2月の読書。 | たわい無い独り言〜こんなにも世界は美しい〜

たわい無い独り言〜こんなにも世界は美しい〜

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実は読書メーターなる物もやっています。
機械に強くなる為、こちらも貼り付けてみました。
来月は10冊読みたいですね~
今月は映画、本共に10作品鑑賞、読了を目指します。

2016年2月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2324ページ
ナイス数:171ナイス
http://bookmeter.com/u/269154/matome?invite_id=269154

■境遇 (双葉文庫)
読んでいく中で何となく結末は予測出来たが、最後にどんでん返しが用意されていたので満足感は得られた。
息子誘拐という普通なら許せない行為を許す事が出来たのは施設育ちで両親がわからないという2人の境遇が同じだったからだろうか。境遇が違うので到底理解する事は出来ないが被害者が罪を許し、加害者が罪を認めて謝罪し和解し合い前に進もうとする姿は読み終わり爽快な気分になった。
湊さんの作品は読み終わると何とも言えない焦燥感に襲われる事もあるが、今作の様な作品もまた違った作風で湊さんの新たな一面を見られた事が嬉しい。
読了日:2月29日 著者:湊かなえ
http://bookmeter.com/cmt/54521944

■往復書簡 (幻冬舎文庫)
手紙のやり取りから繰り広げられる過去を巡った3編の物語がどれも予想に反したオチであったり真相を知って驚愕したり切なくなったり温かい気持ちになったり。
往復書簡からこれだけのストーリーを読者に伝えるというスタイルは日頃から小説の中で登場人物の手記を織り込む手法がお得意の湊さんだけあって素晴らしい。
湊かなえさんは独特のスタイルをデビュー作から既に確立されていて以後その実力は上昇するばかりで何作読んでも期待を裏切られない。
闇を背負い生きる人間の苦悩をストーリー性を持たせて表現するのが上手すぎる方だ。
読了日:2月27日 著者:湊かなえ
http://bookmeter.com/cmt/54461975

■ホテルローヤル
直木賞受賞作という事もあり興味本位で手に取った作品だったが予想外の秀逸作だった。
まず、時間の戻り方が絶妙。1話目に廃虚となったホテルのエピソードをもってくる事でこのホテルの絶頂期やそこに関わる人間模様を読み手に深く期待させて一気に引き込む手法も巧いとしか言いようがない。
ポツポツ出てくる疑問も読み進めれば自然に繋がり、そこに隠れるそれぞれの心情描写も素晴らしい。
何よりも性に対しての感情は人それぞれであるという事が赤裸々に綴られていて現実味があり、ラブホテルから織り成される物語の奥深さに共感出来る。
読了日:2月25日 著者:桜木紫乃
http://bookmeter.com/cmt/54404886

■望郷 (文春文庫)
孤立した島を舞台に望郷をテーマに描かれる短編集である点が今迄読んだ湊作品とは異なりまず新鮮だった。それぞれの物語にそれぞれの思いがあり家族関係、親子関係、友人関係、師弟関係の真実が解明されていく様が過去を振り返りながらの描写で上手く表現されている。やはりこういった手法が湊さんは抜群に上手いと再認識。毎回湊作品を読むと家族の事を思う。過去を振り返り、自分も出来事の本質や家族の真意をわかっていなかったのではないかと。そう思うと辛かった過去にも救いがあると前向きに考え、幸せになろうと強く誓うきっかけとなる。
読了日:2月21日 著者:湊かなえ
http://bookmeter.com/cmt/54333349

■祈りの幕が下りる時
母親により過酷な運命を背負わされ、一生嘘を隠し一生偽りの姿でそれでも懸命にお互いを思い合い生きる父娘の姿に胸が詰まり涙した。人を殺める事は決して許される行為ではないが親子の辿った運命を考えれば他に道があったのかとすら感じてしまう。
しかし、嘘を隠し偽りの姿で生きていく事を終わらせてくれたのが2人にとっての光であった女性の息子である加賀刑事だったのは父娘とも本望だったのではないか。
本作で加賀刑事の母親の真意がわかり、自分自身の蟠りもクリアになりとても穏やかな気持ちになれた。やはり今回も秀作。
読了日:2月5日 著者:東野圭吾
http://bookmeter.com/cmt/53877656

■麒麟の翼 (講談社文庫)
まず、秀作の一言。どうやって繋がるのかさっぱりだった事件が最後には気持ち良く繋がり、その事件の経緯や背景、人間の心情が非常に上手く描かれていてそれでいて面白く、心打たれ感動する。罪を隠した息子への父親の対応、これこそが本当の愛情であり、それを解明した加賀刑事の姿がまた素晴らしい。
東野作品はミステリーとしてももちろん素晴らしいが、そこに描かれる人間ドラマに毎回深い感動を覚える。
麒麟像は勿論だが、日本橋を今度ゆっくり散策してみよう。
読了日:2月2日 著者:東野圭吾
http://bookmeter.com/cmt/53826497

■新参者 (講談社文庫)
舞台が日本橋に変わり、今までの風景と異なった街の描写が想像力を掻き立て、作品にすぐにのめり込んでしまった。
事情聴取をしていった街の方々の目線で描かれる短編から事件の解決に繋がっていく書き方も面白いのは勿論、手法としても素晴らしく今までとは一味違う加賀刑事シリーズになったという印象。
この作品には実に沢山の親子が出てくるが形や愛情表現も様々で、微笑ましく感動したり、自分の姿と重ねたり、これは間違っていると思ったり、時には涙したりと大きく感情を揺さぶられる。こちらもまた秀作。
読了日:2月1日 著者:東野圭吾
http://bookmeter.com/cmt/53827082


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