子を開けると薄いビスケットのようなものが5枚入っていたので食べてみる。




うっま…



甘くないのだ。
強いていうならトマトプリッツを薄くビスケット状にした感じのしょっぱい系。


唯一『八宝』に入っていなかったお菓子が断トツで優勝である。

ほぼ写真通りのものは入っていない中国のお菓子『如意八宝』。

中国で見かけたらぜひお試しください。


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