「地味と呼ばないで。」
とある大学1年生 の夏休み。
忘れられない夏休みになる。
警備員のバイトを経験する。
主人公 織梨 宗之助。大学1年生。
お父さん 織梨 宗太郎。
建設会社のコンサルタント部門に勤務
お母さん 織梨 聡美。主婦。
織梨の友達 須達 香。ナンパな学生
テニスサークル所属。
木澄 渉 宗乃助の幼馴染み。
吹奏楽部所属
トランペット担当。
FTF建設・・大手ゼネコン！
土木事業・公共工事・一般建築
道路工事・コンサルタント
幅広く事業を手掛ける
社長 戸原 進 絹井とは同じ高校を卒業。
計算高いが根はいい社長。
絹井には何故？ここに居ない！常に思う
会うたびに引き抜きを掛ける。
スマイリー警備保障とは昵懇の仲。
株式会社 スマイリー警備保障
Be There For Myself Stand Alone
私自身の為にそこに居る！
立て！一人でも！
矜持
社長 絹井 律。
宗之助の人生観を変えた現役警備員。
白髪混じりの柔和な壮年。
永遠のアラフィフだ！名言。
元警視総監！
警視庁との繋がりが見え隠れする
警備スタッフ
角渡 昇 律の甥。
18才で警備員になり今や10年目！
若手のホープ・・。
宗乃助の研修担当の一人。
18歳金髪の高校生が理不尽な警備員に対し
殺意さえ・・。
律の言葉「君が理不尽に抗える
警備スタッフに成りなさい！」
その言葉に心を動かされ警備スタッフを目指す
渡瀬 尚
スマイリー警備保障の紅一点。
現役の婦警さん。
宗乃助の研修担当。
婦警さんの仕事はOL じゃない！
警備スタッフを志望し5年目のスタッフ。
夢は好みに合う警察庁幹部候補を見つけて、
玉の輿に乗る事！
婦警になるも内勤・・退屈で仕方ない。
好きな女優は篠原涼子さん。
アンフェアに憧れる。
ところが警備員の4号警備を経験しゆるく絶望
身辺警護にはスリルもない出会いが無い！
何故に「じじいにばばぁだ！」
2号警備の片側交互通行に責任と使命を覚えて
夢中になる。
前野 直
ビミョーな名前で警備スタッフ。
色白な肌に眼鏡は「PRADA」が似合う
メガネ男子。
両親が警察庁の要職。
「なんでお前は警備員なんだ！」
お兄さん達が警察庁の人間。
喧嘩して飛び出して今は一人暮らし。
警備員スタッフ5年目の訳ありな警備員。
宗乃助の研修担当。
最初は警察官を目指し警察大学校に入学するが
そこで警察官の闇を知り絶望。
警察官の殆どが性悪な政治家にしか見えない
警察大学校を中退・・。
「私のコネで簡単に警察官になれたのに
中退とはふざけてるのか！」父親と絶縁！
富樫 一平 ・・宗乃助が研修で出会う
警備スタッフ。 歩行者誘導で、
一生懸命過ぎるくらい一生懸命
怪訝に思う宗乃助・・。
だがそこには？
語られぬ想いと記憶があった。
直理 藤太・・幅寄せという業務しかできない
警備員スタッフ。
親の愛情に応えたい。
その理由は？
宗乃助が研修で出会う
警備スタッフ。
押野 丸二 ・・「通行止めはコメディだ！」
が口癖な警備スタッフ。
一寸先は闇それが通行止め！
それも口癖。
宗之助が研修で出会う警備スタッフ。
その他
聖琳大学・・私立大学。二人が通う大学。
的山ゼミ ・・二人が所属するゼミ。
テーマ 見える分には地味！
出会いもない！
給料は程々！
しかし背負うのは？
何処かにいる誰かの安心・安全
時として人生や命！
何の為に誰の為に！
彼らは警備員として生きるのか？
大学生が身を以て知る物語。
あらすじ
今日で前期の授業は終わり。
明日のからは夏休み。
宗乃助と同じゼミ生の香は、
バイトの話を始める。
宗乃助は警備スタッフ。
香はテニスサークルの受付。
渉は学内の食堂のウエイトレス。
香 ・・・大学生は夏休みを利用して、
