「ひよこよ、牛乳は飲むか。」


おじさん(ロシア人47歳80キロ)が聞いてきた。


「牛乳好きやで。
冬は特にココアも飲むし。
長男は毎食牛乳を飲んでるし、次男も最近飲むようになったんや。」


「ならばこれをやろう。
150ルーブルだ。」




やろう、と言われて150ルーブル。



それはまあいい。
私のために用意してくれたのだろう。
ちょうど今日牛乳を買わなければならないこともあるし、ここはありがたく支払いたい。


しかしこの牛乳は一体…。



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「この牛乳はな。
俺の家の近くに住むおばあさんが飼っている牛から採れた牛乳だ。
牛は一頭から5〜6Lの牛乳が毎日採れる。
おばあさんは牛を一頭だけ飼っていてな。
多く採れた日は販売してるんだ。
朝どれの牛乳だぞ!」





近所のおばあさんの…

飼っている牛の…

朝どれの搾りたて牛乳…




何だかもうどこから何を言っていいのか分からない。



とりあえず最初に浮かんだのは、
『その牛乳、加熱殺菌してますか』
ということと、
『おばあさん、ちゃんと諸々の消毒殺菌をしてますか』
ということだった。



いつもは魅惑的な『朝どれ』という言葉に恐怖を抱いたのも初めてのこと。




…ここで確認(という名の弁解)しておきたいことは、
牛乳やおばあさんが決してどうとかいうわけではないということである。


人の体には耐性というものがあり、
おじさんやおばあさんが平気であっても、
ひよこよさん家族のお腹が大丈夫という保証はない。


正直、快適な毎日を過ごすためにも、
牛乳はおばあさんの朝どれよりも慣れ親しんだ会社のものを飲みたい。



とはいえ。


とはいえ、この牛乳にはおばあさんの苦労と牛の命…
さらにはおじさんの親切が入っている牛乳だということを忘れてはならない。


人として大事なラブ&ピース事情が盛り込まれている牛乳なのだ。



そのラブ&ピースを無下には出来ない。



かと言って家族には…。

どうするか。


よし。
家族で一番お腹の強いひよこよさん、ファイト。


おばあさん、いただきます。


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…鼻を駆け巡る、牛臭。




そうきたか。
そっちの方からきたか。
忘れていた。



牛臭も朝どれ。



…残り1.45L。

このラブ&ピース牛乳の使用方法求む。



よろしくおねしゃす。




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加熱すれば牛臭は消えるのか…。
消えるなら昨日教えていただいた方法でプリンを作りたいけども…。
まさに牛乳プリン…。
これからもよろしくおねしゃす。**