おじさん(ロシア人47歳.年男)は何かと食べ物をくれる人である。



チョコや小さいクロワッサン、プレッツェル。
たまに黒パンの上にソーセージが乗ったものや、お手製のピクルスやサラダなども。


初めて会った時もチョコだった。
忘れもしない、ルースキー島の崖の上で海藻入りのチョコをくれたのだ。





しかし最近になって、少し趣向が変わってきたように思う。


おじさんが焼き菓子やチーズケーキなどの小洒落たスイーツをくれるのだ。




ひよこよさんは察知した。

『黒子がいるな…』と。



(おじさん恋の3部作↓




「…美味しいチーズケーキやな。
おじさんが作ったん?」



「…トーニャが…。」


とおじさんはゆるゆるの顔で答えた。




また翌日。



「ひよこよ、こないだはミソをありがとう。
タッパーを返すよ。」


…タッパーには味噌ではない、謎のペーストが入っていた。


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「…これは一体…?」


「これは、魚卵となすをペーストしたものだ。
作ったんだ。」


「ほう、なすは大好きや!
ありがとう!食べるの楽しみやな。
…さてこれはどなたが?」



「…トーニャが…。」






……




おじさん、冬の恋まつりやないか。




寒さ吹き飛ぶ、熟年の恋。


少しあやかりたいくらいのひよこよさんであった。



よろしくおねしゃす。



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本当にありがとう!!
トーニャは40歳。
『若い女性は素晴らしい』と鼻の下を伸ばしていたおじさんが、身の丈の年齢の女性を…。
これは本気かもしれません。
これからもよろしくおねしゃす。**