週末のある日、緑豊かな国立市に場をお借りして、

アートワークショップを行ってきました。

 

タイトルは

「耳からこころへ 目からこころへ」

 

年齢も0歳児〜40代まで

大人も子どもも一緒になってアートの時間を楽しみました。

 

私のWSでは、一つとして同じ進行のものはありません。

それは、「場所」「人」「もの」の条件が毎回違ってくるから。

 

⚫︎「場所」はその土地が持つ風土や熱量をそのまま活かしたいと思っています。

 

⚫︎「人」はこちらがあらかじめ予定した進行に沿ってお連れするより、

参加する人たちが今、何に関心を寄せているか。

何に心が動いているかを進行の出発点とした方が、想定以上に素敵な方向へ伸びていくからです。

 

⚫︎最後に「もの」

これは、たくさんのバージョンを用意しておいて、その時々によって、何を出して何を出さないか、その場で判断しています。

 

つまり、計画はあるけれど、いつも即興。

台本はあるけど、いつもアドリブ。

これがまたみんなが一番楽しい方法でもあるのです。

 

 

この日は、素敵なお庭が見渡せる縁側で

耳を澄ませてその音を色や形で表現しました。

 

日常の何でもない音。

 

風のサラサラと葉を揺らす音。

 

鳥のさえずる音。

 

踏みしめる地面と靴のくしゃくしゃした音

などなど

 

ただ

今の状況に集中してみると

色んな音が聞こえてきます。

 

と同時に、木々の間から溢れる木漏れ日。

それを揺らす優しい風

気温、匂い・・・。

 

 

一つの感覚が開いてくると

他の感覚も一緒になって開いてくるのを感じました。

2歳時は庭にまかれてあるチップに触れ、

何度も何度も触れては放し、

感触とパラパラとする音を楽しんでいました。

 

また、風の音を聞き分けて、その形を次々と描く子。

 

魔法のようにアイデアが浮かび、その様子を大人が羨ましく

思う場面もありました。

 

大人も子どもも同じ平地に立って、自分の感覚に耳を傾けた時間。

目の前にある何か小さなことに眼を向ける心を保つことは、

自分の小さな心の動きを感じていくこと。

 

つまり、自分の中にある優しさを育てていくことでもあり、

優しさはそのうちに、

小さなものへの感謝の気持ちにつながっていきます。

 

 

時間が90分も過ぎた頃、小さな人たちはぐっすり眠り、

そこから大人たちは手を動かし、夢中になって仕上げている内に終わりの時間になりました。

 

この日作ったのは、ここで感じた全てを詰め込んだ小さな絵本。

そこに吹いた風、木々の木漏れ日、さらさらとした風の音

美味しい匂いも、誰かの笑顔も、優しい眼差しも・・・。

 

この日体験した全ての時間とプロセスが、真空パックされ、「とき」となっていく。

 

明日に劇的な変化はないけれど、こうした1日の積み重ねが、毎日を心豊かに生きるbetter lifeにつながっていくと確信しています。

 

この日、「耳からこころへ目からこころへ」

落とし込んだ感覚を時々おもいだしながら、

「なんでもないこと」を丁寧に。

心を真ん中に置いて、今を味わう。

 

いつか絵本を開いた時

その時の気持ちが生き物みたいに

それぞれを優しく幸せな気持ちに包んでくれることを願って。