近くの恒星(右)を溶かし蒸発させる「毒グモパルサー」(左の白い点)の想像図=東工大提供 近くの恒星を溶かすほどの強烈な「風」を吹き出している天体を、東京工業大や早稲田大などの研究チームが発見した。
超新星爆発でできる中性子星の一種で、仲間を共食いする毒グモになぞらえ「毒グモパルサー」と呼ばれる天体らしい。
研究チームは、地球からみずがめ座方向の3600光年先で、4・63時間周期で明るさが40倍も変化する恒星を発見。
日本のX線天文衛星「すざく」や国内外の望遠鏡で集中観測したところ、約100万キロ・メートル離れた場所に、ガンマ線とともに電子や陽電子を含む強いプラズマ(電離ガス)の風を吹き出す小さな天体があり、恒星はその周囲を公転していることが分かった。
天体は、重い恒星が一生を終える際の超新星爆発でできる中性子星の一種と見られ、半径は10キロ・メートルしかないが、質量は太陽の1・4倍もある。チームによると、「毒グモパルサー」からの風による加熱で恒星は溶けて蒸発しつつあり、はぎ取られたガスが赤外線を放っているという
