2023年と2024年の2年にわたって作業環境測定士試験を受験しました。

今年度の合格発表はまだ先(10月1日)なので結果はわからず気が早いが、自己採点では多分合格しています。

試験後にXなどを見ているとこの試験で悩んでいる人もいる様子なので、後の方々の参考になればと備忘録を残すことにしました。

(自分もWebで検索してだいぶ助けられたので)

 

まず最初にお断りとして、このブログに記載している内容は虎の巻でもなんでもなく、このとおりやれば合格するという保証はありません。

お前のとおりやったら落ちたじゃないかと言われても責任は持てませんので、あしからず。

 

第二種作業環境測定士の合格率ですが、下記のように推移しているようです。

2023年度:25.8%

2022年度:42.0%  
2021年度:35.8%  

2020年度:43.3%  
2019年度:41.2% 

合格率=難易度とは言えないのですが、2023年度は何があったんでしょうね。。。

自分が受験しても「この問題エグくない?」と感じましたが。

出題者が変わったのでしょうか。

受験準備講習を受講させるための作戦だったりして(;^ω^)

私の誤解かもしれませんが、第二種の受験者には「会社の上司から受験するよう言われたから」とあまり準備しないで記念受験する人もいるような印象を受けます。

同様のことが、第一種衛生管理者など、他の資格試験にも言えることかと思っています。

反して第一種の受験者は第二種を合格している人なので、わりと勉強している人も多く、なので合格率も高め(2023年度は55.9%)なのかと思っています。

何を言いたいかというと、私は「資格試験は受かるための試験であり、落とすための試験ではない」と考えているので、しっかり勉強すれば合格するはずと考えています。

 

私は2023年に何も考えず第一種と第二種を受験しましたが、時間のゆとりがある方にはお勧めしません。

私のリサーチ不足なのですが、作業環境測定士は第二種の資格を有していることが第一種の合格基準にもなります。

(厳密に言うと、第二種作業環境測定士の資格を有するものは第一種作業環境測定士受験の際、第二種の科目を免除されます)

つまり同時に受験して、第二種の科目を落とすと第一種の科目で合格点を満たしていても合格になりません。

もちろん科目合格の対象にもならず、再受験が必要となります。

このため一年目に第二種を受験して合格→二年目に第一種受験が良いと思います。

 

私の勉強法は過去問を解くのを主体として、経験と性格上、過去問を解くだけでは不安なので、テキストを読んで知識の肉付けを行いました。

試験に際して購入したテキストは下記のとおりです。

・2023年版第1種・第2種作業環境測定士試験(オーム社)

・作業環境測定ガイドブック1、3、4、5(日本作業環境測定協会)

・作業環境測定のための分析概論(日本作業環境測定協会)

・作業環境測定のための労働衛生一般・労働衛生管理の実務(日本作業環境測定協会)

・測定士試験対策「法令受験準備の決め手」(日本作業環境測定協会)

 

過去問は公表問題試験問題が公開されています。

 

 

これだけでは不安でしたが、Webで検索したところ、下記Webサイトを見つけました。

 

 

この方のサイトには大いに助けられました。

サイト管理の方には申し訳ないのですが、自分には無料公開の内容でも試験には対応可能でした。

不安がある方は有料公開分も大いに助けになると思います。

(上記のオーム社の過去問には解説に間違いもあります)

 

また、2024年の受験の際には下記サイトも見つけました。

 

 

公開されている過去問は2016年までなので少し古く、下手すると現在の基準には合致せず余計な知識にもなりえます。

例として、金属類のマンガン分析法など、現在では取られていない分析方法が出題されていたりするので取捨選択が必要かもしれません。

過去問を解く物量作戦にはもってこいです。

 

勉強方法として、あくまで私個人の考えとしては、「過去問以上のことをやる必要はないが、過去問を解くだけでは不十分」です。

表現が矛盾しているかと思うので解説しますと、まず前半部分は、過去問で出題されている範囲を勉強すれば大凡対応できると感じています。

例年、新しい問題や選択肢が出題され、これに困惑するパターンが多いようです。

それに備えて手を広げすぎる(=覚える事項を増やしまくる)と、肝心の過去問出題範囲の知識に欠落が発生する可能性があります。

私の2023年はこのパターンで失敗しました(一応合格したけどギリギリ)。

過去問を一通り解いて理解したから良いとして、結構な時間をテキストを使った学習に割きました。

受験後、もっと過去問だけをじっくりやり込んでいれば楽だったかな・・・と反省しました。

また特定化学物質や金属類は、出題される対象物質や分析方法がかなり限られると思います。

 

