世の中のほとんどの人が知っている
「シンデレラ」
なんていうお姫様がいます。
でも、私は主役でもなく
誰かの助けを期待するほど夢見る乙女でもない
ただただ召使い同様働く「灰かぶりのおばさん」です。
ちょっとあなた、
抱っこしなさい。
という叫びに
はいはいはい、ただいま。
と飛んでいきます。
ちょっとあなた、
このご飯気に入らないのよ。
という怒りに
申し訳ない、すぐにお気に入りを!
と頭をたれます。
ちょっとあなた、
うるさいのよ。
という呻きに
ああ…失礼しました。
と沈黙を守ります。
シンデレラはいじわるな継母たちのために
せっせかせっせかと働いていましたが、
灰かぶりおばさんの場合、
主役の姫のためにせっせかします。
お手が汚れないようにせっせと床を磨き、
姫の後ろに汚れありの日々では
彼女の後ろもせっせと磨かなくてはなりません。
そして、
自由時間がありません。
前にも増して昼寝が減り
さらに夜のグズグズが増えた今、
召使い以外の仕事をするのに身を削っています。
でも、本当の身はなぜか削れず、
ゲソっとするどころか、腹がポテッとしたような…
クッ
良いことなしかよ。
って気分になります。
夢見る乙女はもう卒業しましたが、
灰かぶりおばさんも、
いつかはこの努力が報われ、
ママだいしゅき
ママにあげる
ママ私がやってあげるよ
ママ休んでなよ
なんて日がこないかと
ヨダレを垂らしながら夢見ているのです。
でも、そんな儚い夢は
朝日とともに屋根まで飛んで
壊れて消えてしまうのがオチなのです