このアニメのテーマは「繋がり」だと思う。
とりあえず絆と叫んでおけば人類愛だと安易に考え始めた東日本大震災以降の私たちの考えを打ち立て直してくれるのかもしれない。
誰とでも繋がれればいいわけではない、君だから繋がりたいのに、繋がることが目的になって、繋がった数で自分を評価してしまう。友達が対面で言い放った「いいね」よりも、SNSの「いいね」の数に一喜一憂して振り回されることも多い。
ネットがあるからいつでも繋がれると思って(照れ隠しなのか、怠けなのかは分からない)、大事な人と繋がらない私たち。
いつだって繋がれると胡座をかいていると、ネットの波に翻弄されていとも容易く離れてしまうというのに。
今やらなくちゃいけないことを電子機器に託すから、行動が遅くなる。
別れ際に嫌な事を言ってしまったかも、でもスマホでメッセージを送って埋め合わせればいいやと、問題を深刻に考えなくなる。対面で解決しようとしなくなる。
対面でやらなきゃいけないことをスマホで済ましてしまう悪癖。気を付けなきゃな。
主人公は中学2年生。2005年生まれになるのかな?
そして初代iphoneが出たのが2007年。
そうすると小さい頃からスマホがある環境で育ち、あやすためにスマホを貸し与えて子守していた親もいるのだろう。
2018年入学の中学生のスマホ普及率は7割以上というデータもあり、物心ついたときからスマホと触れ合い、脳に浮かんだ言葉を口から出す行為が定着しきる前に、画面を叩いて文字に換えて思いを拡散するのが普通になっているのではないのかと、他人事ながら心配になる。
現に主人公も絶対手離したくない絆はスマホの中にあり、それが大事なのは分かるが、世代が違う私にとってはやや違和感と慣れなさを感じる。
コミュニケーションの取り方が変容した今の中学生という世代のコミュニケーションを、大人はどう描き出すのか注目して観たい。
そして主人公はあの子との絆を最後まで守り通せるのかも見守りたい。