今日から数回に渡って、夏休み特集、『HIV・エイズの歴史を語る』をお届け致します。
日本に初めてエイズのニュースが登場したのは、たぶん1982年ごろです。今から28年前ですね。
当時小学校の高学年だった人は、現在30代後半になっています。つまり、現在そのくらいの年齢以上の人はエイズが登場した当時を覚えていると思います。
しかし、20代までの人は完全にリアルタイムではご存知ないでしょう。その後に書物やネット上の記事ではご覧になっているかも知れませんが。
そこで、この夏休み特集として、1980年代にエイズが登場してから日本で起きた、エイズパニックや、薬害エイズ事件、エイズ治療の変遷など、HIV・エイズの歴史を振り返ってみたいと思います。
初回の今日は、「エイズを初めて知る」です。
エイズが世に知られたときは、ちょっと異常でした。1981年、アメリカでカポジ肉腫やカリニ肺炎の患者が何人か見つかります。患者は男性の同性愛者に多く、しかも免疫不全に陥っていました。しかし、なぜ免疫不全に陥っていたのかは不明でした。
翌1982年には薬物常用者の間でもこの原因不明の免疫不全患者は広がりを見せます。そしてこの免疫不全の症候群を「エイズ」と命名したのです。ちなみに、名前をエイズとつけたのはアメリカ疾病予防管理センター(CDC)でした。
しかし、この時点でもなお、エイズの病原体は解明されていませんでした。1984年になって、ついに原因がHIVであることが解明され、同時に感染しているかどうかを検査する方法も確立されたのです。
この当時、日本のメディアの伝え方は、およそワンパターンだったと記憶しています。エイズ患者は男性の同性愛者か、薬物常用者に限定されている、といった内容です。それ以外の人々にとっては、自分の身近に迫る病気だと思っていませんでした。
ただ、毎回テレビに映し出されるエイズ患者の映像は、とても悲惨なものでした。カポジ肉腫やカリニ肺炎の末期の患者が映し出されていたのです。
各メディアは、発症すれば治療の方法がなく、確実に死に至る恐怖の病気だと伝えました。しかも、患者が同性愛者や薬物常用者に限定されていると言う報道です。これが、HIV感染者、エイズ患者に対する偏見と差別を生みました。
1986年、87年に日本で起きたエイズパニックは、まさに偏見と差別の象徴のような出来事だったのです。
確かに、まだHIVやエイズに対する正しい知識や情報が少なかった、と言うこともあります。
今なら常識中の常識のようなことでも、当時は知らなかったのです。とにかく、エイズは怖い病気で、患者に近づくとそれだけで危ない、みたいなとんでもない誤解を多くの人がしていました。
最初は男性の同性愛者や薬物常用者の間で流行している特別な病気、しかも海の向こうのアメリカの話、と全く他人事のように思っていた日本人。むろん、私もその一人です。
しかし、ついに1985年、日本でも初のエイズ患者が見つかります。しかも、その感染ルートは性行為で誰にでも感染することが知られていきます。
ここからエイズの歴史に残る「エイズパニック」が起きるのです。
では、この続きは次回と言うことで・・・
いや、そんな小出しにするな!と言う人には、一気公開こちらから⇒「HIV(エイズ)検査完全ガイド」
ここにHIVやエイズの歴史にまつわる記事があります。
では皆さん、猛暑のおり、くれぐれも体調にはご用心されてください。お盆の帰省の人、ご苦労様です。