バレーボールも終わり、一段落したところですが、

気持ちは北京へ     ってことは一切ありません。

今も昔もこれからも気持ちは中野区です。


そんなわけで「となり町戦争」という映画を見ました。

同名のベストセラーを江口洋介、原田知世、瑛太らで映画化した作品です。






「舞坂舞坂町はとなり町・森見町と戦争を始めます。開戦日5月7日。終戦予定日は8月31日。」
ある日届いた、となり町との戦争のおしらせ。

戦時にもかかわらず、町は平穏を崩さない。

かろうじて戦争状態と分かるのは、日々のニュースで発表される戦死者の数だけ。

淡々とした日常生活のなかに侵食した戦争。

そして知らず知らずのうちにその戦争の中心に・・・。

今作の最大のポイントは、日常の中に突如として現れた「戦争」。

だけど、この戦争は、自分の住んでいる町が、行政事業の一環として行われて、

銃声も聞こえない。町は普段と変わらない様子なのに、

確かに「戦争」が行われている点。

不気味なまでの静けさ。


日常生活は何一つ変わらないのに、自分が住んでいる町で「戦争」が行われているらしい。

だから、映画の中では、その日常を徹底的にリアルに描き、

観客が主人公と同じ目線にならなければ意味がないのに、

周りの人が何一つ変わらないから、気付かない自分がおかしいのか?

と思わせなければいけないのに、

主人公の会社の人や、「戦争」を進めている役所の人たちが、

徹底的にキャラクターを作ってしまっていて、

もうその時点で町全体が「狂っている」のがわかって、リアリティがないので、

ただの頭がおかしい人たちの映画になっているのが残念。

狂ってるのはキャラクターで見せるのではなく、リアリティの中で見せて欲しかったです。


「戦争」に巻き込まれる役の江口、戦争を推進する役所に勤めている原田など、

好演しているからこそ残念。

この2人プラス瑛太がせっかくナチュラルな演技をして、緊張感を出してるのに、

周りが馬鹿みたいなキャラクターをだしてくるので、もう全部おじゃんです。


あと、シリアスな部分とコメディタッチの部分がそれぞれ中途半端な感じで、

全体的にメリハリがないのもちょっとおきつな感じです。

ここ笑うところ?っていうも周りの人に聞かなきゃわからないみたいな。

江口はどちらの部分もかなりいい演技ができると思うので、

なんだかなーと思います。


題材的に難しい内容だと思いますが、エンターテイメントにも社会派にもなりきれていない印象を受けました。

惜しい映画だと思いました。