2022年 最終戦 リコーカップ | ひよこきんぎょのJLPGA(日本女子プロゴルフ)ツアー観戦記

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菊地絵理香選手を中心に、試合レビューを書いていきます。
※記事中の人名はすべて敬称略とさせていただきます


30歳で辞めようと思ってたけど、『意外とやれるな』とか、『まだやりたいな』という気持ちが出てくる。

 7月の優勝でこのリコーへの出場が決まったときから、トップ10フィニッシュが1度もないこの相性の悪い宮崎の対策を始めた菊地絵理香

 初日首位と1打差2位Tの好スタート。2日目はそれほど伸ばせなかったが、3日目三ヶ島かなとのペアリングがハマり再び首位に1打差とした。

 最終日、最終組の一つ前でペアは昨日と同じ三ヶ島。13Hで追いつくが、14、15H連続ボギーで終戦。-13の単独3位で今シーズンを終えた。


 有村智恵成田美寿々らベテラン中堅勢が来季の休養を表明する中、ひと回り下の世代と対峙し戦い抜いた4日間。たいへん素晴らしいプレーだった。

試行錯誤だったり、努力をすれば、他の苦手なコースももっと攻略できるかなと思った。伸びしろが見つかった

 ラウンド後の菊地の言葉である。伸びしろが見つかった……。これは来季以降楽しみしかない。まだまだやってくれそうだ。

 結局この今シーズン最終戦を制したのはやはり山下美夢有だった。18Hの超ロングパットを決めた勝みなみとまさかのプレーオフとなったが、1H目で決着がつき今季5勝目。たったの5勝しかしていなかったかと思ったほど今季の山下の安定感は群を抜いていた。
 平均ストロークでは日本人初の60台を叩き出し、ほとんどのスタッツで上位に入っており、文句なしの今季の女王であることを証明している。
 しかし、そんな山下でも来季以降彼女の時代が続く保証はどこにもない。2020-21シーズンを無双した稲見萌寧が今季も独走する予想をした人は(私も含め)たくさんいたはずだが、結果はその通りにはならなかった。

 今季初優勝を果たした選手や優勝への渇望を抱えた多くの才能ある選手たちが、これからもずっと女王の背中を追い続けるのだ。さらにすでに持つ技術に胡坐をかくことなく努力を重ねるベテランですら、なかなか勝てない現状のJLPGAのレベルである。女王で居続けるのは並大抵のことではない。

 それにしても今年は感動する場面が多いシーズンだった。初優勝や長期ブランクを経ての優勝など涙を伴うシーンが目立っていたように思う。ただ個人的には中堅~ベテランの技術や駆け引きのぶつかり合いだったり、実況が口を挟むのも憚られるような最終日最終組のピリピリした緊張感漂う優勝争いを期待したい。オフの各選手の過ごし方にも注目しつつ、3月の開幕を心待ちにしたいと思う。その中で今季終盤に復調してきた新垣比菜川岸史果鈴木愛佐藤心結、これら選手の来季の活躍に注目だ。
※写真は9Hの3打目。男前だった。