ひよこよさんの息子たち(13歳10歳)は現在、
インターでyear8とyear6として通っている。
日本だと中1と小4である。
夏休み中は宿題がないため、
英語はオンラインで数学は夫が、国語はひよこよさんが見てきた。
教材はネットで無料ダウンロード出来るドリルや読解問題である。
そしてその教材も底を尽き始めた頃、ポーランド日本大使館からメールが届いた。
後期の教科書配布のお知らせだった。
義務教育なので、大使館に申し込めば日本人学校で使う教科書が全て無料でもらえる。
とにかく子どもたち用に日本の読み物が欲しい。
ひよこよさんは早速申し込み、直接取りに行くことにした。
旗巻いている日本国旗。
海外で日本国旗を見ると何とも表現し難い、誇りとも言える気持ちの昂りを感じる。
業務受付にいるポーランド人のお姉さんは日本語を話せるので、教科書を取りに来た旨を伝えて待機。
しばらくすると、
『あー…とてもとても重いデスヨ』
と言いながら教科書を持ってきてくれた。
確かに想像以上の量である。
『全部あるか、一緒に確認シマス。
あー…まず国語デスネ、それから算数…』
と一緒に指差しで確認をする。
すると、地図帳が出てきた瞬間
『あら!この地図帳私も使ってましたわ!
変わってへんのですね!』
とつい懐かしくて話しかけた。
『いえ、私は日本の学校に行ってませんので
分からないんデスけれども…』
そりゃそうだ
全て受け取り、二宮金次郎像を彷彿とさせる姿でどっしりと重たいリュックを背負い込んだ時にケータイが鳴った。
ポーランド郵便局の配達員のおじさんからだった。
ひよこよさんの家に配達に来る郵便おじさんは毎回同じ人である。
大体10時から11時に、配達のためうちの近所を毎日まわっている。
重い荷物を運んでくれる郵便おじさんにひよこよさんもお世話になっていて、
時々日本のお菓子をお裾分けしていた。
少しだけモスクワのげにげにーに風貌が似ていて、勝手に親近感を覚えていたのだ。
最初は無言で帰って行っていた郵便おじさんも少しずつ笑顔が増え、
今では帰る時には必ず親指を立てて謎に満足気にうなずきながら帰っていくようになった。
お菓子を渡すと郵便おじさんは子どものように嬉しそうに笑う。
そんな郵便おじさんからのショートメッセージが届いた。
『郵便やで。
連絡ちょうだいや。』
しまった、郵便おじさんが送料代引きの荷物を持ってきたに違いない。
外出中で12時頃帰宅する旨を急いで送った。
すると
『12時にはもうおらんから立て替えとくわ。
荷物は玄関に置いとくで。』
信頼の証、立て替え
料金を立て替えてくれる配達員さんなど聞いたことがない。
この1年の配達で、知らぬ間に随分と信頼を築き上げていたらしい。
数日後、代金とお礼のお菓子を包んで渡すと笑顔でグーサインをしてきた郵便おじさん。
げにげにー似の風貌の人は、良い人なのである。
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