HS2と私。
あまり大きい声で言えないような気がするんですが、私、HS2関連の仕事をしています。
なんで大きな声で言えないかというと、反対派が中々激しいからです
日本語でここで吐き出させてー!!
私の大学院の同期も、卒業後にロンドン外へ引っ越していて、
HS2の新しいレールで影響を受けるらしい原生林の森?の近くにいるらしく、FBとかでよく反対の声をシェアしてました。
最近の大きな出来事で言うと、反対派の数人がユーストンのどこかに穴を掘って立て篭もりしたのとか、覚えてる方もいるかと。去年だっけ。
ぶっちゃけ、HS2って、ロンドン在住の方にはあんまり関係ないですよね。もうロンドンにいるんだし。
私も、北へ行く高速鉄道が出来るのか、ふーん。くらいにしか思ってなくて、全く興味がなくて。
一応、年に2回ある国家予算の発表の際、インフラストラクチャーへの予算の割かれ方を毎回チェックしてるんで(インフラへの投資は、建築業界にはモロに影響しますので)、HS2のこともインフラの一部として頭の隅にはあったんですけど...
ちなみに、列車は日本の日立で、完成後のマネージメントも請け負うそうですが...
あれ、ドイツの会社との合同出資でしたっけ。
そんな私がまさか関わることになるなんて、夢にも思わず。
これで、新しいユーストン駅をやってます!ならもっと華々しいのですが
残念ながらそっちではなくて、関連施設の設計とだけ言っておきましょうか。
で、まあ、これがCamden councilとの土地問題で揉めて、去年の春から動いたり止まったりだったんですよ
漸く年明けに、土地問題が解決に向かっているから、また動き出すよーとお達しがあったのですが、
その途端、ニュースで、HS2は、酷いインフレの影響もあって、コスト削減のためにユーストン(ロンドン中心部のターミナル駅)まで乗り入れない可能性ありって出て、
ユーストンの関連施設をやってる私は「え!」ってなったわけですよ
そしたら次の日かな。
Chancellorが(日本で言うと財務大臣?)、HS2はユーストンまで来ますって宣言して、私のプロジェクトが無事復活
そもそも、ロンドンまでの高速鉄道が、ロンドンの郊外でストップするなんて、余りにも無意味じゃないですかね... 莫大な国家予算掛けて建設する意味...
TFL(ロンドン交通局)も、その郊外から、中心部まで、乗客を運ぶキャパシティーが現在ないと反対...。
結局は、2年間くらい、プロジェクトの一部を停止してコスト削減するということで落ち着いたらしい。
その間にインフレは落ち着くだろうと。
ユーストン周辺はこのまま続行。
プロジェクト再開のキックオフ・ミーティングが今月の頭にあって、土地関連の法手続きが完了次第、すぐに取り掛かって下さいってとこで、待機してたのですけど、
そしたら、再びのStop Notice!
なんの前触れもなく、いきなりメールが来たのでビックリしました。
契約項目のxxxxを行使します。全員、今すぐ仕事を止めろ、的な
や、だって先週、土地契約のための図面送って来いって言ったよね?みたいな
ニュースを見たら、2年間止める方がコストが掛かるので、フェージングの再検討が必要とか、また揉めてるのが報道されてて。
なんかさ、もうここまで来たら、ほんとどうしようもないと思うのよね。
特にユーストンの裏手はもう破壊の限りを尽くしてて、壊すものは全部壊しちゃってるし、
Googleマップ見てもらうとわかるけど、砂漠かい!って状態でして。
お店や、住んでた人は追い出されてしまってて、あんな状態でプロジェクトストップで放置ってことになるのは、あまりにも酷い。
今後の治安にも関わるし。
BBCで地元住民の声みたいな特集もあって、もうHS2問題、ほんと難しい、悩ましい。
もう戻れないところまで来てからの、この現状。
とりあえず、うちの会社がする予定の設計デザインはそのまま続行することになってよかったんだけど、
たぶん急に仕事がなくなった会社もあるんだろうなぁ... 困るよね
私もこのプロジェクトが止まってたら、どうなってただろ...
建築やってると、経済の煽りを肌で感じるんですが、
国家プロジェクトのHS2、パンデミック中もガンガン工事続いてたんで、「さすがー」とか思ってたんですけど、
国家プロジェクトだからって、安泰ってわけでもないんだなーと。
経済の打撃を受けやすい、自分の仕事がちょっと嫌になる瞬間でした。
チャンチャン。