東京電力・柏崎刈羽原発を巡り再稼働審査に批判的な新潟県泉田知事に対し自民党・安倍政権が圧力を掛けて来た。
【インタビュー:再稼働議論は「福島の検証・総括が先決」=新潟県知事】
ロイター
[7/29 22:30]
7月29日、新潟県の泉田裕彦知事は、ロイターのインタビューに応じ、原発再稼働をめぐる国内の動きについて、東京電力福島第1原発事故の検証・総括が先行すべきとの考えを強調した。
今月8日に施行した新規制基準について、「事故が起きる前提のもので、安全基準ではない。
事故が起きたときの手当てが全くされていない」などと批判した。
東電が同県内にある柏崎刈羽原発の再稼働手続きを進めることに意欲を示していることについても、福島第1から汚染水が海に漏れ、公表が遅れたことで広瀬直己社長が「3.11の教訓を学べていない」と発言していることについて、「原発を運営する責任者としてあるまじき状況。
そもそもまだ再稼働を議論するほうがおかしい」と強調した。
<柏崎刈羽、緊急時対応設備に懸念>
新規制基準は、柏崎刈羽原発で採用する沸騰水型軽水炉に対し、緊急時に原子炉格納容器の圧力を下げるために排気する際に、放射性物質を1000分の1程度に減らす「フィルター付きベント設備」の設置を再稼働の要件としている。
泉田知事は、東電による同ベント設備の設置計画が、原子炉建屋と一体でないことを問題視している。
背景には、新潟県中越沖地震(2007年)の際に起きた柏崎刈羽でのトランス(変圧器)の火災事故がある。
「原発構内の敷地で1.5メートルくらい下がり、(敷地のずれにより)トランスとの間のパイプが外れて、油が漏れて発火した。
東電からは、中越沖地震の教訓を踏まえてトランスの基礎を建屋と一体化すると説明を受けたが、今回のフィルターベントでは離すという。
そこを手戻り(=作業途中の問題発生により前段階に戻る意味のIT用語)するのか、ということだ」などと述べ、東電の計画に不信感を隠さない。
事故が発生して排気に至った際に、余震などにより原子炉建屋とベント設備をつなぐ配管が破断したら、大量の放射性物質が外部に放出されるとの懸念が残るためだ。
<新規制基準、事故発生の対策不十分>
泉田知事は、新規制基準を策定した原子力規制委員会に対しても、「福島事故の検証・総括も終わっていない段階で基準を作って、安全ですと言われも社会を説得できない」と批判する。
「(規制委の)田中俊一委員長は、新基準は安全基準ではないと言っている。
事故が起きる前提で対策を取らないといけないのに、被爆(ひばく)を避けるための法律もなければ、シビアアクシデントが起きたときにどう対策を取るのか、法制度の対策もできていない」と指摘。
知事は新基準の問題点だと捉える内容を列挙した。
ただ、安倍晋三政権は、原子力規制委が「危険性が十分に低い」と判断した原発については、再稼働させる方針だ。
泉田知事は、東電が柏崎刈羽の適合申請を規制委に申請する前に、東電と県などが結んだ安全協定を根拠に、フィルターベント設置計画に関する事前了解を求めている。
これに対し、甘利明経済再生担当相は、「安全上の手続きはできるだけ早く進めたほうがよい」(26日の会見)と述べ、東電の動きに理解を示している。
泉田知事は30日、甘利経済再生相と会談する。
「事故が起きるという前提で、ではどうするのかということをなぜ考えないのか。
どうするつもりなのか逆に聞いてみたい」と、甘利氏に問い掛ける意向だ。
(浜田 健太郎 編集;田巻 一彦)
【甘利再生相と泉田新潟知事「擦れ違い」=東電の原発審査申請で会談】
時事通信
[7/30 10:41]
甘利明経済再生担当相と泉田裕彦新潟県知事は30日午前、東京電力による柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県柏崎市、刈羽村)の安全審査申請をめぐって東京都内で会談した。
甘利担当相は東電の方針に理解を求めたものの、早期の申請に反対している泉田知事との溝は埋まらなかった。
甘利担当相と泉田知事は会談後、記者団にそれぞれ「(会談は)擦れ違いだった」と語った。
