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「老後2000万円問題」もはや「4000万円」と専門家が分析 円安、物価高が直撃
5/13(月) 13:09配信 テレビ朝日系(ANN)
https://news.yahoo.co.jp/articles/01af0cc2a6c284e27645dc7837cc1a1480720818
「老後2000万円問題」もはや「4000万円」と専門家が分析 円安、物価高が直撃
https://news.yahoo.co.jp/articles/01af0cc2a6c284e27645dc7837cc1a1480720818/images/000
5年前に発表された、老後の30年間でおよそ2000万円が不足するといういわゆる「老後2000万円問題」に、最近の物価高が直撃しています。専門家が計算したところ、不足額は倍の4000万円ほどになる可能性が出てきました。
【画像】激安スーパーにも大波 コメもコーヒーもあんこも…「値上がってないものない」
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/photos/900002593.html
■「バンバン上げられちゃって」1.5倍値上げも…
1本39円の緑茶に、1つ18円のハンドジェル。山積みにされたカップ麺やお菓子は、なんとすべて68円。
東京・足立区にある激安で有名なスーパーには、1円でも安いものを求めて、12日も多くの客が訪れていました。
30代
「安くて、面白い掘り出し物がたくさんあるので来ました」
50代
「価格帯安いと思います。財布に優しいと思う」
しかし、この激安スーパーにも、影響を及ぼしているのが「物価高」です。
ABS卸売センター
唐鎌孝行社長
「(価格が)上がってないものは、ないですよ。すべての商品が上がっていて値上げ止まらないですね」
「上がったのがコーヒー。すごくコーヒー(豆)自体も取れてない。干ばつだなんだということで。円安の問題もありますし。いろんな経費アップもありますし。バンバン上げられちゃってます」
「お米なんか、これもすごく今年高いんですけど、うちの方で特別お安く、税込みで1700円でやっている。前は税抜きで980円とか。1.5倍くらいになってる」
「あんこも上がった。やっぱり小豆の値段がすごく上がったので。100円くらい上がりました」
メーカーなどと交渉してできる限り安い値段で仕入れていますが、原材料が高騰し、値上げせざるを得ない商品が増えています。
■“老後資金2000万円”で本当に大丈夫?
円安が続き、しばらくおさまる気配のない物価の高騰。こうした状況に、街の人からはある不安が聞かれました。
50代
「やっぱり不安はすごくあります。将来のお金のこととか、自分が生活していけるのかなとか」
40代
「老後に向けてですかね。よく60歳2000万みたいなことを聞きます」
「老後2000万円問題」についてです。2019年、金融庁が発表した老後に必要な貯蓄額2000万円。これは、退職後の夫婦をモデルに考え、日々の生活に必要な出費が月に26万4000円であるのに対し、年金などの収入が20万9000円にとどまるため、月々5万5000円の不足が生じます。
これが30年続くと考えた場合、およそ2000万円準備が必要になるとして大きな波紋を広げました。
ところが、物価高騰が続くなか、この2000万円が本当に2000万円で大丈夫なのかという声が上がっているのです。
40代男性
「前は2000万とかって、話がありましたよね。今どうなんですか?」
50代男性
「物価だけが先に上がっていって、給料が追いついていかなかったら、やっぱり不安ですよね」
■専門家「早めに意識」「強気の目標を掲げて」
老後資金に詳しいファイナンシャルプランナーに話を聞きました。
ファイナンシャルプランナー
山崎俊輔氏
「(Q.老後2000万円問題に変化は?)近年は円安とそれに伴っての物価の上昇というのが見られているが、仮に老後に目標2000万円あったとして、3.5%物価が上がる場合、(老後資金)2000万円も3.5%増やそうと考えたら、10年後は2800万円考えなくてはいけない。20年後には大体4000万円ぐらいをイメージしなくてはならない、ということになるわけですね」
