なかなか衝撃的な小説に出会いました。
松岡圭祐の「ミッキーマウスの憂鬱」です。
夢と希望を抱いてディズニーランドで働き始めた若者に、
次々と現実が押し寄せてくる話です。
青春小説と書いてあったので、スーパー軽い気持ちで読み始めましたが、とんでもない。
読み始めた最初の印象は、なんだか、見ちゃいけないものを見ちゃったような感じです。
まるで暴露本を読んでいるような。
ディズニーランドの裏側(働いている人たちの)が舞台なので、
これはどこまで本当の話なのか、いや全部本当なのではないか、
ディズニーに訴えられないのか、そもそもよく陽の目を見たなーとか、
もう次々と不安など複雑な気持ちが押し寄せてきます。
というより、途中までは読んだことを物凄く後悔しました。
でもですね、気づいたら、一気にラストまでいっちゃいます。
爽快というか、痛快というか。
ノリでいうと、「ぼくらの七日間戦争」に近いかな。
一つだけ、言わせてもらえれば、この「ミッキーマウスの憂鬱」というタイトルはちょっと残念です。
「チームバチスタの栄光」が当初は「チームバチスタの崩壊」であったのを、
あえてポジティブにしたことで、まるで印象が変わったように、
タイトルにネガティブワードがあるのはちょっと・・・・。
というわけで、内容が内容なだけに、簡単には薦められないけど、
仕事に対する厳しさ、難しさがきちんと描かれていて、
と同時に、仕事に対する楽しさも詰まっていて、そこが素晴らしいと思いました。
そういえば、去年公開された映画「ハッピーフライト」も同じ感じだったなぁ。
というわけで、何かに悩んでいる人は是非読んでもらいたい感じです。