主人への手紙
主人が亡くなって2ヶ月半。
亡くなる直前はワールドカップの予選の
真っ最中で。
主人も介護ベッドに寝ながら、深夜
ドイツ戦を見て「勝ったなあ。」なんて
嬉しそうだったのを思い出します。
その後の試合はもう見る気力も体力もなく、
そのまま結果を見届ける事なく
逝ってしまいましたが。
私はと言うと、主人が亡くなって。
膨大な手続きに奔走され悲しむ暇も
ありませんでしたが。
先週。登記完了証と登記識別情報が
送られて来ました。
この家の所有権、権利などが主人から
私に変わった書類を見て、なんだか
しみじみとしてしまいました。
結婚してからずーっと主婦で仕事を
してこなかった私が、1人ではこの大きな
不動産を持つ事は出来なかったはずです。
この家は、主人の私に対する贈り物
なんだよなぁと。
大事に住んで行こうと改めて思いました。
主人があちらの世界の人になってから
世の中も動いています。
ルフィとか言う強盗団が騒がれてるよとか。
日銀の黒田総裁が辞めるんだってとか。
主人が生きていたらこんな話しを
2人でしただろうと思ったり。
今年の冬は寒くて。
電気代大変、なんて言うと節約しろ!と
叱られたかもしれません。
あれだけコロナ感染に気をつけていた
主人でしたが。(本人はむろん、最期まで
罹りませんでしたが)
息子2人は今年になって相次いで感染
したんだよ、でもすぐに元気になったよ
なんて教えたら「気をつけないからだ。」
「あちこちウロウロするからだ」と
主人は不機嫌になった事でしょう。
私の椎間板ヘルニアの話しもしたかった
ですね。MRI平気だったよ、とも。
何より、新しい家族のゆめちゃんを
主人が見たら絶対に可愛がったろうと
思います。もっとも主人が生きていたら
ゆめちゃんをお迎えは出来なかったので
これは巡り合わせなんでしょうけど。
11月の最後になった診察の時。
主治医が「せめて桜🌸が咲くまで頑張り
ましょう。」と言った事を思い出します。
あの時点で余命二週間でしたから、
そもそも桜なんて無理な話でした。
主治医もわかって言ってたんでしょうが
主人が一番それを理解していたでしょうね。
来月、桜が咲き始めたら。
ゆめちゃんと2人でお花見しようと
思っています。
主人に話したい事が次々と溢れて来ました。
伝わらないかもしれないけど今の私の
気持ちを手紙にしたくなりました。
亡くなってしまうと、本当にもう
この世にはいないんだなあと
違う世界の人になってしまったんだなと
また実感してます。