去年の消費者物価指数(東京都区部)は前年比で3.1%上昇しました。これが仮に3.5%で続いた場合、「老後2000万円問題」が10年後には「老後2800万円問題」、20年後には「老後4000万円問題」になる可能性があると言います。
山崎氏
「例えばですけど1000円のTシャツがあって、一応物価が上がったら律儀に3.5%ずつ値上げをしたと、毎年ですね。実は10年後1400円になってるんです」
「(Q1.4倍?)そうなんですよ。値段は最初は数十円とか100円ぐらいだと思っていても、積み重なると結構でかい。これがさらに20年続くとTシャツが2000円になる」
あくまで毎年物価が上がり続けた場合の話ですが、4000万円という金額を聞いて、街の人はこのような声が聞かれました。
40代
「え!そうなんですか。2倍ですか?給料は倍にならないのに…。そこをやっぱりNISAとかで色々、考えていかないといけないのかな」
「きついですよね。そうなった時に耐えられるように、もっと金を稼がないといけない」
山崎氏
「自分の老後に必要な金額を考えるのが大事。ただ物価の上昇はみんなに影響するので、物価が上がると(老後資金の)準備額も増えていくことは、早めに意識しておかないといけない。できればちょっと強気の目標を掲げておかないと、気がつくと物価が上昇して、足りなくなったということもありえますね」
(「グッド!モーニング」2024年5月13日放送分より)
テレビ朝日
(元記事2/3)
50年働いて年金4万円
https://www.youtube.com/shorts/lWG_u5-cQ9k
(元記事3/3)
年金受給者の“生活実態”…夫婦で“月3万円” 週3日パートも75歳妻「今は生きがい」【Jの追跡】(2022年12月31日)
ANNnewsCH
https://www.youtube.com/watch?v=tHj8D-ZiNkM&t=9s
ある試算によると、昨年度と比べ今年度は、家計への負担が9万6000円増加するとも言われています。生活必需品の支出の割合が高い高齢者にとって、苦しい1年となりました。今年最後の年金を一体、何に使うのか。年金受給者の生活を取材しました。
■年金支給額“減”も…物価上昇で家計負担“増”
今月15日の年金支給日。都内にある激安で人気のスーパーには、開店時間前からお年寄りが集まり行列ができていました。
こちらのスーパーでは、年金生活のお年寄りにも安い商品をと、支給日に合わせて特売を実施しています。年金支給日は、特にお寿司や海産物がよく売れるといいます。
皆さん、年金はいくらもらっているか。そして、物価高の生活への影響はどうなのでしょうか?
75歳女性:「(Q.年金支給額は?)2カ月で12万円から13万円くらいしか、いかないですね」「(Q.旦那さんはいくら?)厚生年金入ってたんで、10年くらい。ちょっと高めで、16万円くらいかな、2カ月で」
夫婦で年金が月14万円だといいます。
75歳女性:「食費をなるべく安く、あまり買い物を行かないようにして。いらないものまで買っちゃうから結局、出費が多くなる」
一人暮らしの81歳女性の年金額はいくらなのでしょうか?
81歳女性:「月でしょ?3万円くらい」「皆、節約ですよ。自分が出掛けること自体がなくなったし、楽しいことも皆、近場で済ましてる」
今年度の年金支給額は、前年度と比べて国民年金で年3100円、厚生年金で年1万800円の減額になっているにもかかわらず、物価上昇の家計への負担は9万6000円も増えているといいます。
■月15万円支給で一人暮らし「余計な物買えない」
とても厳しい1年でしたが皆さん、今年最後の年金は、何に使うのでしょうか?
公務員だったという68歳の女性の年金支給額はおよそ20万円。年末年始の使い道は、定番の…。
68歳女性:「お年玉。今、高いですからね。5000円以上あげなきゃいけないでしょ、中学生以上なら。私の時代とは全然違うから、少ないと喜んでくれない」
続いては、84歳の夫と暮らす82歳の女性。夫婦の年金額はいくらなのでしょうか?
82歳女性:「私が国民年金だけで、月10万円。旦那も一緒」
公的年金の他に、積み立ててきた年金保険もあり、生活費は夫婦2人でおよそ月30万円。今年最後の年金で、買う物はなんでしょうか?
