今後のキャリア計画。 | HiyOkO dAys

今後のキャリア計画。

この感動と決断を忘れないためにメモ!

色々なんのこっちゃな内容も多いかと思います。

昨日はRIBA(Royal Institute of British Architects)のAccessibility & Inclusive Designという分野の特別講習会でした。
会社内推薦で、数人のうちの一人として参加させて貰えました。(←そこまで競争が激しかったわけでもないですけど)
私は、通常、中規模から大規模な集合住宅の設計デザインを主にしていますが、
自分の担当プロジェクト以外でも、時々別チームから車椅子住宅のチェックをお願いされることもあります。
(ロンドンでは、ある程度の規模の集合住宅につき、10%は車椅子用の住宅を作る規定があります。但し、これが車椅子専用住宅として売り出されるかは別問題です。オイオイ...

Accessibility & Inclusive Designとは、わかりやすくいうと、万人がアクセス(建物の出入りなど)や利用しやすい環境を目指す、といった建築分野です。
万人の中には、当然車椅子利用者も含まれるし、
歩けるけど、目や耳に不自由のある人や、
赤ちゃんを連れた人など、色んな理由で、身軽に活動出来ない人も含まれます。
イギリスの法律では、これらの人々が差別を受けてはならない、と明言されているのに、実際の建物事情はそう簡単ではありません。

今回、講師をしてくれたのは、ロンドンオリンピックで、実際にAccess Consultantとして活躍された方でした。
ロンドン在住、またはイギリスでBuilt Environmentに関わっている方なら実感があるかと思いますが、ロンドンのAccessibilityが飛躍的に改善されたのは、間違いなくオリンピックが決まってからでした。

なぜなら、ロンドン五輪のテーマが、「Sustainability」と「Accessibility」だったからです。

ロンドンの多種多様な人々が、自由に自分の意思と尊厳を持って、その場を楽しめること。(直訳するとこんな感じかな)

これを最大のテーマに計画されたオリンピックでした。
そして、同じくパラリンピックにもものすごく力を入れていましたし。

そのためには、要所要所からのオリンピック会場へ行くための駅や、ルート環境の改善も急務でした。

実際、息子が2012年夏に生まれて、そこから数年、ロンドンでバギー生活をしていた私。
ちょっと前に比べれば、駅や街中が随分バリアフリーになったなぁ!と感じていました。
まあ、本当に一部なんですけど!

というわけで、そこから世間のAccessibilityの認識が急に上がったわけです。
クライアント側も、設備を整えないと、公共イメージがダウン、下手したら差別で訴えられるというリスクが格段に上がったという。


イギリスは、移民と、その後生まれたイギリス人として育っていく子供達の影響で、少子化には歯止めがかかった国ですが、
高齢化社会は止められず。
数年後には、85歳以上が2倍近く増えるそうです。

数年前に改定されたロンドンの都市計画も、高齢化社会に重きを置いた計画案に軌道修正されています。

高齢化社会=身体に何らかの不自由さがある人が増える
分かりきった構図ですね。

そして、講師の方はもうひとつ興味深い例を上げました。
医療技術に発展により、救える命が増えたことで、障がいを持って生まれる子供が増えていること。

二人目の妊娠初期に、様々な障がいの可能性を突きつけられた私には、なんともタイムリーで生々しい事実でした。

うちの近所に、かなり大規模なSpecial needsの小中学校がありますし... 

障がいのある子供が増える= 障がいのある大人が増える、ということにもなります。

世の中は、益々Accessibilityを追求していかなくては行かない段階に入っています。

ロンドンで難しいのは、古い建物がそれに対応しきれないということ。

それでも、その建物の歴史的価値を損なうような改修は許されないということ。

それには、建築の知識を持ったコンサルタントがもっと必要になるということ... 



今回の講習は、将来的にその分野のスペシャリストになるための最初の一歩で、どうやって資格を受けるかなどの話もあり、
最初にこの講習の話が来た時に、マタニティーが終わったら、ぜひ頑張ってみようと思っていたのですが、

実際に講習を受けて、


絶対やる!!と心に決めました。





建築士という職業は、日本ではきっともっとすごいんだと思いますが、仕事量と残業が多い仕事です。(イギリスではそれが問題になってきてますが、ここ最近)
子供が小さくて、残業が出来ない立場の私は、出世したくても、会社側に勧められても、ある程度は断らないといけない状況です。

なぜなら、立場が上がると、急な残業が増えるからヽ(;▽;) 
そして残業しないと終えられないくらいの仕事量になるから!
現時点でも、そこそこ残業しないと終わらないのに、これ以上なんて無理ー!
(なんかフルタイムで働いているのに、周りと比べると時々パートタイムなような錯覚が起こるよ...)


それでも、後輩に当たる子達が出世していくのを見るのは、なんだか悔しいというかモヤモヤした気分になるし(仕方ないけど)、
この仕事ならMay* に渡せば完璧!と言って貰える(車椅子関係とか)武器はあるのですが、このまま足踏みしているわけにもいかないので、
通常の出世コースには行けないけど、
だったら何か付加価値を自分に付けないとなー、と思っていたところなのです。

CDMコーディネーターとか、
Conservation architectの資格とか、
Urban plannning系のマスターのコースをパートタイムで、
とか漠然と考えていたんですが、

Accessなら、今自分が得意で、社内でも意見を求められる分野でもあるし、今後伸びていく分野だし、一石二鳥。

もしかしたら、独立、フリーランスとかの可能性も広がるし。
(いや、私会社員やってるの好きなんですけどね)

ただ、すでにアーキテクトだからって、簡単に取れる資格でもなくて、
提出するレポートや書類の準備に、最低でも1年くらいかかりそう。
それでも、建築の知識がベースにあるのは、かなり有利らしい。
別分野から目指す人もいるそうです。セラピストだとか、介護士だとか。


ちょっと昨日の情報を整理して、しっかり計画を立てねば。
息子の妊娠中も、Part 3(一級建築士みたいなもの)に取り組んで、
下の子の妊娠中は、Accessibility。

仕事の転機と、出産が重なる運命なのかしら真顔!?