『8kg』



ひよこよさんが結婚してから増えた体重である。

長男次男の出産後はそんなに体重の差異はなかった。
が、一気に増えたのは去年のウラジオストクでである。



安くて美味しいスイカとメロンを夏の間に貪った結果、そんな感じになった。

そして気がつけば8kgである。



『30代に入ってからの体重増加は、なかなかどころか全然減らない。』

これを去年の自分に教えたい。




なぜ急に体重の話なのか。



理由はただひとつ。


夏が近いからである。



そう、『水着問題』なのだ。





先日、ひよこよさんは水着を見るべく、お店の前にいた。


お店に入るのさえ躊躇する。



『明らかに布地が少ないな…。』
ディスプレイされている水着を見て、ひよこよさんは恐怖におののいていた。



そんなひよこよさんに、
「何か探してるんか?」
と、中から店員さんが話しかけてきた。



もう逃げられない。
万事休す。
入店確定である。



「水着を…探してましてね…はは…。」

と白目がちで言ってみた。


「こんなんは?」

とお嬢さん店員が出してきてきたのは太陽より眩しいイエローの水着と、蛍光ピンクの水着だった。



「いやいやいや!!
何ていうか…すごすぎるわ。
もっと紺とか黒とかの濃い色がええんやけど…。」


「こんなん?」


次に持ってきてくれたのは、がっつりTバックの水着たちであった。


「いやいや…。
私な、息子が二人いてええ歳やねん…。
これもう丸見えやん。
もうちょっと布があるのない?」


「…水着やし…布、そんなにいらんやろ?」




いるわ。



しかしこのお嬢さん店員がすこぶる親切で、
バックヤードからたくさんの水着を持ってきてくれたり、自分の体に当てて水着のアレンジを見せてくれたりするのだ。


こんなタイミングで『ロシアの素晴らしい店員さんオブザイヤー』を受賞すべき人が現れるなんて。


そして水着選びに恥ずかしさで汗だくになりなっているひよこよさんは、
『ロシアの気持ち悪いお客さんオブザイヤー』を受賞である。



ひよこよさんも熱意に押されてなるべく布地が多めなのをチョイスして試着してみたが、
鏡に映った自分はどうにもこうにも目も当てられない結果であった。



とにかく痩せるしかない。



腹だるまさんの決意、ここにありである。




誰が腹だるまやねん。



よろしくおねしゃす。




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…私激しく着痩せして見えるんですわ。
そしてプールや海に行ったところで、誰も私など見ていないことなど分かっているのですわ。
それでも…やらねば…。
これからもよろしくおねしゃす。**