今なら浦島太郎の気持ちが分かる。





最近ひよこよさんはそう思うことが多くなった。



ウラジオストクを経てのモスクワ、もうロシアに住んで3年になる。



スーパーではいかに傷んでいない野菜を探すかに躍起になり、
白い部分が2cmくらいの長ネギをカゴに入れ、
卵の採卵日にとにかく目を光らせ、
代わり映えのないスナック菓子に目をやり、
レジを通す際に容赦なく転がされる品物を手早く止めて袋に詰め、
肩の肉がめり込んで谷が出来るほどの荷物を運ぶ。


週に一度20Lの水を自力で運び、
1ヶ月に一度夫の髪を切り、
2ヶ月に一度冷凍庫の霜取りをし、
3ヶ月に一度自分の前髪を切る。


そんな生活を3年している。




…去年11月にひよこよさんが一時帰国をした時にやたら目についた文字があった。



『ペイペイ』である。



日本に着いてすぐ買い物をした時に

「ペイペイでお支払いですか」

とレジの方に言われたので、思わず

「ペイ…ペイ…?」

と聞き返したら

「あっすみません。LINEペイの方ですか。」

と言われた。

「LINE…ペイ…?」

と震えた小声を絞り出した時に目に入ってきたのは、レジの横に

『ペイペイ、LINEペイ、ゆうちょペイ』

の文字であった。



ペイペイって
なんや。



まず帰国1日目でペイの呪いにかけられた。


ペイの呪いをかけられし女は到着早々日本に取り残された感がした。




…ひよこよさんは日本のニュースをネットニュースでしかあまり読まない。


時事的なものはまだしも、エンタメ系や日本の音楽は今何が流行っているのかなど何も知らない。


米津玄師はつい最近知った。


ひよこよさんが米津玄師を知る前に、夫がここ半年ほど『フラミンゴフラミンゴ』とやたら繰り返して歌っていることがあった。


急にいきなり毎日『あなたフラミンゴ』と言われても、
夫が嫁に対して求愛ダンスでも始めたか、
または気が触れたとしか思わなかったのだが、
夫はひよこよさんより先に米津玄師を知り日本の波に乗っていた。




たったの3年でついていけなくなった。


これが先だっての浦島太郎の発言である。


たったの3年日本から離れているだけで、こんなにも浦島太郎状態に陥ったことに驚いた。



『おや?』
と思われる方もいらっしゃるかもしれない。



『え?何急にこんな話…』
そう疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれない。



『おや?この流れは?』
そう察しの良い方もいらっしゃるかもしれない。





そう。





ひよこよさん
本帰国決定。






しかも2月末。




残り2週間切る。





どうなる、どうするひよこよさん。




よろしくおねしゃす。




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とりあえず次報、詳しく書きます。


今日はブリヌイ屋さんのтеремокで注文したらこんな可愛いハリネズミを付けてくれました。


今の私には…染みるねぇ。


残り少ない間、よろしくおねしゃす。**

インスタグラム『ひよこよさんの世の中くそだらけ。』もおねしゃす。