新居に移ってから しばらく経ったある日、 夫さんの 実家のみなさんが 遊びに来ることに。

 

義父、 義母 、義兄、 新居の近くに住む義伯母 の 総勢4名さまだ。

 

いきなり 6人分の 昼食のしたくは つらいだろうと、 事前に 「お寿司を買っていくから」 と連絡が。

 

買って来てもらうばかりでは 申し訳ない。 こちらでも 簡単なおかずを 用意しておこう。

 

 

 

私 「かぼちゃの煮物と、 たこのマリネサラダと、 デザートにメロンね!

 

   これで いいかな?」

 

夫 「充分じゃない? 寿司もあるから、 あんまり作りすぎても よくないと思うよ」

 

 

 

やがて、 ご一行様到着。 大きな寿司桶を 二つも引っさげてきてくださった。

 

 

 

私  「わあ、スゴイっ! 大きい桶~。 お寿司がいっぱいだ~!」

 

義母 「あらあら、 おかず作ってくれたの? 別に良かったのに!」

 

私  「ううん、簡単だから。 せっかく 来てもらうんだし。

 

    銘々皿がいりますね~。 ちょっと待ってくださいね♪」

 

 

 

ウキウキと 小皿と醤油を準備する ひよ子。 背後で寿司を開けた気配が伝わってくる。

 

 

 

夫  「お~ スゴイな~」

 

義兄 「俺、ウニ! ウニ!」

 

義父 「トロもいっぱいあるぞ~。 食え食え!」

 

義母 「おかあさん、ガリが好き。 ガリちょうだい!」

 

伯母 「私もガリ、好き。 お皿にもらって はんぶんこ しようかね」

 

 

 

お寿司用と おかず用に 小皿を配り、 さあ いただきましょう!

 

 

 

一同 「いただきま~す♪」

 

 

 

ん~、 お寿司 美味しい~♪

 

でも、 私が作った煮物は みなさんのお口に 合うのかしら…。

 

夫さんは 「おいしい」 って 言ってくれるから 大丈夫だと思うけど……。ドキドキ。

 

 

 

義父 「じゃあ、これもいただこうかな」

 

あ、 お義父さんが かぼちゃを食べるっ。 気になって、 ついつい凝視しちゃう…。

 

もぐ もぐ もぐ もぐ ……ごっくん。

 

 

 

義父 「うん! うまい!!」

 

 

 

あ~、良かったぁ! 

 

でも、気を遣って 言ってくれてるのかもしれない…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

義母 「そう? そんなに 美味しくないよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Σ(・ω・;|||

 

 

 

 

き……きつっ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凍りつく 男性陣の空気。 

 

言葉を失う ひよ子。 

 

ああ、やっぱり 余計なことするんじゃなかったか……

 

 

 

笑顔を保ったまま、 心の底まで落ち込むひよ子に、 さらに 義伯母が 言葉を続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

義伯母 「そうだね、ちょっと 酢が利きすぎてるねえ」

 

 

 

 

は?……酢???

 

 

 

かぼちゃ 煮るのに、 そんなもの 入れてませんが……

 

 

 

 

 

 

 

義母  「ね、すっぱい! 私、もうちょっと甘いほうが 好きだわぁ」

 

義伯母 「甘酢ショウガ とは言っても、 すっぱすぎるよね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガリかーーーーー!!

 

(T▽T;)そういえばさっき、 ガリが好きって言ってたっけ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とたんに 和らぐ空気。 なんだそうか、 ガリか、ガリか。

 

忘れてたよ、 お義母さんてば、 あんまり周りのこと 見てない人だったよ。

 

あー良かった。 

 

あーーー安心した。 

 

ヨメ姑バトルが 始まっちゃうのかと思っちゃった。

 

 

 

 

 

義母  「あ、そうそう。 これも いただかなくちゃね」

 

と、 義母が かぼちゃを ぱくりと口の中に入れて

 

義母  「あら 美味しい! 甘さの加減が ちょうど良いわ!」

 

義伯母 「本当、かぼちゃの角も 煮崩れないで 残ってるし。

 

      こういう風に煮るの 難しいんだよ! 上手なんだね!」

 

 

 

……うん、 レシピに細かく コツが載ってたからね (・・。)ゞナイショ

 

 

 

義母  「ほら、アンタ(義父) ちゃんと かぼちゃ食べたの!? 美味しく煮えてるよ!」 

 

義父  「ちゃんと 食べたわ! おまえさんより先に!!むかっ

 

 

 

あ、やっぱり 見てなかったのね。(;^_^A

 

 

 

美味しいと言ってもらえて、 ひとまず安心して お寿司を堪能することができた。

 

どうやら ひよ子は キラキラ“天然”の母キラキラ を持つと言う 星の元に 

 

生まれついたみたいです(^▽^;)

 

 

 

 

それにしても、 男性陣……

 

できることなら、 空気が凍りついた瞬間、 

 

誰か一人くらい フォローか ツッコミ 入れて欲しかったな……。

 

 

 

あの一瞬だけ ひよ子は 針のムシロに 座った気分だったよ……☆