今から 30年以上前、 春日井の叔母が 従姉妹を出産したときの話。
赤ちゃんが無事に生まれて 母子共に健康。
実家 (祖母宅) 最寄りの産婦人科を いよいよ 退院する日が やってきた。
入院中にいただいた お祝いの品やら、 身の回りの 品々やら、
退院にあたって 運ぶ荷物はたくさんある。
応援に 市内に住んでいる ひよ子の両親も 駆けつけたそうだ。
叔母も、 父も、 母も、 みんな両手に 荷物がいっぱい。
祖母が 入院費の精算をしていたので、 全員そろって 病院の外で 待っていたらしい。
祖母 「お待たせ、さあ 行こうか?」
やはり 両手に荷物を持ち、 精算を済ませて 出てきた祖母に、
叔母は 衝撃の一言を告げた。
叔母 「ばあちゃん……、
…………あかちゃんは?」
Σ(・ω・;|||ええーーっ!?
祖母 「なに? あんたが抱いてきたんじゃないの!?」
叔母 「抱いてきてないよ! 荷物がいっぱいだし!
てっきり ばあちゃんが抱いてくるもんだと 思って……!」
祖母 「わたしだって、母親のあんたが 抱いてくるもんだと 思ってたよ!
じゃあ 何? あかちゃんは どこにいるの!?」
その場にいた 全員が あかちゃんを 連れていない。
まさか。
即座に きびすを返した 祖母が、 さっきまで 叔母がいた病室に 走った!
バタバタ バタバタ バタバタ ……
……バタン!
病室の ドアを開けると
何も気づいていない あかちゃんが
すやすやと 眠っていたという……。
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ひよ子 「なんで誰も気づかないの? 一人くらい 『あれ?』 って 思いそうじゃん!」
母 「だって、 お互いが 『誰かが抱いてくるさ』 って思ってたんだもん」
叔母 「ホントにもう、 びっくりしたね~ あの時は!
てっきり ばあちゃんが 抱いてきてくれるもんだと 思ってたのに、
荷物しか 持ってないんだもん!」
その後、 祖母にとっての孫が ひよ子を含めて 5人、
ひ孫が 7人 生まれているのだが、
叔父 「あれからだなー、 あかちゃん連れて 退院するときに
『あかちゃん 持ったか!?』 って 確認するようになったの。」
父 「誰だったかなぁー、 最初に 忘れられたのはー……」
従姉妹 「最初に、って、 私しかいないじゃん!
こっちだって 好きで 忘れられたんじゃないよ!!」
親戚が集まるたびに、 新しく あかちゃんが生まれるたびに、
必ずと言って良いほど出る この話題。
今となっては 笑い話なのだが、 置いていかれた 被害者であるはずの従姉妹が
なぜか 笑い者になってしまう。
理不尽だなあと思いつつ やっぱり 笑ってしまう ひよ子なのであった。
ゴメンね、 従姉妹。
ちなみに 従姉妹自身が出産したときも 合言葉のように
『赤ちゃん持った?』 と 言われたそうです★