最終日は荒天のため、セカンドカットが実施されて、10〜18番ハーフ決戦となった。
今シーズン最初の名勝負がきたと言ってよいだろう。
ますは鈴木愛、10番で不思議なパー逸、幸先の悪いスタートだったが、12番から3連続バーディ、15番でまたしても不思議なパー逸があったが、その後連続バーディで、結果3つ伸ばしホールアウト。
そして小祝さくら。ボギーを叩いてもバウンスバックでガッツポーズという闘志を表に出す鈴木愛に対して、いつもどおり淡々とノーボギーでホールアウトの小祝。「淡々と」と書いたが、17番の4mを先に決めた壁ドンパットは、小祝の内面では闘志がメラメラと燃え上がっているのがわかった。
このふたりの勝負の行方はプレーオフへ。
PO1H目はお互いパー。2H目、2ndがバンカーに入り3打目も4m残した鈴木愛に対し、小祝さくらはウイニングパットとなるバーディトライ。雰囲気は完全に小祝に傾いていると思われたがこれが惜しくも入らず、思ったより転がりボールは1.5mカップを超える。万事休すと思われた鈴木愛だったが、この4mを決めればまだ勝負は続く。
絶対に決めなければならないパットであればあるほど、絶対に入れてくるんだろうなと思わせる。だからその選手は「パットの名手」と呼ばれる。
パットの名手はそれを決めた。
そしてそのプレッシャーが何倍にもなって、これから打つ小祝の両肩に重くのしかかった。
1.5mのパットは左に外れて終戦。
愛ちゃん2週連続おめでとう
私を含めて誰もが予想していた今週の鈴木愛の優勝だったとは思うが、プレーオフまでもつれるとは正直思わなかった。最終日の荒天が多少影響したのかもしれないが、小祝さくらがやはり実力者であることの証左とも言える。
いずれにせよ、2週連続優勝で通算20勝目を決めた鈴木愛。先週の試合後レビューで、「早く追いかけないと追いつけないよ」と若手に忠告めいたことを書いたが、もう一度同じことを書くべきか。
また初優勝を狙う天本ハルカ、竹田麗央は5位Tフィニッシュ。特に天本は開幕から3戦連続トップ10と好調が続く。桑木志帆が上がってこない今、このふたりが初優勝にもっとも近いといえるだろう。
それと菅楓華がやはり非凡さを見せつけ7位T。SUTで大暴れして来季ツアーでの活躍を期待したい。(今季推薦試合で結果を出してしまう可能性も大いにあるが)
菅ちゃん、あれ? メイクもっとナチュラルでいいと思うぞ
そして最後に菊地絵理香選手。
連続ボギーと苦しい出だしだったが、2バーディでTodayEVENに戻して、7位Tと見事トップ10フィニッシュ。これで開幕から3戦連続予選突破で、3位、7位T、25位Tと着実にポイントを重ねている。今年はピンチが訪れても大崩れしない。おそらくこのまま優勝しなくてもシードは獲得しそうだ。そのくらい安定感がある。
しかし、本人も公言しているように、やはり本年もメジャー獲得が使命だ。
サロンパスカップまであと7試合。ここまで好調を維持できるか。
18番のセカンド。これを見せてもらえるなら結果なんてどうだっていいわ(いや、結果は大事)、と思わせる鳥肌もののショットです