このあたりは まだウララ家のみなさんと ひよ子家は出会っていないのですが、

 

ついでなので 書き綴りたいと思います。

 

 

 

 

 

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ひよ子家が 家を構えたのは、 2005年 夏のことだった。

 

 

 

もともとは 南北に縦長の 広めの土地。 北側も 南側も 公道に接している。

 

北半分に 小ぢんまりとした パチンコ屋。 南半分には その 駐車場が そこにあった。

 

長いこと 建物は放置されていたが ふと気づくと 更地になり、 「売り地」 の看板が立っていたのを覚えている。

 

ハウスメーカー(以下 ひよ子ハウジング)が 目をつけたのは、 縦長の土地の 南半分だった。

 

 

 

営業マン 「北側は、 地元のメイン道路に面しているでしょう?

 

       交通量も そこそこ多いので、 車庫入れがしづらいと お客様も 購入しづらいんですよ」

 

 

 

南半分を いくつかにわけて分譲すると、 たったの2日で 買い手がすべて決まってしまった。

 

その中の 北側の空き地に面した部分を買った夫婦がいた。 ひよ子家である。

 

ここから、 ひよ子家の 新築生活が始まった。

 

 

 

ひよ子ハウスが建ってからも、 しばらくの間 北側の空き地に買い手は無かった。

 

 

 

我が家の勝手口は 家の北側に作ってあり、 夏場は通気のために 全開にすることもしばしば。

 

ドアのタイプであれば ガラス部分が上下に分かれていたりして スライドで窓のように開閉でき、

 

窓の部分を全開にしても 戸口の半分くらいは ガラスで隠れるものである。

 

あいにく 我が家の勝手口は 引き戸タイプ。 網戸はあるものの、 開けるとなったら 家の中は 丸見えだ。

 

そして 北側の空き地をはさんで 向こう側には 地元のメイン道路が走っている。

 

目隠しのためにも、 早く この土地に なにか出来て欲しいものである。

 

 

 

空き地は 草が生え放題、 どこか 水道管が壊れているのか 常に水が溜まって 湿地状態。

 

おまけに 北側の土地の隣には 飲食店がある。 虫の出ないハズが無い。

 

実際 この年は 家の中で 黒いアイツを しょっちゅう見かけ、 ほとほと困ったものだった。 

 

 

 

私 「早く どうにかならなかなあ…」

 

夫 「コンビニにするほど 広さはないし、 ひよ子ハウジングの言い方だと 家も建てづらそうだし。

 

   月極めの駐車場とかになると この辺の人も 便利なのにね」

 

 

 

時々 どこからか人がやってきて 土地の状況を確認したり、

 

作業車が来て 整地のようなことをして去っていくけれど、 あとは それっきり。

 

基本的に ほったらかしなので、 草など すぐに生えてしまい、 いたちごっこもいいところだ。

 

それでも、 時々 手入れしてもらえるから いいほうなのかもしれない。 

 

 

 

そんなある日、 なにやらいつもの整地よりも 大掛かりなことをやり始めた。

 

地面深くに埋まっていた 大人の腰ほどもある 馬鹿でかいコンクリの塊を、

 

重機を使って いくつも掘り出し始めたのである。

 

パチンコ屋の店舗を取り壊したときに そのまま 埋めていかれたものだろうか。 

 

作業は順調にすすみ、  ドシーーーン  ドシーーーン  という 地面を揺るがすような騒音と共に 

 

家が壊れるのではなかろうかという 地震のような揺れを 

 

何日にも渡って ひよ子ハウスに もたらしてくれたものだった。

 

 

 

私 「あんなでかいもん 埋まってたんだ(汗)  うるさいハズだね…げんなりしてきたよ。」

 

夫 「うちが建つ時も、 近所にこうやって 迷惑かけたんだね。

 

   うちばっかりが 文句言っちゃ いけないよね」

 

 

 

ある日の夕方、 裏の土地に 人が がやがや集まってきた。

 

ざっと見た感じ 10人~15人くらい。 

 

男性は ワイシャツにネクタイ、 女性は 明らかに 揃いの制服を着た OL風だ。

 

「うわ~、 こりゃスゴイもん 出てきたな~」

 

「こんなところに…… したってねえ…… きゃははは」

 

「…はい、 今現場に着きました。 はい、 報告どおりで…」

 

ゲラゲラ笑ったり、 土地について語ったり、 携帯で 状況を伝えたり。

 

明らかに 不動産屋か ハウスメーカーが 下見か何か しにきた感じだ。

 

しかも けっこうやかましい。 

 

夕食の支度をしていた ひよ子は、 通気のためにあけておいた勝手口から 声をかけてみた。

 

 

 

私 「こんばんは。」

 

男 「ああ、 こんばんは」

 

私 「(…お騒がせしています、とか そんな言葉は無いのね…。)

 

   関係者の方ですか? こちらの土地は、 何になるんですか?」

 

 

 

男 「さあ~、 私は地主ではないので ちょっと……。

 

   たぶん、 おうちが建つと 思うんですけど……

 

 

 

 

 

 

 




無関係なら静かにしてよ! 

 

さっき 携帯で 「ウラウラ住宅」 って

 

名乗ってたくせに!

 

 

 

 


 

客じゃない(すでに戸建に住んでいるから購入は見込めない)者には 営業スマイルも無しなのか。

 

いや、 私 一生ここに住む予定だから、 裏に何が出来るか けっこう重要なんですけど。

 

うちの ハウスメーカーだったら 「お騒がせして 申し訳ありません」 とか 一言あるけどなあ。

 

ただでさえ 良い印象が無い 裏の空き地について、 

 

どんどんイメージが悪くなっていくことに 不安が募るのだった…。