82歳女性:「毎年1回、娘に良いところの牛肉を1キロ贈ってあげる。結構高い、2万円近くいく」
年末には必ず、横浜で暮らす娘に高級牛肉をプレゼントするといいます。
82歳女性:「1回バツイチになってる娘なので、幸せになってもらいたい気持ちも込めて」
現在もトラックドライバーとして働く71歳の男性の年金額はいくらなのでしょうか。
71歳男性:「結構少ないな、減ったから。(夫婦)2人合わせて20万円くらいかな。孫が2人いるんで、孫の物を買ったり。お年玉もあげるんだけど、クリスマスもあるし、洋服を買った。」
84歳一人暮らしの女性は、月の年金支給額はいくらなのでしょうか?
84歳女性:「15万円くらい」「(Q.師走の時期、どんな物に使いますか?)そんなの生活費に決まってるじゃない!何も余計な物買えない。一日1000円から2000円じゃ食べていけない」
■来年度の支給額“増”も…物価上昇で経済的負担に
止まらない物価上昇。その物価や賃金を反映する年金ですが、来年度の支給額はどうなるのでしょうか?
みずほリサーチ&テクノロジーズ 主席エコノミスト・酒井才介氏:「2023年度の年金の改定率は、プラスになることは間違いないです。確かに年金支給額が増えるが、抑えられたプラス幅になるので。もらえる年金の給付額以上に、物価の伸びが上回っている」
試算によると、来年度の年金額は、国民年金で年間およそ1万5000円の増加、厚生年金でおよそ5万円増加します。
しかし、物価上昇も続き、家計負担は年間4万円増え、今年度の9万6000円の増加に加え、さらなる経済的負担となるといいます。
酒井氏:「生活が逼迫(ひっぱく)されやすい状況だと思います」
■夫婦で月“3万円”…週3日パートで8万円稼ぐ
年金支給日にセールを行うスーパーで出会ったのは、パートで働く吉川順子さん(75)。吉川さんの仕事は何なのでしょうか?
吉川さん:「これから配達に伺います」「(Q.配達に行くんですか?)はい」「(Q.年金はもらっている?)年金はもらってますけど、月でいうと1万3000円くらい。私達バカだったので、10年しかかけてない」
1カ月の年金は、夫婦で3万円程度。保険料を納めなかった時期が長かったためだといいます。
吉川さん:「(何で払わなかった?)言われた通り、旦那に『そんなのかけてもしょうがねえよ』って」
そのため、75歳になった今も週に3日のパートで、およそ8万円稼いでいる吉川さん。年金支給日は大忙し。お年寄りからの注文が増え、配達する商品は普段の2倍になります。
10キロ以上もある段ボールを5箱も運びます。中でも、一番大変なのが。エレベーターのないマンションです。階段を使って運びます。この日は10件、配達しました。
吉川さん:「(生活は)ツライけど、お客さんの顔を見ると、めちゃくちゃ楽しい。色んな人と出会えるし」
■“生活費”のためのパートも「今では生きがいに」
そんな吉川さんの生活は?自宅にお邪魔しました。
築35年の一軒家、84歳になる夫と50代の息子の3人で暮らしています。実は、吉川さんは、9年前まで夫と2人で金型の会社を経営していました。
吉川さん:「儲かってましたよ。月に800万円から900万円売り上げてたから」
売り上げが良かったころに年金の保険料を納めていなかったため、現在の支給額は月に1万3000円程度になったといいます。
吉川さん:「悲しいけど、それは自分たちがやらなかったことなので、しょうがないですね」
今年の生活費を聞くと、食費や光熱費は値上げラッシュで9万円もアップ。84歳になる夫の康信さんも生活費の足しにと、自宅で内職をしています。
吉川さん:「こういうふうに、くっ付いてるんですよ。これを取るだけの仕事」
1個0.8円で月に3万円の収入になります。
夫・康信さん:「悲しい。情けないよ」
しかし、「妻だけ働かせては申し訳ない」と内職を続けているそうです。
生活費のために始めたパートの仕事ですが、お客さんと触れ合えることで、今では生きがいにもなっているといいます。
吉川さん:「でも、生きてるんだから、いいじゃん」
止まりそうにない物価上昇。年金生活者にとって、まだまだ厳しい状況が続きそうです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp