記憶の答え合わせと解説 | キキのサイコロジーブログ(臨床心理士、公認心理師試験対策)

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心理シのキキです。
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こんばんは、キキです。
暑いですね。こんな時は海へ行って、海水浴やスキューバダイビング等をいきたいものです。沖縄なんていいですね。そんな時間もお金もないですが。。。

では、前回の解説をしたいと思います。

始めに記憶とは何でしょう?
有斐閣の辞書によると、「記憶とは過去経験を保持し、後にそれを再現して利用する機能で、符号化(記銘)、貯蔵(保持)、検索(想起)の三段階からなる。後略」とあります。つまりこの三段階で覚えていくわけです。
 記憶を情報処理の流れとして捉えると以下の図のようになります。
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記憶の二重モデル

まず、外界から入ってきた情報は感覚登録器(感覚記憶)に一時的に保持され、そこから注意を受けた情報短期記憶に送られます。短期記憶には限度がある(一般的には7±2チャンク)のでいらない情報は消去されますが、必要な情報はリハーサル等の記憶方略によって保持され、長期記憶となっていきます。
長期記憶の種類長期記憶

 長期記憶には大きく分けて言葉やイメージによって表すことのできる宣言的記憶と言葉などでは表せない非宣言的記憶があります。
 宣言的記憶には、出来事や思い出と言ったエピソード記憶、物の名前や一般知識などの意味記憶があります。
 非宣言的記憶には、自転車の乗り方等の手続き記憶、プライミング記憶、条件付けなどがあります。
 ここで問題です。◯に一文字入れて言葉を5個作りなさい。

「◯んご」

何が入りましたか?りんご?たんご?ろんご?

もし、さんごって答えた人がいたらそれは冒頭の海の下りで、プライミングを受けたかもしれません。プライミングとは先行刺激の受容が後続刺激の処理に無意識的に促進効果を及ぼすことです。今回の場合、冒頭の海の話で海中を想像した人は「さんご」が出たかもしれません。


Ebbinghaus,H.の忘却曲線
 Ebbinghaus,H.は自分自身を実験台として無意味綴りの実験的研究を行い、記憶したものは急速に忘れるが、一定時間を過ぎると忘却が緩やかになっていくことを証明したのである。

では、前回の答え合わせです。

1. 保持率とは学習に要した時間から再学習に要した時間を引いたものを原学習に要した時間で割り、100をかけたものである。
◯ その通りです。Ebbinghaus,H.はこの保持率をもとに忘却曲線を考案しました。

2.短期記憶とは注意を向けた情報を一時的に蓄える記憶のことで、数秒程度の保持である。 
× 短期記憶は15~~30秒ほど持ちます。数秒は感覚記憶という意味で書きましたが曖昧な問題でしたね、すいません。

3.短期記憶の容量は一般的には7±2チャンクと呼ばれている。
◯ Miller,G.A.がマジカルナンバー7±2を唱えました。


4.記憶は記銘、保持、忘却の3つの過程からなる。
× 忘れちゃダメです。想起しましょう。


5.長期記憶には宣言的記憶と非宣言的記憶があり、宣言的記憶には意味記憶や手続き記憶が分類され、非宣言記憶にはプライミングや条件付けなどがある。
× 手続き記憶ではなくこの場合ならエピソード記憶ですね。

6.自伝記憶とは人生の出来事にかかわる記憶である。
◯ そのとおりですね。

7.一連のリストの初めの方にある項目を想起しやすい現象を親近効果という。
× リストの初めの項目を想起しやすいことを初頭効果、終わりの項目を想起しやすいことを親近効果と言います。


8.幼児期の出来事を覚えていないことを幼児期健忘という。
◯ その通りです。一般に3歳以前の記憶はなかなか想起することが難しく、思い出せない理由として、記憶が抑圧されている説、ことばが未発達で符号化が上手くできてなかった説、体の大きさとか変わっているなど、記銘時と環境変わってて思い出しにくい説などがあります。