また間が開いてしまいました。。。一日、一日が飛ぶように過ぎていきます。

 

忘れないうちに、NY観劇レビュー、三本目は中谷美紀主演のHunting Gun(猟銃)です。井上靖の小説、「猟銃」を元にした一人芝居です。これまでも海外や日本で何度か上演されているようです。こちら、友人のSNSの投稿でちょうど私たちがNYに行く時期に上演されていることを知り、ミハイル・バリシニコフと共演ということにも興味をそそられ、チケットを取ってみました。

 

 
小説は一人の男性に宛てた、三人の女性からの手紙で構成されており、中谷美紀さんは一人でこの三人を全て演じます。中谷さんはテレビでしか観たことがなく、演技派なイメージでしたが、やはりすごい女優さんだなと思いました。衣装を変えながら、個性の全く違う三人の女性を見事に演じ分けていました。

 

セリフは小説通り、ということは小説丸まる一つ分、暗記しているということで、それだけでもすごいと思いました。。。セリフは全て日本語で、英語の字幕がスクリーンに表示されるという形式でした。

 

期待していたバリシニコフは踊ることもなく、舞台奥のスクリーン裏で銃を構えて立っているだけ。時々姿勢を変える以外、セリフも全くありません。確かに、彼の存在感はすごいなと思ったのですが、どうしてもぬぐえなかった感想が・・・

 

これ、バリシニコフでなくてもよくない??

 

NYということと、上演がバリシニコフアートセンターということ、アメリカでは無名の日本人女優の一人芝居ということで、注目を集めるためにバリシニコフが出演することになったのだとは思いますが、バリシニコフがどうしても譲介に見えない。。。人種で役を決めるのはこの時代、ナンセンスだとは思うのですが、世界観を表現するためにはある意味、仕方のないことではないのかと思います。例えば、この後で観たライオンキングはほぼアフリカ系の俳優がキャスティングされており、おかげで世界観にどっぷり浸ってみることができました。


また、話の内容がかなり日本的な暗い内容なので、海外の人たちに理解してもらえたのだろうか、というのも疑問に思いました。終演後、英語で「日本語が理解できればよかったのに。。。」と言っている声が聞こえました。

 

ごもっとも。。。

 

字幕では伝えられる内容に限りがありますよね。ということで、違和感はぬぐえなかったものの、生の中谷美紀さんは美しく、演技も素晴らしかったので良いものが観られたと思います。