参考(今年作成した金属類の出題範囲とテキストに記載されている分析方法)

 

そして後半部分については、過去問を解くと正解選択肢を覚える作業になりがちですが、それは大変マズイです。

過去問を繰り返し解くうちに作業化してしまい、出題分を見た瞬間に「この問題の答えはコレ!」と覚えてしまいます。

取り組んだ過去問ではその選択肢が解答(大凡は「誤り」となるもの)になりますが、これまで正解だった選択肢が加工されて誤りになることもありますし、過去に一度しか見たことがない選択肢が久しぶりに現れることもあります。

過去問で出てくる選択肢一つ一つを正誤関係なく丁寧に理解することが重要です。

新しいパターンの選択肢が出題されても、5つの内4つが過去問範囲内であれば消去法的に正誤が判断できる可能性が高まります。

 

まとめると、二年間この資格試験に望んだ私としては、作業環境測定士試験に合格するための勉強方法は下記の感じかな?と思います。

・過去問を解く(なるべく近年の、解説付きのもの。市販出版物か、安全衛生ラボさんを活用)

・過去問の解説部分を読み、テキストの範囲を通読

・なるべく多くの過去問を解き、すべての選択肢について丁寧に理解し、必要があればテキストや専門書、Webサイトで調べる

・余裕があれば他に覚えるべき事項を補足して覚える(がん原生物質と対応するがんの種類、特化物構造式や性質など)

・なるべく1年目は第二種に専念して、2年目に第一種を受ける感じがベター?

 

私は一応化学系出身なので化学物質や分析装置について深くないもののうわべの知識を持っています。

計算問題などは、特殊な公式を使わない濃度計算などであればサービス問題だと認識します。

このため過去問から解く感じで臨めましたが、化学系出身でなく分析について全く知識が無いのであれば、ある程度基礎勉強時間を確保すべきかと思います。

(物質量(mol)の理解、濃度単位(mg/mlなど)の理解、分析装置や原理の簡単な学習、化学物質の簡単な学習など)

理系でもない妻には私の勉強方法は「無理」と言われました。

 

受験される方が合格されることをお祈り申し上げます。

作業環境測定士を受験される方の参考の一つとなりましたら幸いです。

 

 

 

最後になりますが、受験者(自分)のスペックを。

大学院(工学系)修了の五十路。

学生時代から現在まで化学系の企業等に所属中なので、化学物質名にアレルギーはない。

主だった所有資格は以下のとおり。

・危険物取扱者(甲種):2000年に取得

・高圧ガス製造保安責任者(乙種化学):2007年に取得

・エネルギー管理士(熱):2013年に取得

・第一種衛生管理者:2017年に取得

他、有機溶剤と特化物の作業主任者技能講習と衛生工学衛生管理者の講習を修了している。

最後にしっかり勉強した資格試験から7年が経過しており、老眼もあって勉強は苦痛だった。

 

2023年は第二種と第一種の有機溶剤および特化物を受験、全部に合格。

2024年は第一種の粉じんと金属類を受験し、合格発表待ち。

今後は放射線を受験しないつもり。

勉強時間は毎年それぞれ100時間くらいずつだろうか?

詳しく数えていないのでなんとも言えないけど、大雑把にそれくらい。

2023年は勉強方法もわからずあっぷあっぷだったけど、2024年は勉強方法もわかってきて時間もたっぷりあって二科目なので割と余裕があった。

試験の手応えは以下のとおり。

科目(受験年月):受験時の感想 → 合否

労働衛生一般(2023年8月):当落線上 → 合格(・∀・)

労働衛生関係法令(2023年8月):ダメ(´;ω;`) → 合格Σ(゚Д゚)マジデ!?

デザイン・サンプリング(2023年8月):大丈夫 → 合格

分析に関する概論(2023年8月):大丈夫 → 合格

有機溶剤(2023年8月):大丈夫 → 合格

特定化学物質(2023年8月):ちょっと危ないかも(-_-;) → 合格(・∀・)

粉じん(2024年8月):たぶん大丈夫

金属類(2024年8月):たぶん大丈夫

 

 

次回からはいつものつりっこブログに戻ります笑