ちょっと気になった記事を2つ
【これ以上、利己的な醜い関西人にはなりたくない。(編集委員・安本寿久)】
原発限定稼働要求 醜い関西人になりたくない 産経新聞 [6/19 15:06]
【西論】
ここ1カ月ほど、心に重くのしかかっていて不愉快な言葉がある。
「原発によって補助金が入るので、おおいの地域はどっぷり漬かっているのではないか。本当にお気の毒だと思っている」
発言の主は静岡県の川勝平太知事である。
先月14日、福井県おおい町議会が関西電力大飯原発3、4号機の再稼働容認を決めたのを受けて、定例会見で述べたものだ。
今月14日には同様の発言が大阪市の橋下徹市長によって行われた。
「(原発立地自治体に)どれだけ消費地から税や電気料金のお金が行ったか。
正直にそこの認識は持ってもらいたい。
原発立地のメリットもあったはずだ」
この日はおおい町の時岡忍町長が2基の再稼働に同意した日である。
いずれの言葉にも、えげつないほどのトゲがある。
川勝知事の言葉には、補助金頼みの自治体には、まっとうな判断は下せないだろうという皮肉が含まれている。
橋下市長の言葉は、電力消費地からの資金で食っているのだから、再稼働に関して自分たちの声を斟酌(しんしゃく)せよという要求を突きつけるものだ。
では、どれだけの金が行っているのか、一端を明らかにしよう。
おおい町の今年度一般会計の歳入は108億6千万円で、その58%、63億1千万円が原発関連の交付金や法人税、固定資産税だ。
電源三法に基づいて国が福井県や同県内の原発立地自治体に投じた交付金は、昭和49年度から平成22年度までの37年間で約3461億円である。
この資金で同県やおおい町などが潤ったことは確かである。
道路が整備され、豪華な施設ができ、雇用が生まれて住民が町外、県外に職を求めて流出せずにすんだ。
ただし、忘れてはならないのは、これらはすべて正当な対価だということだ。
電力消費地の首長あたりが、とやかく言うことでは断じてない。
◆リスクを背負わせた歴史
福井県内で初めて原発が発電したのは、昭和45年3月稼働の日本原電敦賀1号機である。
その電力は大阪万博の会場に送られ、原子の火が灯った、と大きなニュースになった。
その年の11月、関西電力の美浜1号機が稼働。
同県が全国最多の商業用原発13基が立地する原発銀座となる歴史が始まった。
当然のことながら、関電は立地の計画段階では地元・近畿を志向した。
候補地になったのは和歌山県内や京都府丹後地方などだが、ことごとくが反対した。
筆者の出身地、兵庫県豊岡市の隣町、京都府久美浜町(当時)も候補地となり、反対の立て看板が林立する激しい反対運動が起こったことを子供心に覚えている。
昭和40年前後では、被爆国・日本の核アレルギーはそれほど強烈だったし、原発は危険なものという意識も強かった。
その時代に、リスク覚悟で原発を引き受けてくれたのが福井県である。
1ワットの電力さえも自らの生活に使うわけでもないのに、関電のすべての原発を立地してくれたのだ。
無論、福井県側にも打算があった。
あくまでも経済振興策として原発を選択したのである。
現在、原発が生み出す県内雇用は1万人に上る。
流れ込んだ資金は前述の如くである。
こうした事情は常磐炭田の衰退、閉山で地元経済が疲弊し、それに代わる産業として原発立地を選んだ福島県も大差ない。
が、たとえ自らの生きる道として原発を選んだにせよ、関西や首都圏に代わってリスクを背負い、経済の屋台骨である電力を送り続けた歴史は軽視していいものでは、決してない。
◆さらけ出したニンビィぶり
今、関西広域連合が原発の運転に関して、立地自治体並みの同意権を認めるよう、盛んに発言している。
大飯原発3、4号機の再稼働も夏場に限定するよう要求している。
まさかの時の放射能汚染を考えれば、近畿の水瓶・琵琶湖を抱える滋賀県や30キロ圏内の府民を抱える京都府などとしては当然の主張かもしれない。
福島第1原発の事故で日本中が背負ったデメリットを考えれば、100キロ圏内の大阪府・市の言い分も一理あろう。
が、立地自治体並みの同意権とは実質上、原発の停止、廃炉までも決定できる権利である。
立地自治体にとっては経済的な生命線を電力消費地に、それもリスクのある厄介物の施設を押し付けた都会に、握られることにほかならない。
「福井が40年間、原発に向き合ってきたことを理解されていない。
そもそも消費地である関西は容認とおっしゃる立場にはない」
先月30日、関西広域連合が再稼働容認声明を出した際、福井県の西川一誠知事が苛立ちを見せたのは、もっともなことである。
政治学に「ニンビィ(NIMBY)」という用語がある。Not In My Back Yard。
私の裏庭だけはやめて、とでも訳するのだろうが、集団全体の利益のためになる、いわゆる迷惑施設の必要性を認めながらも、自分の近くには設置させない住民エゴを指す。
