この本で書かれているのは、転職の「仕方」ではない。

転職をするにあたっての「判断軸(思考法)」を教わることができるものである。

だから、転職を考えていなくてもすべての会社員にとって読む価値があると感じた。

 

きっと少し前の時代よりも「転職」は一般的になっているのだろう。

 

わたし自身、社会人歴を積み重ねるとともに友人の転職話を聞くことも増えてきた。

“今すぐという訳ではないけれど、「転職」という選択肢を持っていたほうが良さそう”

そんな軽い気持ちで手に取ったのがこの一冊である。

 

さて、この本はひとりの会社員を主人公としたストーリー仕立てで話が進む。

 

主人公・青野はごく普通のサラリーマン、

ある日立ち寄った本屋でふと転職雑誌を手に取る。

 

その場面をかつて世話になった転職サイトの女性社員に見られたことをきっかけに、

青野は“黒岩”という著名な経営コンサルタントを紹介される。

 

そして、黒岩に「転職の思考法」を伝授してもらう、というつくりである。

 

題名の通り、思考法を授かることが出来る内容なのだが、それと同時に、

青野が先輩社員に転職の相談をして痛い目に遭ったり、

転職サイト経由で応募した企業が実は労働環境に問題があったり、

転職活動をする際に陥りやすそうな失敗例も散りばめられている。

 

「会社」とは?「働く」とは?ということについて

新しい視点を得られ学びとなる一冊である。