機器の小型化やデザインの多様化に伴い、「表示エリアは確保したいが、開口部が細長く、標準的な16:9のパネルでは収まらない」という相談が増えています。こうした課題に対応する方法のひとつが、ストレッチバー型液晶ディスプレイです。

一般的なモニターのアスペクト比が16:9であるのに対し、バー型液晶ディスプレイは約2.4:1(21:9)から最大32:1まで、大きく横長に設計されています。棚のエッジ、バスや電車の車内案内、エレベーター内、自動販売機、冷蔵ショーケース、産業機器の操作パネルなど、設置スペースが限られる場面で使われています。

導入を検討する際には、次の5点を事前に整理しておくと、仕様決定がスムーズになります。

1. 開口部の寸法と奥行き
表示可能な幅と高さに加え、筐体内部の奥行きも確認します。縦置き・横置きの別も、サイズ選定に影響します。

2. パネルの方式:ネイティブバー型かカット型か
ネイティブバー型は、最初から細長い形状で製造されるパネルです。一方、カット型は標準形状のパネルをOEM組込みの工程で一方向にカットして仕上げる方式で、専用ガラスを新規に起こさずに高さを合わせられます。数量や納期、必要な寸法によって適した方式は変わります。

3. 設置環境に合った輝度
輝度は300〜3,000 nitの範囲で選べます。一般的な目安は次のとおりです。

  • 屋内の棚、キャビネット、自動販売機など:300〜500 nit
  • 明るい店舗、ロビー、交通機関の車内など:700〜1,000 nit
  • 半屋外、直射日光が入る場所:1,500〜3,000 nit

密閉された筐体内では、輝度を上げるほど発熱と消費電力が増えます。必要以上に高輝度にせず、環境に合わせて選ぶことが大切です。

4. インターフェースと動作温度
バー型モジュールではLVDSやeDPが一般的ですが、実際の仕様はモデルごとに異なります。お使いの制御基板との接続可否を、早い段階で確認してください。動作温度はカタログ値で−20℃〜+70℃ですが、詳細は各モデルのデータシートでご確認ください。

5. 連続稼働とカスタマイズの可否
サイネージや交通機関向けでは、24時間稼働を前提とした設計かどうかが重要です。また、寸法、輝度、インターフェース構成、取付ブラケットなどを案件に合わせて調整できるかも、事前に確認しておきたい点です。

用途の例

  • 店舗の棚用サイネージ:価格やプロモーション情報の表示。棚レールに沿って設置できる細長い形状
  • 交通機関の案内表示:ルート案内や発車案内。温度変化のある車内や駅構内での使用を想定
  • 産業機器のHMIパネル:生産ラインの状況表示や操作画面。機器の筐体へ組み込み
  • エレベーター・ロビーの案内表示:ビルの案内や広告。ベゼル幅や取付金具は図面との照合が必要

仕様確認・ご相談について

当社のストレッチバー型液晶ディスプレイは16.2〜88インチのラインアップで、OEM/ODMとしての仕様調整にも対応しています。データシートはPDFで、会員登録なしでダウンロードできます。

「この開口部に収まるサイズはあるか」「この明るさの環境で輝度は足りるか」といった初期段階のご相談でも構いません。設置寸法の図面と、おおよその数量をお知らせいただければ、技術チームが内容を確認のうえ、適したモデルをご案内します。