誰かが死んで、その悲しみを乗り越えるとか、
ラストに誰かが死んで、その大切さに気付くとか、
そういう、人の死によって物語を盛り上げる話が大嫌いです。
だって、人が死ななくても、感動できるし、何かに気付くことはできるのに、
わざわざ作り出した「人の死」に頼ることで、
人の共感や感動を誘うなんていう卑怯な手を使うことでしか、
物語を作りだすことができないのなら、
そんなことぐらいしか思いつかない、安易な想像力しか持ち合わせていないなら、
今すぐに辞めちまえって思います。
誰だって、一度は身近な人の死を体験したことがあるはずで、
作者もきっと経験したことがあるはずなのに、
死を一度でも経験したことがある人なら、
あんなに哀しいことは、できる限り味わいたくないって思うはずなのに、
なんでそんなことも分からないのか、理解できません。
だから、どんなに大勢の人に評価されても、感動を与えても、
僕は絶対にそんなカスなものは認めません。
僕たちには「見ない」という選択肢を選ぶことでしか抵抗することはできないし、
創造自体をなくすことはできないから、どうか、少しでも、そういう話を生み出す、考え出すバカが
少なくなることを、今はただただ祈るばかりです。
誰も傷つかない、誰も死なない、そんなストーリーで感動を作り出してみろ。
とまあ、熱くなっているわけですが、
今、フジテレビの月9では、「薔薇のない花屋」というドラマがやっています。
脚本が野島伸司なので、ある程度のことは覚悟していましたが、
やはり、不幸の総合デパートになりそうな悪寒はしてるわけですが、
まあ簡単な話、香取慎吾の娘役の子が、私が溺愛している姪に激似なので、
どうか、彼女が、たとえ物語の中だとしても、悲しみに陥るような事がおきないようにと、
日々祈るばかりです。もうすでに幼くして母を亡くすという出来事に直面しており、
見ることをやめたいくらいですが、彼女の天真爛漫な性格になんとか救われているわけで、
というか、彼女の圧倒的な演技が、香取、竹内結子を含め、他の出演者すべてを喰っていて、
その溢れ出している奇跡的な才能を目にしてしまったからには、
今回はどんなことがあっても、最後まで見守る覚悟はできていますが、
これ以上の試練を彼女に与えないで欲しいと思います。
とりあえず、今回の月9は本気で作っているようなので、久々に次週が待ちきれないドラマです。