海外引越しには飛行機便と船便がある。
到着国によってもちろん違いはあるが、
欧州圏だと飛行機便が約1ヶ月、船便が約2ヶ月ほど荷物がどんぶらこしているイメージ。
滞在VISA取得にやっと光が見えてきたものの、
出発日がまだ前後しそうなことを踏まえて今回は、第1便を全て船にし、第2便に飛行機という手配になった。
『奥さん、
“引越し”ということに関して言えばね、
ポーランドはハズレですよ』
手際よく匠の技で荷物をまとめていく、ベテラン引越し業者さんが言った。
このご時世で移民などが増えているポーランド。
どうやら以前に比べると他国に比べ、荷物の規制がとんでもなく厳しくなったらしい。
注)以下の話はひよこよさん家がお世話になった引越し屋さんでのお話。
各業者さんや世界情勢で変わってくるので、軽い気持ちで読み流してくだせい。
【荷物にとにかく関税がかかる件】
新品(購入後6ヶ月以内)の電化製品のみ関税が掛かると思っていたが、化粧品と食品、寝具や新品全てに税がかかった。
そしてそれを
*メーカー
*商品名
*個数
*購入日
*家電の場合は型番及び製造番号
を手書きでリスト化せねばならないことを引越し当日に知る。
溢れかえる買い溜めした基礎化粧品。
クレンジングに洗顔、化粧水から美容液にクリーム。
日焼け止めから始まり化粧下地にファンデーション…
『ほんまにこれ必要なんか』
上記のアイテムを必死の形相で関税リストに書いているひよこよさんを横目に夫が言う。
必要や。
お前さんが一目惚れしたというこのお顔は、この溢れかえるアイテムたちによってようやく成り立っている代物である。
年齢を重ねるにつれ、必要な量は課税の如く増えていくと認識していただきたい。
未来の自分のために…いやお互いの関係のために必要なものとしてペンを走らせていく。
そして食品たち。
先月の施策を経て、必要なものを買い込んだ。
そのマッターホルン級に積み上がっている食品もリスト化せねばならない。
『ほんまにこれ必要なんか』
ベテラン業者さんの手を借りながら、
半泣きで関税リストに記入しているひよこよさんを横目に夫が言う。
必要や。
お前さんが毎日『美味い美味い』言いながら口に頬張る食事はこれらの食品を基盤に作られている。
何ヶ月後かの自分が、
『ありがとうな…
あの時関税リストを書いてくれてほんまにありがとうな…』
と泣いている姿が今から目に浮かぶ。
…この課税対象リスト。
引越し屋さんによると、
このリストを記入せねばならんことを知るやいなや
『もう…書かれへん…
手持ちで持っていきますやさかい…』
と諦めるご家庭が多いそう。
ひよこよさんは執念で全てのリストを書き終えた。
さてここで。
『ポーランドにこれ持っていきます』をご紹介。
①出汁系
和風中華洋風の顆粒だし。
卸問屋さんやスーパーなどで賞味期限が2025年以上のものをとにかく探す。
②ソース系
ひよこよさんは粉もんが好きである。
お好みソースや焼肉のたれなど、向こうでは手に入りにくいものは購入。
業務用の大きいのもあるのだが、
ソース系は開封後冷蔵保存のため、小さいボトルを何本か買う。
③麹
今回初の試みとして麹を持参。
日本と比べて歯応えしっかりお肉の強い味方。
醤油麹や甘酒も楽しめる。
また、一度塩麹を作ると半年程度保存がきくのもポイント。
きっと良き相棒になってくれるに違いない。
…引越し屋さんに事前に言われていたこととして
『肉エキス及び肉製品が含まれるものは受諾不可』
ということである。
ポーランドの関税職員が見て、
『おーこらこら。
肉入っとるやんけ。』
とパッケージにお肉の写真があるなどの、
一目で分かるものはNGなのだ。
例えばカップ麺や主婦の味方CookDoなどのレトルト食品はNG。
そして
カレールー。
お肉ごろごろの写真があると引っかかる。
とはいえカレーは家庭料理の定番中の定番。
是が非でも持っていきたい。
そしてひよこよさんが考えたのは
写真なし業務サイズ。
これならOKと事前に引越し屋さんに確認し、無事荷物へ。
同様に焼肉のたれも、
『箸で美味しそうに焼いた肉、持ち上げてますわ!』
みたいな写真がないものを選ぶ。
エバラさん、ありがとう。
ちなみにこちらも大ボトルもあるのだが、
開封後冷蔵保存のため小ボトルで。
最後に知っていただきたいこととして、
『新品の判断基準は検査を担当する現地税関職員の判断次第』
ということ。
使用履歴のある家電や寝具も、きれいであると
『新品ちゃうか。』
と課税対象になる。
せっかくきれいにして海を渡っていただきたいのに、使用感をギリギリに醸し出して荷を出さねばならないのだ。
あとはもうポーランド現地職員のお心のままに任せるしかない。
しかし国によっては食品そのものの受託がNGなところがほとんどである。
ロシアは食品どころか、液体さえ受託NGであった。
食品を受託してくれるポーランドは大変ありがたい国である。
関税リストくらい何枚だって書こう。
次回、少しだけ引越しの続きを。
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