2023年 第30戦 日本女子オープン【最終日】 | ひよこきんぎょのJLPGA(日本女子プロゴルフ)ツアー観戦記

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菊地絵理香選手を中心に、試合レビューを書いていきます。
※記事中の人名はすべて敬称略とさせていただきます

 

エリカ × エリカ[第2部]
最終日、NHKを見ながらライブで、実況よろしく進めていこうと思う。

【5番】Par.5
放送開始後すぐに英莉花のイーグル。
しかし絵理香、それに動じず確実にバーディゲット。英莉花と1打差。
原英莉花 -13
菊地絵理香 -12
古江彩佳 -9


【6番】Par.4
絵理香、ティーショットを入れてはならない右バンカーへ。
フェアウェイに出して勝負の3打目はピン上3m。これも炎のパーセーブ。
英莉花とは1打差のまま。
原英莉花 -13
菊地絵理香 -12
古江彩佳 -9


【7番】Par.3
絵理香、ティーショットは安全に右から、ピン12m。上り下りのぐちゃぐちゃライン。しっかり2パットでパーセーブ。
しかし英莉花は3mを決めてバーディ。これで2打差。今日の英莉花、完璧すぎて手におえない。
古江はバーディ。
原英莉花 -14
菊地絵理香 -12
古江彩佳 -10


【8番】Par.4
絵理香、完璧なティーショットでフェアウェイど真ん中。
英莉花のティーショットは右へ、だが運も味方しファーストカットに戻ってくる。
強烈なアゲンスト。絵理香、2ndは2オンもピン10m以上。すばらしい距離感で確実に2パットでパー。
一方の英莉花、2ndはバンカーへ。今日初めてショットが乱れた? しかし完璧なバンカーショットで1.5m。ピンチがピンチにならない。
さあ、鬼門の9番へ。
古江がボギーで1つ落とす。
原英莉花 -14
菊地絵理香 -12
古江彩佳 -9


【9番】Par.4
絵理香、ティーショットはフェアウェイ、松の木の左へ。少しアングルに木がかかるが2ndは2オン4m。
英莉花は左へ。バンカー超え&手前ピンで難度高めの2nd。安全に2オン6mを2パットでパー。
英莉花との差を詰めるチャンスだったが、バーディパットは決まらず、パーで2打差のままサンデーバックナインへ。
古江がダボで後退。
原英莉花 -14
菊地絵理香 -12
古江彩佳 -7


いよいよ運命のナショナル・サンデー・バックナインへ
昨日同様パーオンしても難しいラインばかりが残る絵理香。
これで本日ノーボギーは奇跡。
最終ホールはパー5、それまでに英莉花の前に出ていたい絵理香。



【10番】Par.4
飛ばす英莉花、フェアウェイ左へ。
飛ばないけど絵理香、気にせずフェアウェイ真ん中へ。
2nd、ピン奥、7m下り。これも難しい。風で戻されたか弱い。2パットでパー。
英莉花、バックスピンの転がり過ぎも自身の落下点で剥がれた芝がストップをかける。運も味方に。
そのバーディパット「入るな」の願いが届いたかパー。
残り9ホールで2打つめるのは不可能な雰囲気。
今日の英莉花にまだ1つしか離されていないのは奇跡。
原英莉花 -14
菊地絵理香 -12


【11番】Par.4
絵理香ティーショット、バンカ脇のラフへ。
2nd、奥のOBが怖いのでつっこめず。ピン8mは、まんまと英莉花の先生パットに。
ここでも運は英莉花の方へ。
しかし英莉花決められず二人ともパー。
ずっと英莉花のパーパットはほとんどタップイン。
一方、絵理香のパーパットは神経を使うものばかり。その疲労度は計り知れない。
古江が11、12連続バーディで生き返りそう。今日だけはすっこんでいてほしいのに。
原英莉花 -14
菊地絵理香 -12
古江彩佳 -9


【12番】Par.3
英莉花が完璧なティーショット、2mにつけてバーディ。と思ったがカップ左を舐めるようにボールはそれる。パー。
絵理香、グリーンオンも6m。バーディパットは打っているが、5番以降チャンスはない。
また上って下るのライン。打てずにパー。
3打差になるところが、なんとか2打差キープ。
この1打は大きい。
原英莉花 -14
菊地絵理香 -12


【13番】Par.4
英莉花、絵理香ともフェアウェイど真ん中。距離は負けても他は負けない気持ちで。
健気なプレー姿勢に見ているこっちがもう泣きそう。
英莉花は2nd、奥、難しい7m。完璧な読みから放たれたボールだったが、
これも数センチで入らず。まだ運は残っている、決めろ絵理香!!!!
絵理香、ピン3mやっとチャンスがきた。
でもほんの少し、ほんの少し弱かったのか。バーディならず。
今日これまで張り詰めていた緊張の糸が切れるには十分か。
このあとまだPar.5が2つも残っているし、
これで決まってしまったかな。
原英莉花 -14
菊地絵理香 -12


