おはようイーグルでスタートした佐久間朱莉。
前半9ホールを雰囲気よく回り、ノーボギーで首位をゆく。
そこについていく阿部未悠が、10番のバーディで佐久間に1打差に迫った。
11番Par.4。2打目を木に当ててしまった阿部未悠の3打目はスタイミー。フェアウェイに戻す決断をする。そして4打目はグリーン段の下、カップまで6mのところで止まった。
次がボギーパットだが、ダボの可能性もある。ここでダボを打てば、すでに雰囲気を作りつつある同期(93期生)の佐久間に、悲願の初優勝は持っていかれるだろう。
「逃げるのはイヤなので」
10日ほど前にインタビューをした阿部未悠はこう言っていた。ただ、その後にこう続けた。「これからは“攻めを切らさないマネジメントのひとつとしての“守りの選択”も必要」と。
これらの言葉が凝縮された阿部の11番ホールだった。
冷静に判断した3打目、そしてボギーパットは「絶対にダボは許さない」という気持ちが入ったストロークだった。
この1打がこの試合の分水嶺になる。
12番をバウンスバックでスイッチオン。14番から4連続バーディの固め打ちで、見事コースレコードで初優勝を飾った。
1.5mのパーパット for win. 初優勝のかかったこれがまったく簡単ではないことは、昨年CATの蛭田みな美に聞けばわかる
阿部へのインタビュー原稿はほぼ完成していたのだが、この優勝により、内容を大幅に書き直さなければならない。ただ、優勝という事実を加えるおかげで、これ以上ない説得力のある原稿に生まれ変わってくれることだろう。
一方、敗れた佐久間朱莉。最終日は1イーグル・4バーディ・ノーボギー。勝つためにこれ以上何をしろと?という気持ちだろう。
佐久間には残念だったが、今日はコースレコードを叩き出した阿部を誉めるほかない。
間違いなく今シーズン名勝負のひとつに数えられるだろう。
そこに疑問の余地はまったくない。
気丈に勝者の阿部未悠を讃えたあと、涙があふれ出てきてしまった佐久間をなぐさめる桑木志帆。自身も昨季こんなシーンを経験しているから、佐久間の気持ちが痛いほどわかるのだ。今季、この2人に初優勝が必ず訪れますように。
顔をおおって涙を堪えられなかった佐久間を見て、昨年のリシャールミルを思い出した。
プレーオフの池ポチャのあとのショットは、グッドルーザー・オブ・ザ・イヤーに値する1打だった。
あれから10ヶ月、今日こそは佐久間が……と思ったが、初優勝の壁とは、人によってはとてつもなく高いものなのだ。
上田桃子。
最後は苦笑いが出ちゃっていた。
「今日はぜんぜん入らねー」って感じだっただろうか。
そして最後に菊地絵理香選手。
最終日はアンダーパーで回って、36位Tフィニッシュでなんとかポイントゲット。来週も過去に優勝した大会だ。期待したい。
初優勝おめでとう。この勢いでサントリーも獲って念願の全英へ
どっちが勝っても同期だし〜 と集まった面々。桑木も続け!
◯◯世代みたいな名前はあえてつけていない93期生。ここもすごいメンツだ
イミニョン、蛭田も一時首位に並んだのだが……。それにしても竹田、天本の安定感よ。この2人の優勝争いも見てみたい