ぴぃぴちゃん。




ぴぃぴちゃんとは、長男が存在を信じる心の友である。



その存在が現れたのは、ウラジオストクのプリスクールに通い始めたころであった。




毎日通うのが嫌で、とにかく号泣し、長男が空いている道路に向かって

『渋滞になーれ!!!』

と渾身の魔法をかけていたあのころ。



その時に試しに

『長男、大丈夫や。
ひとりやないんやで、ぴぃぴちゃんがいるから。
ぴぃぴちゃんて知っとる?
いつも長男と一緒にいる秘密のお友だちやで。』

と言いながら、長男の持っていたハンカチにいたひよこを指差した。



彼はひとこと、
『かわいい…。』
とつぶやいた。



その日からぴぃぴちゃんとなった長男のハンカチは、登校の際の必須アイテムとなった。


長男はいつでもハンカチを握りしめ、家に帰ってきた時のハンカチは
『今日もワイ、たくさん握られたんですわ』
と言いたそうなほどにいつもくちゃくちゃであった。




そして今はこのハンカチの…



この立体の白い丸いふわふわ部分。




この部分が二代目ぴぃぴちゃんとして長男を支えているのだ。



泣きながら登園した先週、このぴぃぴちゃんハンカチを長男に渡すと、
彼は泣きながらそれをズボンのポケットに押し込んだ。


帰宅して洗おうとハンカチを広げると、ぴぃぴちゃんである白いふわふわがもげていた。
もげていたというか、糸1本で辛うじてハンカチと繋がっている状態である。



彼は1日でぴぃぴちゃんをどれほどいじって、
どれほど頑張っていたことだろうか。




洗濯前に『がんばれよ』と念を込めて縫う。


がんばれ、長男。




よろしくおねしゃす。


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これは先週のお話でして。
今日は泣かずに登園していきました。
それでもポケットにはぴぃぴちゃん。
泣かずに登園、スーパーナイス!!!
これからもよろしくおねしゃす。**