【14番】Par.4
英莉花は見せつけるようにティーショットを遠くのど真ん中に。
絵理香はそう遠くないところの激烈なラフへ。
服部道子いわく、パーで上がれたら120点というラフ。
しかし3打目、すばらしいアプローチで3m、パーの可能性が出てきた。
決めてほしい。
そこで雨が。。。
これは北海道(あのニトリの時の)の雷様が出張してきてくれたのか?
英莉花、2ndがグリーン傾斜から外へ出される。ウエッジで3打目。ピン3m。簡単にパーゲット。
そして絵理香、外せばまた1打離されてしまう、このプレッシャーのかかるパーパットを、また見事に決める。(服部道子、絵理香に120点をあげてくれよな!)
絵理香はまだまだ諦めていない。だが、私の涙腺はもう崩壊寸前だ。
英莉花との差は2打のまま。
原英莉花 -14
菊地絵理香 -12


【15番】Par.5
絵理香、ティーショットが14番に続いて右へ。
バンカーあご近く。なんとか出したが3打目はエッジまで200y。しかもアゲンストだ。
絵理香の飛距離で3オンは限りなく厳しい。


ここでまさかの奇跡が起こる。
渾身のフルショットが強烈なアゲンストを切り裂いて200y先のグリーンを捉えたのだ。
おぉ、一体その小さな身体のどこにそんな力が残っていたんだ……。

なんという執念。
でももう、もう十分だよ。
ここで私の涙腺は完全に崩壊してしまった。
一方、英莉花はピンまで55y位置からの3打目はピン4m。
先に打つ絵理香、カップから6m以上あるがこのバーディパットを決めたら、まだわからない。
神様どうかこのパットだけは……。

テレビの前の、そして現地の絵理香サポーター全員が祈った。
だが運命のバーディパットは残念ながらカップには届かなかった。

その直後の英莉花のバーディパットは見事カップへと消えていった。
残り3ホールで3打差。
この状況で今日の英莉花をまくれる選手がいたら教えてほしい。

そして今日の絵理香に最大のリスペクトを捧げたい。リスペクトという言葉はこういう時にだけ使うのだ。
原英莉花 -15
菊地絵理香 -12


【16番】Par.4
ここが最後の機会だったと思う。
絵理香、またも炎のパーセーブで英莉花のボギーを待つ。
だが、英莉花は崩れなかった。見事すぎるパーセーブ。

ここで絵理香にわずかに笑みが。

投了、かな。

それにしても今日はここまでノーボギーの絵理香。
2バーディー・ノーボギー、これでは足りなかったのか。-14で優勝と予想したが、英莉花がずっとそれを上回っている。
原英莉花 -15
菊地絵理香 -12


【17番】Par.3
15番の3オンからもう、涙で曇って画面がよく見えない。

英莉花は安全にグリーンオン。
絵理香はもう力が残っていない。
ボールがうまく捕まらない。
遠くに飛んでくれない。
グリーン右手前のラフからの2nd、ナイスアプローチでパー。
このパーセーブだってかなり凄かったが、
英莉花は簡単にパーゲット。

原英莉花 -15
菊地絵理香 -12


【18番】Par.5
英莉花、絵理香ともにパー。

13番のバーディ逸で並の選手ならそこから最低3つはボギーを打ったことだろう。最後のこの絵理香のパーセーブがどんなにすごいことなのか、今なら本一冊書ける自信がある!

さあ、どんな物語にも終わりが必ずあるように、エリカとエリカのマッチプレーもフィナーレを迎えてしまった。
原英莉花 -15
菊地絵理香 -12

 


 

 

 この最高に素晴らしい対決を見せてくれた二人にどうしても感謝の意を伝えたかったのだが、いつものドキュメンタリー口調ではあまりに傲慢だと思ったので、手紙を送るような形で伝えたいと思う。

 

ふたりのエリカさんへ

まずは、おめでとうございます原英莉花選手、きょうは完璧でした。
今日の絵理香さんに勝ったのだから米ツアーのQTなんて簡単に突破できるでしょう。向こうでの活躍期待しています。

そして菊地絵理香選手、昨日に続き我慢我慢のゴルフでした。

絵理香選手のきょうのプレーは、この後の試合でまだまだ優勝ができることを証明しましたね。

英莉花選手に食らいつくその姿は「感動した」という言葉ではあまりに足りない。

語彙力のない自分に腹が立つほど、素晴らしいプレーでした。

今回優勝に手が届かなかったのは残念ですが、

メジャーに挑戦するモチベーションを持ってプレーするあなたを、これからも応援し続けることができるのはうれしくもあります。

きょうは頭も体もクタクタでしょうからゆっくり休んでください。

4日間本当におつかれさまでした。

富士通レディス、現地でお会いできるのを楽しみにしています。

 

今季イチの名勝負、と言いたいが

きっとリコーを獲りにいくと思うので、その言葉はまだ封印しておこう。
いや、待て。やはり言いたいのだ。
ひねくれてこういう言い方をすれば、前言を撤回せずに済みそうだ。

「最終戦リコーカップを除いて、今季一番の名勝負はあのナショナル・オープンだった」

こう言える最高の11月が訪れますように。


ほら、なんだか今日負けた悔しさが

これからの楽しみによって優しく包まれるでしょう?
 

 

 

追伸:
後日、原英莉花のインタビュー記事で、ジャンボ尾崎氏がこんなことを。
「エリカのことを尊敬するよ。お前じゃない方のな」