映画鑑賞「ジュラシック・ワールド/炎の王国」(2018年) | ひつぞうとおサル妻の山旅日記

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ひつぞうです。
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「ジュラシック・ワールド/炎の王国」

(2018年/アメリカ)

Jurassic World:Fallen Kingdom

 

監督:ファン・アントニオ・バヨナ

脚本:コリン・トレヴォロウ、デレク・コノトリー

製作:フランク・マーシャル他

出演:クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワード、レイフ・スポール他

 

※ネタバレあり

(画像はネットよりお借りしました)

 

こんばんは。ひつぞうです。生憎の台風襲来で登山はお預け。それでも日曜は

都内は天気がよさそうだったので街歩きに出掛けたんだ。TOHOシネマズ日本

で上映中の「ジュラシック・ワールド/炎の王国」を観てきた。

 

なんだひつぞうは子供向騙しの映画なんかに興じているのかと謗ることなかれ。

このシリーズの完成度は決して低くない。確かに脚本はシンプルで展開は予定

調和的。でもね。ハリウッド映画らしい、映画館で観るのに相応しい、スペクタク

ル感が溢れているんだ。

 

★ ★ ★

 

物語は2015年公開の「ジュラシック・ワールド」に続くシリーズ第五作。キャス

トは前作同様。前作を観ておいた方が相関関係がよく判る。

 

前作でメッチャクチャになってしまった恐竜テーマパーク「ジュラシック・ワール

ド」。放棄された島イスラ・ヌブラルは恐竜が跳梁跋扈する太古の島と化して

いた。ところが突然の噴火(因みにイスラ・ヌブラルはスペイン語で「曇った島」

って意味)。運営責任者だったクレアと、同じく元恐竜監視員のオーェン

恐竜救助の支援要請が入る。

 

★ ★ ★

 

第三作までは「恐竜=人間を襲う敵」という構図だったけど、高い知能を持つ

親和的な恐竜として獣脚類のヴェロキラプトルが第四作で登場する。オーウ

ェンがヴェロキラプトルのブルーとコミュニケーションを初めて取る場面は心温

まる(下の写真)。

 

ま、実際のヴェロキラプトルは(その名が示すとおり)敏捷で獰猛な小型の肉

食恐竜なんだけどね。

 

 

登場人物の設定はシリーズ全体を「まあだいたい判るねワシ」って言える人じゃ

ないと把握しづらいかも。簡単に言うと、第一作で琥珀に閉じ込められた蚊から

採取した血液中のDNAを復元し、恐竜を生き返らせる“偉業”に成功したハモン

ド卿って学者がいて、もうこの作品では故人なんだけど、そのビジネスパートナ

ーの篤志家ロックウッドが、自らの過ちを悔い、自身の財団の資力を投じて恐竜

救助に一役買って出るってのがあらすじ。

 

だいたい判る?

 

「もう全然。ポップコーン旨いにゃ~」サル

 

なんで!一緒に観たじゃん。前作も!

 

んで、ロックウッド自身は高齢で動けないから、財団運営を任しているミルズっ

てヤツが陣頭指揮を切るんだけど、インチキ臭い野郎なんだよ。こいつはね傭

兵をカネで雇って島から運んだ恐竜を世界のVIPに売り捌いて金儲けしようっ

て腹なんだ。いやもう、なんて判り易い構図なんでしょう。

 

 

ま、火山島に上陸したはいいけど、相手は恐竜じゃん。んな簡単に助けられな

いって。しかしね。観るたびにCGの完成度はどんどん高くなっているね。

 

今回監督を務めたカタルーニャ系のJ・A・バヨナは、恐竜の存在感を観客に伝

えるためキャストが恐竜に触ったり、乗ったり、舐められたりする場面を多用した

んだそうだ。そのため、むろんCGも活用されてるけど、アニマトロニクスの技術

が絶大なる効果を生み出している。

 

例えば下の写真。

 

 

実際に巨大な油圧制御のロボットを制作し、表面に樹脂製の皮膚や眼球をセット

して動かしている。最近の恐竜展示館でのアトラクションの完成度の高さは、これ

らの技術の賜物なんだよね。ただ爬虫類というよりは、瞼や鼻孔の動きが偶蹄目

のそれに近い気もするけど。

 

 

溶岩で燃え尽きた島から、命からがら脱出したクレアとオーウェンとその仲間

たちなんだけど、恐竜が密かに運ばれた場所がカリフォルニアのロックウッド

邸の地下と知る。実はここ、第一作で恐竜復元に成功した施設なんだよ。遺

伝子操作で、主人に従順な生物兵器としての獰悪な恐竜が密かに開発され

ていたんだ。奴らがヴェロキラプトルの血液を欲しがったのは“従順さ”を殺

戮マシーンとしての恐竜のDNAに書き込むためだった訳よ。

 

懲りないね、人間というやつは。我欲のために神が齎した自然を歪める悪行

に手を染める。破壊と進歩の20世紀を生きた原作者M・クライトンの精神は

継承されていると思う。

 

この辺りに第1作からの自然哲学的なメッセージが込められている。込められ

ているけど、そんなもの意識している観客はいない。襲い来る恐竜と彼らを殺

そうとする傭兵軍団。どっちに転んでも逃げ場はない。もう手に汗を握る展開。

一体最後はどうなるのか。あとは観てのお愉しみ。

 

「大概ネタばらしてるけどにゃ…」サル

 

映画が終わっても、長いエンドロールが終わるまで席を立たないで欲しい。

最後にちょっとしたメッセージが現れる。

 

皆さんはこの映画をどのように観られるでしょうか。天気の悪い日は映画館

に出かけるのもいいね。

 

「好いですにゃ」サル

 

【個人的な感想】

芸術性★★★--

衝撃性★★★★★

独創性★★★★-

娯楽性★★★★★

 

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