泉田知事は会談後、東電の態度について「誠意を持って対応してほしい。
話をはぐらかしたり、ごまかしたりするのはやめてほしい」と述べ、地元に対して申請前に十分な説明を尽くすよう改めて求めた。
また、茂木敏充経済産業相らとも今後、会談することに意欲を示した。
甘利担当相は会談後、「知事の思いは真摯(しんし)に受け止める」と語った。
≪関連記事≫
【「安全審査と再稼働判断は別」再生相の説明に新潟知事の納得得られず】
産経新聞
[7/30 11:29]
甘利明経済再生担当相は30日、泉田裕彦新潟県知事と都内で会談し、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の安全審査について理解を求めた。
泉田知事が再稼働に難色を示し、東電は安全審査の申請を原子力規制委員会に出せない状況が続いているが、甘利氏は審査と再稼働判断は別の問題であることなどを説明したとみられる。
会談後、甘利氏は記者団に対し、「泉田知事の心配については、真摯に受け止めたい」と述べたが、会談はすれ違いに終わったとの認識を示した。
甘利氏は、原子力政策を所管する茂木敏充経済産業相に対し、泉田知事の懸念などに答えるようアドバイスすると述べた。
柏崎刈羽原発をめぐっては、東電が新潟県など地元への説明前に安全審査を規制委に申請する方針を示したことなどから、泉田知事が不信感を強めている。
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自民党・安倍政権中枢の甘利が直々に新潟県まで出向く。
柏崎刈羽原発再稼働は、国策か!?とも思わせる。
甘利の次は茂木…
明らかに政治的圧力を掛けて来ている。
この圧力に新潟県泉田知事がどこまで堪えきれるか…
これが、自民党・安倍政権の言う「地元の理解を得る努力」と言うモノなのか?
規制委員会の新基準は、言ってみれば事故を起こさない為の基準。
事故が起きた場合の対策は、重要免震棟やベントに限られている。
ベントを付けても原子炉建屋が倒壊すれば放射性物質は拡散される。(倒壊により水素爆発は起こらないが…)
住民避難も自治体へ丸投げで、避難先の確保など電力会社が用意するべきだ。
事故後の対応が不十分な新安全基準。
泉田知事が不信感を抱くのも当然。
しかも、都合の悪い事は、隠そうとする東電相手では無理も無い!!
いくら柏崎刈羽原発の安全対策を万全化してもずさんな東電では事故が起きる可能性が高い。
レベル7という福島第一原発事故を起こし、いまだに事実を隠そうとする東電。
もはや、東電が原発を保有すにあたいしない会社という事は明白だ。
【福島第1原発、汚染水流出に専門家委員会から批判噴出】
AFPBB News モバイル BETA
07月29日 19:54
都内の東京電力本社で記者会見する第三者委員会「原子力改革監視委員会」のデール・クライン委員長とバーバラ・ジャッジ副委員長
【7月29日 AFP】
東京電力が国内外の専門家で構成する第三者委員会「原子力改革監視委員会」の4回目会合が26日に開かれ、福島第1原子力発電所からの放射性汚染水の放出問題について出席者からは透明性の欠如を指摘する声や、「東電は自分たちのやっていることが分かっていないのではないか」など厳しい批判が相次いだ。
かねて疑われていた福島第1原発から海への汚染水流出について、東電は前週になって初めて認めた。
外国人2人、日本人4人の専門家からなる原子力改革監視委員会のデール・クライン委員長(米原子力規制委員会元委員長)は「安全側に立った意思決定の姿勢に欠けている。
国民に十分な情報を提供していない」
「東電は自分たちのやっていることが分かっていないのではないか。
計画がなく、全力を尽くして環境と人々を守ろうとしていないと映る」など批判した。
東電ではこれまで、発がんリスクのある放射性物質の濃度が、採取した地下水中で上昇していると報告していたが、汚染水の流出は原発の敷地内にとどまっていると主張していた。
しかし、その主張に規制当局が疑念を募らせる中、ここに来て検出結果の公表が遅れたことを認めた。