沖縄の在日米軍基地の移転問題や、東日本大震災のガレキ処理問題で関西人は随分、ニンビィぶりをさらけ出した。
福井県の原発問題で過剰な要求を繰り返すことも、歴史を踏まえればニンビィと言わざるを得ない。
これ以上、利己的な醜い関西人にはなりたくない。
(編集委員・安本寿久)
*その一方で、こんな記事も…
【辛坊治郎氏 「福井県知事は顔を洗って出直すべき」と憤る】
週刊朝日 [6/20 07:17]
16日、政府は福井県おおい町にある関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を最終決定した。
ニュースキャスターの辛坊治郎氏は、福井県の西川一誠知事が住民のリーダーではなく、国から送り込まれた地域の「支配者」として再稼働問題に態度を示していることに異論を唱える。
* * *
関西広域連合の首長らは酷暑の夏を前に、大飯原発の限定的な再稼働に実質的にゴーサインを出した。
私はいわゆる「脱原発」派だ。しかし関西に住んでいて、身の回りに現実に存在する「電力が止まると死ぬ」かもしれない人々の話や、明日にも倒産しそうな中小企業経営者の嘆きを聞いていると、停電だけは何としても避けなくてはいけないと思う。
それにしても、なぜ福井県に原発が集中したのか? それは福井県が政府の「直轄領」だったからだ。
戦後の福井県知事は、1人を除いて全員が中央官庁出身者だ。
現在の西川知事も、旧自治省から副知事として送り込まれ、そのまま知事に就任している。
日本初の商業用軽水炉は、1970年、福井県敦賀市に国策として建設された。以来40年余のほとんどの間、福井県知事は住民自治のリーダーではなく、国から送り込まれてきた地域の「支配者」として国策推進に当たってきたのだろう。
そうでなければ、かねて何度もその危険性が指摘されている高速増殖炉の建設まで引き受けるはずがない。
西川知事は「日本経済再生のためには原発が重要だ」と言う。
しかし、自県の中心から遠く離れた隣府県との際に原発を次々造ってリスクを他の自治体に拡大し、経済的果実を独占し、さらに稼働するかしないかの判断について「消費地は『容認』する立場にない」と言い放つような態度は到底許されるものではない。
福井県知事は、顔を洗って出直すべきだろう。
※週刊朝日 2012年6月29日号
さて…
どちらの言い分が正しいのか?
福島第1原発事故の前なら前者にも多少うなずける気もします。
しかし、福島第1原発の事故が現実に起こった今、前者の言い分は、単なる言い訳にしか聞こえません。
政府の暴走で再稼働に突き進む大飯原発。
万が一の責任の所在を逃れ様する西川知事と時岡町長
いざとなった場合、責任の擦り合いをするのは目に見えています。
その頃、放射能を浴びる事になる地域住民は…
「後悔先に立たず」
先日、NHKだったかな?
大飯原発のある大飯町で民宿(旅館?)を営む方が福島県飯館村を訪れる番組を放送していました。
今も避難生活を余儀なくされている飯館村の方と一緒に飯館村や南相馬(海沿い)を見て周ると言う番組内容でした。
自由に帰宅出来るが寝泊まりは出来ない飯館村は、今も人の気配が無い生活感が無い村となっている現状を目の当たりにする大飯町の方。
何も手付かずで未だに津波の痕跡が痛々しく残る海岸沿い。
原発事故の悲惨な状況を見て大飯町の方は、番組最後に…
「大飯町のみんなにこの現状を見てもらいたかった。大飯原発の再稼働の判断は、それからでも遅くなかった…」
と、おっしゃってました。
本当にそうだと思います。
各地の原発立地(地元)の人達は、再稼働の判断をする前に福島第1原発事故の現状を見るべきです。
その後で、経済を優先するか、安全を優先するか、考え判断しても遅くないと思います。
【<福島原発>中間貯蔵施設誘致を要望へ 大熊町の住民団体】
毎日新聞 [6/23 03:00]
東京電力福島第1原発事故による汚染土壌の中間貯蔵施設について、福島県大熊町の住民団体「町政研究会」は、町内への早期建設を求める署名と要望書を7月にも政府に提出する。前町議の木幡仁代表は「苦渋の決断。町に帰れないなら施設を受け入れ、生活再建できる補償を受けた方が復興は進む」と話している。
福島第1原発に隣接する福島県大熊町。
放射線量は、今も人々が住めない程、高い数値を示しています。
大熊町は、大飯原発で言えば大飯町
伊方原発で言えば伊方町
浜岡原発で言えば御前崎市
原発立地地元の最後の決断が
『苦渋の決断。町に帰れないなら施設を受け入れ、生活再建できる補償を受けた方が復興は進む』
辛い決断だと感じます。
福島の人々も原発の恩恵を受けて来ました。
でも、今は
『原発さえ無ければ…』
と、嘆き悔しんでいます。
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