「ひよこよはミソスープを作れるのか?」
おじさん(ロシア人)が聞いてきた。
「お味噌汁?よく作るで。」
「…レシピをくれないか。
作りたいんだ。」
ウラジオストクにはありがたいことに、お味噌が置いてあるスーパーが多い。
おじさんは味噌をもう買ったんだろうか。
「もちろんええよ。味噌はもうあるん?」
「いやない。
…そもそもミソってなんだ。」
「味噌はざっくり言うと大豆を発酵させてペースト状にしたものや。
ちなみに醤油も大豆…」
と言いかけたその時、おじさんが言った。
「日本人から教わったミソスープを、飲ませたい人がいるんだ。
トーニャという女友達なんだが…。」
おじさんは珍しく照れくさそうにしていた。
え…あら?
あらあらあら?
あらあらあら!!!!
はい来ましたロマンス来ました。
ロマンス到来ーっです!
酒豪過ぎた嫁と別れてから19年、おじさんにロマンス到来です!!!
わざわざ『日本人に教わった味噌汁』を女友達に飲ませたいくらいのロマンス到来です!!
「…お、おう!ええで!!
味噌はたくさんあるから任せとき!
レシピも任せとき!」
もうにやにやが止まらんて。
ひよこよさんのほっぺたのほぐほぐが止まらんて。
「任せときー!!」と思わず日本語で言って別れた。
さぁ夕飯のカレーなんぞ作っている場合ではない。
おじさんのロマンス到来に華を添えることが出来るならば、ひよこよさんはレシピ書きを惜しまない。
出汁もあげよう。
ふえるわかめちゃんもサービスだ。
冷蔵庫保存の明記も大切。
とはいえ味噌汁のレシピなど、湯を沸かして出汁と具材と味噌を入れればいっちょあがりである。
ここは出汁の説明も載せて、おすすめの野菜の具も書いておこう。
グーグル翻訳様様である。
…だがひとつ心配なことがある。
それはおじさんがレシピ通り作らないという致命的ミスである。
以前もおじさんにカルボナーラのレシピを頼まれて書いたのだが、
「最後にケチャップ入れたぜ!」
と原型を咎めない出来上がりの写真を送ってきたことがあった。
『日本人から教わった本場の味噌汁』がアレンジされないことと共に、おじさんのロマンスが上手くいくことを切に願う。
よろしくおねしゃす。
**いつも読んでいただき、ありがとうございます。
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もう一度言います。
本当に励みになっておりますねや。
女友達に手料理披露…これは間違いなくロマンスの香りですわ。
頑張れおじさん!レシピはノーアレンジ!!
これからもよろしくおねしゃす。**