同じ会見で東電の広瀬直己社長は、ここ数か月の間に汚染水流出の可能性を警告する機会が少なくとも4回はあったと述べ、「3.11の教訓を学んで対応できていない」として謝罪した。
また自らが1か月間、10%の減給処分を受けることを発表した。
クライン委員長は会見の冒頭、汚染水流出に関する東電の対応に「不満を表明したい。
汚染水問題がこれまでの福島(第1原発)の事故処理と改革の進歩を後退させると危惧(きぐ)している」と述べた。
また東電による情報隠しではないかとの報道陣の質問に対してはこれを否定し、処理計画は適切だが、それを公表するまでに時間がかかりすぎたとし、「問題が発覚した段階ですぐに分かっていること、分からないことを発表する必要がある」と忠告した。
バーバラ・ジャッジ副委員長(英原子力公社名誉会長)も、東電の情報公開性の欠如に「本当にがっかりした」と述べ、「(原発の)廃炉作業は複雑で難しいプロセスであるため、今後も問題が生じることは必至だろうが、次に問題が起きたときには今回の誤りから学んで人々にいち早く、状況とそれを改善する東電の計画を知らせてもらいたい」と語った。
ジャッジ氏はまた、東電の企業風土に問題があるとし「多くの企業同様、閉鎖的で効率性を優先する文化があり…議論する準備ができたと思えるまでは、自分たちだけで問題解決を図ろうとする」と指摘し、「効率よりも安全を優先する文化」を歓迎すると述べた。
(c)AFP/Harumi OZAWA
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今の東電幹部は、やっかいな福島第一原発の事故処理は現場に任せて経営再建の為に柏崎刈羽原発の早期再稼働しか頭に無いのだろう。
ここでも安全より効率化を求め再稼働を急ぐ東電の体質が見える。
【福島第1原発の現状 汚染水対策は事実上破綻 海洋流出防げるか不透明】
47NEWS
2013/07/29 12:24
福島第1原発からの汚染水の海洋流出を受け、東京電力は護岸の地盤改良など流出防止策を急ぐが、対策の効果は不透明だ。
加えて敷地内の汚染水は1日400トンのペースで増え続け、抜本的な解決策もない。
廃炉に向け当面の最重要課題とされた汚染水対策は事実上、破綻している。
「1リットル当たり23億5千万ベクレル」。
原子力規制委員会が汚染水の漏えい源と疑う敷地海側のトレンチ(地下道)にたまっていた水の放射性セシウム濃度だ。
東電が27日、発表した。
トレンチが通る2号機タービン建屋東側の一帯では5月以降、観測用井戸で高濃度汚染水の検出が相次いでいる。
東電は4月、港湾内で長さ約780メートルにわたって鋼管約600本を壁のように打ち込む「海側遮水壁」の工事を始めた。
完成は来年9月ごろで、汚染水が海に漏れ出さないよう“念のため”の措置だった。
ところがわずか約2カ月後、敷地海側や港湾内の海水で高濃度汚染水の検出が相次ぐと、水ガラスという薬液で護岸などの地層を固める「土の壁」の工事に着手せざるを得なくなった。
トレンチには事故直後に流れ込んだ極めて高濃度の汚染水がたまっている。
2011年4月に2号機取水口近くで汚染水漏れがあったことを受け、継ぎ目部分の縦穴を埋めて水の流れを遮断しているが、本来は配管や電源ケーブルを通すためのトレンチに、防水処理は施されていない。
東電は早期に汚染水を抜き取ってトレンチを埋める計画だが、ここが汚染源だとすれば、完了までは高濃度の汚染水が漏れ続ける。
今月26日に記者会見した 広瀬直己 (ひろせ・なおみ) 社長は「もっと早くやるべきだった」と悔やんだ。
一方、汚染水をどう減らすのかも重要な課題だ。
建屋に流れ込む前の地下水を井戸でくみ上げて海に出す「地下水バイパス」計画は地元の強い反発でめどが立たない。
1~4号機の周囲の地盤を凍らせて地下水流入を防ぐ「凍土遮水壁」は15年の完成を目指すが、世界的に例のない取り組みで効果は未知数だ。
「まずは流入量を減らさないとだめだが、抜本策は挙げられない」
と広瀬社長は苦悩をにじませている。
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