大人なお姉さんと知り合い、
仲良くなるんじゃねぇか！
テニスサークルで受付だ！
宗乃助・・お父さんが建設コンサルタント
警備員を勧められた。
渉 ・・学内の食堂でウエイトレス。
トランペットの練習時間を少しでも！
それぞれの想いが交錯する。
宗乃助が帰宅する・・
宗太郎父親が警備会社を勧めた経緯を思い出す
「スマイリー警備保障」
いかにも警備会社らしい名前だな。
宗太郎の言葉が響く。
「いいか宗乃助・・。
何故男は仕事をするのか？
警備員の仕事でそれを学ぶんだ。
お父さんを助けて頂いてる方々だからな。」
続く。
空は青々とし陽の光は燦然と降り注ぐ。
ベンチにすわって居る生徒は
眠りへと誘われそうだ。
周りは木々に囲まれ森林浴もできるらしい。
最寄りのバス停から小高い丘を登って10分。
ここは聖琳大学。
この物語の3人の主人公が通う大学だ。
赤レンガのブロック塀が両脇に見えてくる。
向かって右手のブロック塀に、
モスグリーンの枠に金色で聖琳大学と、
縦長に記されている。
左手の向こう側にルーフ付きのロータリーが
学生の挨拶で賑わっている。
今日のは前期の終わり。
明日からは夏やすみなのだから当然。
シャトルバスがロータリを後にして、
走り出す光景も見えてくる。
右手の下側には階段を降りると、
体育館に運動グランド・・。
青春を謳歌する学生の喚声でいっぱいだ。
校門を通り抜けると14階の棟が見えてくる。
ゼミ棟・講義棟・
サークル棟で構成されている校舎だ。
さて、
ゼミ棟の一室では前期最後の
授業が行われている。
的山ゼミ・・講師は的山紀之。
銀縁眼鏡にツンツンのショートヘアー。
輪郭に沿って髭を生やしている。
紺のジャケットにブルージーンズ。
所謂、横浜なトラディショナルな服装。
イケイケな30代。ゼミのテーマは
「俺流恋愛心理学。」
斉藤学の大ファンなんて誰もが知る事実。
始まりはこんな感じ。
終わり方
三人の主人公が自分の大事なモノに気付いて、
護る事の難しさ尊さを覚えて成長する。
詳細な人物像
織成 宗乃助
聖琳大学に通う1年生。18歳。
なんとなく生きてきた所謂草食系男子。
大学を選んだ理由。
お父さんが言う。近所の大学に通え。
家から大学まで歩いて10分。
高校生活は帰宅部。
土日でコンビニのバイト
お小遣いを稼ぐ程度。
経営学部在籍。
理由・・お父さんのコネで入社させるから、
死に物狂いで勉強しなさい。
だから警備スタッフのバイト。
幼馴染みの渉は吹奏楽部の部長。
ユーフォニアム担当。
定期演奏会の常連客。
須立 香
茶髪のウルフヘアー。童顔。
「香」名前なわけだが、
童顔の為に女の子みたい(笑)と言われ、
コンプレックスを名前に抱える。
経営学部に在籍。
父は大手某商社に勤務。将来は商社マン。
明るくお世話好き。
環境に不馴れな宗乃助をサポートする。
バイトはテニススクールの受付。
建前は、
大人な女性と応対し、
商社マンとしての社会性や社交性を！
本音 大人の女性にあやかりたい！
木澄 渉 学内の食堂でウエイトレスの
バイトに励みつつ、
暇さえあればトランペットと向かい合う。
中高から吹奏楽一筋。
高校生は吹奏楽部の部長を任される。
ユーフォニアム担当だったのに？
何故か？大学ではトランペット！？
文句を抱えながらも周りの部員とも？
そつなく頑張れる社交性の持ち主。
織成 宗乃助・・小学校からの同級生。
お隣さんどうし。
小学生の頃は一緒に遊んでいた
中学生になったら、
宗乃助は陸上部で
スプリンターを目指す。
渉は吹奏楽部。
須立 香 ・・何かにつけて木澄～「キスミー」
そう言葉を投げ掛けるだけに、
いつも、肩パンチ。
出会い目的の為に、
「テニスサークルでラケット振る」
ナンパな性分にはやや呆れてる。
