ある晴天の日、ひよこよさんはボリショイ劇場にいた。
世界に名だたる一流のダンサーや歌手がバレエ、オペラをこの劇場で人々を魅力する。
バレエといえばロシア、と言われる所以であろう。
が、大変申し訳ないことにひよこよさんはクラシック的な芸術に相当うとい。
幼い頃に母に連れて行ってもらった宝塚も寝てしまったし、
バレエもきちんと鑑賞したことはない。
クラシック音楽にいたっては『のだめカンタービレ』を全巻読んで満足してしまっている。
しかしせっかくロシアにいるのだから、と。
一度は経験しておこうとボリショイ劇場の前に立っているわけである。
無知で申し訳ないのであるが、ひよこよさんはバレエといえば『白鳥の湖』か『ロミオとジュリエット』くらいしか知らない。
頑張って『ジゼル』くらいの知識である。
12月にオンラインチケットを見てみると、冬なのもありどの演目もほぼ満席であった。
あまりの埋まり様に焦ったひよこよさんは残り二席空いていた『ロミオとジュリエット』のうちの一席を滑り込みで確保した次第である。
そして何の予習なくおとずれたバレエ鑑賞当日。
ボリショイ劇場は特にドレスコードに厳しくない。
チノパンにニット、という人もいるし、
『せっかく来たのだから』とお洒落に決めこんでくる人もいる。
ひよこよさんは万が一のために日本から持ってきていたワンピースを着用。
やはり少し決めこんで行った方が気持ちも高まるもんであろう。
席について始まるのを待つ。
着いてから知ったのだが、演目は3時間。
45分ほど鑑賞して15分ほど休憩…を繰り返すシステム。
そしていよいよ第一幕が開幕。
荘厳なオーケストラの生演奏とともに魅せる華麗な踊り…
観客を魅了する色とりどりの衣装とバレエ…
そして30分が経った頃、ひよこよさんは思った。
誰がロミオで誰がジュリエットか分からんな…と。
『え?この人?
この人がロミオなんかなー…?
多分この人やろな。
よっしゃ、この人目線で見たろ。
…え?あら?
さっきと衣装違くない?
え?あの人さっきの人?
今このメインで踊ってる3人グループの中に確実にロミオおるんやろ?
あの地味な服の人はちゃう気がするな。
だとしたらオセロみたいな柄の白黒か、青白いびらびらシャツかやな。
びらびら?びらびらの方がロミオ?
何か特別な人にしかびらびらって付けんよね?
では、あなたがロミオですか?』
と頭で反芻しているうちに第一幕が終わり、休憩に入った。
第一幕『ロミオ探し』である。
他のお客さんが休憩で席を離れていくなか、
ひよこよさんは速攻でケータイの電源を入れて
『ロミオとジュリエット あらすじ』
と光の速さでGoogleを調べた。
ひよこよさんとて物語の大体のあらすじは知っている。
↓以下、ひよこよさんの頭に入っていたあらすじ。
『敵対している2つの名家の子どものロミオとジュリエットが恋に落ちた。
内緒で司教さんに結婚を許してもらうものの、
さらに家同士の抗争が激しくなってきたので
ジュリエットは駆け落ちを目論むために司教さんに『仮死状態になる薬』をもらって服用するが、上手く情報が伝わっていなかったロミオはジュリエットが死んだと思って自らも毒を飲む。
意識が戻ったジュリエットであるが、今度はロミオが死んだと知り、自らナイフで胸を刺して死ぬ。
敵対していた名家は自分たちの愚かさで若い命を失ったことを悔やみ、和解する。』
Googleで調べたが大体合っていた。
ただ細かいところが抜けていたので、それを頭に叩き込んで第二幕を鑑賞。
細かいあらすじを頭に入れたひよこよさんは余裕の鑑賞である。
そして細かいあらすじを頭に入れたのもあり、
さらに一組の男女がライトで照らされて対になって踊るシーンも出てきたので
『ロミオや!!
この2人がロミオとジュリエットや!!』
と確信した。
…無知すぎて一流のダンサーと一流の演目に対して申し訳なさが過ぎる。
が、演目も踊りも素晴らしく、休憩時間になるのが本当にあっという間であった。
休憩時間が来ると衣装が一新され、しばらくまたロミオ探しに躍起になるのであるが、素晴らしい経験となった。
(↑撮影OKの最後の『ブラボー!』の瞬間)
まずは経験。
細かいあらすじを頭に入れておくと尚楽しいバレエ鑑賞。
モスクワは遠いけれど、近いウラジオストクにもマリインスキー劇場があるのでご興味のある方は是非。
よろしくおねしゃす。
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げにげにーがおやつに殻付きの豆をくれるのですが、長い時は目的地に着く一時間ほどずっと手のひらに殻を乗せることに。
しかも食べ終わると信号待ちの時にまたくれる。
ちなみにこの日はかぼちゃの種でした。
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