生理開始予定日の約1週間後から検査可能

1. サンプラーに尿をかけ、 キャップをして 平らなところに置く。

 

2. 終了確認窓に 青い線が出るのを待つ。

 

3. ひと目でわかる判定結果 99%以上の正確さ

      陽性 … 判定窓に 青い線あり (妊娠反応あり

      陰性 … 判定窓に 青い線なし (妊娠反応なし

 

 

 

 

 

お手洗いに入った私は、 検査薬のパッケージを まじまじと見つめた。

 

これを使えば…、 あと数分後には このもやもやした気持ちは 確信に変わってしまうんだ。

 

 

 

結果が出るのが やけに 怖いような、 待ち遠しいような、 不思議な気分だ。

 

箱から 検査薬を取り出し、 今度は 検査薬そのものを まじまじと見つめ、

 

もういちど 視線を パッケージに移した。

 

検査薬は スティック状で、 基本は プラスチックだ。

 

真ん中辺りに 四角い形と 丸い形の窓が それぞれ空いていて、

 

四角いほうの窓が どうやら 『判定窓』 らしい

 

四角い窓に近いほうの端が ペンのキャップのように 外れる仕組みになっていて、 

 

キャップを取ると 「サンプラー」 と呼ばれている 繊維を固めた 棒のようなものが現れる。

 

 

 

ここに 尿をかけて…、

 

四角い窓に 青い線が出てきたら

 

ほぼ 妊娠確定か……。

 

 

 

取扱説明書をみると、 サンプラーを下に向けるとか 尿がしみてくるのを確認するとか

 

細かいことが書いてあったので、 とりあえず 読みながら 実践することにした。

 

説明書を片手に 手順に従って 尿をかけ、 

 

キャップをかぶせて 平らなところにスティックを置いてみる。

 

 

 

これで どのくらい待つんだっけ?

 

 

 

見ながらやっているので 先のことまで頭が回らない。

 

もう一度説明書を読んでみると、 

 

終了確認窓(丸い窓) に 青い線が現れるまで 約1分待つ と書いてある。

 

青い線が出た状態で 四角い窓に青い線があるかどうかで 検査結果がわかるらしい。

 

なるほど、 サンプラーから遠いほうの 丸い窓まで尿がしみていれば

 

近いほうの 四角い判定窓には 確実に尿がしみているということか。 


 

 

 

1分か…。 この状態で 何もしないで1分て、 けっこう長いよな…。

 

結果が じわじわ現れてくるのを、 見ながら待ってようかな。

 

 

 

そう思って、 一旦置いた検査薬を 再び ひょいと手にとった瞬間、

 

私の目は 皿のように開いた。

 

 

 

 

 

判定窓に、 くっきりと

 

青い線が 浮き出ているではないか。

 

(※↑陽性反応)

 

 

 

 

 

え、 えっ!?

 

いいい いっぷんって かいてあったじゃん、

 

もう いっぷん たったっけ!? はやいよっ 

 
てゆーか こころのじゅんびがっ 

 

でも あれっ、 これって、 あれっ?

 

あああああ あたし… あたし……、

 

 

 

 

 

あたし 妊娠 してるんだ!!!

 

 

 

 

 

どうやら サンプラーにかけた尿の量が 多めだったらしく、

 

1分を待たずに 判定窓の部分まで 充分な量の尿が 染みたらしい。

 

予想外に早く出た結果に 多少 おののきはしたものの、 一呼吸おいた私は

 


 

……うーん、 そっかー。 やっぱり妊娠してたかー。

 

これから 生活が ガラッと変わるんだなあ…

 

いろいろ 覚悟していかないと。

 

さて、 夫さんには どうやって切り出すかなあ……。

 

 

 

などと 思いをめぐらしていた。

 

ふと 頭の片隅に、 さくらももこ著の 「そういうふうにできている」 という

 

自身の 妊娠・出産を綴った エッセイの一節が浮かんだ。

 

 

 

『私は尿のしみ込んだテスターを握ったまま、10分余り便器から立ち上がることが

 できなかった。 便座と尻の間に吸盤がくっついているかと思うほど、立ち上がる

 のが困難であった。 

 この腹の中に、何かがいるのである。大便以外の何かがいる。

 便器に座り込んでこうしている間にも、それは細胞分裂をしているのだ。私のショ

 ックとは無関係に、どんどん私のたいないの養分を吸収しているのだ……』

 

 

 

もっと 動揺するかと思ったのに……

 

意外と冷静なもんだな、 私。

 

 

 

少しおかしくなって フフフと笑うと、 夫さんがいるリビングへ戻る準備をした。

 

検査薬を持っていくのが 手っ取り早いけど、 なにせ 尿がしみ込んだ代物である。

 

お手洗い以外の場所に持ち出すのを 躊躇し、 検査薬は

 

サニタリーボックスの上に 置いていくことにした。

 

まだ今頃は うたたねをしている頃だろう。

 

寝ぼけた頭に 真面目な話をしても、 まともに通じないかもしれない。

 

目が覚めてから コーヒーでも淹れてあげて、

 

そこから 話をきりだそうかな……。

 

 

 

夫さんの反応を 頭に巡らせ、 私は お手洗いを後にした。

 

 

 

…まだ つづく。(ごめんなさい)