硬派な渉にしてみれば許せない。
絹井 律・・元警視正で(株)スマイリー警備保障
永遠のアラフィフと自負する社長
現役警備員。
警視正を辞した理由。
姪っ子の意見が律を変えた。
「おじさんがね警察官に見えない
なんかサラリーマン？営業マン
そんな人に見えるんだ。
警視正ってどんな人なの？」
FTF建設の社長戸原とは高校からの付き合い。
戸原からの信頼は厚い。
多くの警備員を育成してきた実績は、
人事部部長にこそ相応しいだろ！
会うたびに引き抜きをかけられる。
趣味 マウンテンバイクに乗り、
休日は1日10キロメートルサイクリング
お忍びで警備スタッフの働きぶりを観察
角渡 昇 律の甥。
警備員の理不尽な仕事に怒りを覚えて、
律に訴える。
「どうして理不尽な
警備員に振り回されないといけないんだよ」
下手な片側交互通行が原因で、
約束に15分遅れる。
自転車に乗った妹が警備員とぶつかり、
頭部を縫う事故に・・。
律「君が理不尽に抗える警備員になりなさい
あらゆる理不尽から弱者を護るんだ。」
金髪リーゼントで学無しの俺ができるかよ！
10年後昇はスマイリー警備保障のエース！
渡瀬 尚
男勝りなショートレイヤーな美人。
幼き頃に手にして離さなかった物は
おもちゃの刀！
アニメの悪役にその刀を振るうような女の子。
「ワタシは婦警さんになる為に生まれた！」
高校卒業して地方公務員試験を突破し、
警察大学校に入学。
卒業と同時に自宅近隣の所轄の警察に勤務。
なのに？お茶汲みやコピー当番。
警察との繋がりがある警備会社に出向するが
4号警備の退屈さ「不労取得者人生は嫌よ！」
そしてなんと絹井律の身辺警護に！
律にスカウトされて・・・。
前野 直 センタパートさらさら黒髪！色白！
学級委員的な警備員！
メガネはPRADA！
時計はロレックス！
両親は警察官僚で3人兄弟で
兄二人は、警視正！
両親や兄弟に憧れて幼稚園からの夢が、
かっこいい警察官！
思い出では「良くパトカーに乗ってました。」
小学校の頃には警察官を夢見て、
踊る大捜査線に夢中になる。
中高一貫して空手と柔道に青春を捧げる。
高校を卒業して地方公務員試験を突破して、
警察大学校に入学するが？
伝統と慣習に反発し喧嘩三昧！
政治家か軍人か？悪徳政治家だ！
1年もしないうちに退学する。
「親の顔に泥を塗りやがって勘当だ！」
一人飛び出して？「正義なんて無力だ。」
絶望していた頃に目の前に鉄柱が・・
「止まってください！」律の声に命を救われる
仕事が終わるまで待ってくれないか？
「今にも命を断つようだから・・。」
その後にスマイリー警備保障に入社。
冨樫一平 ・・歩行者応対にこだわる
警備スタッフ。 警備員歴30年。
母親と帰る途中だった。
その日は小学校の運動会。
工事中の道路を通る際、
旋回した重機が母親の頭部を直撃。
母親は私を庇おうとしただけだ。
その場に居た誘導員の確認ミスから起きた事故
母親はこの世を去った。
誘導員は夜勤明けだった。
オペレーターには殺意・悪意はなかった。
もちろん母親には何の責も無い。
富樫が警察に問い合わせて知り得た事実。
その警備員は責任を感じて自殺。
管制も他に警備員がいなかったと黙す。
「誰を吊し上げればいいんだよ～。」
富樫はスマイル警備保障に入社。
同じ悲劇は繰り返させない！
富樫の想いは報われている。
直里 藤太・・養護学校卒業した警備スタッフ
いわゆる知的障害物語。
唯一の願いだった。
誰かに感謝される仕事がしたい。
言葉数が少なくとも警備員として
生きたいだけなんです。
親に感謝されたいんだ。
幅寄せしかできなくとも！
織成 宗乃助が問う
「これが仕事なんですか？」
律が語る。
「君には仕事に見えないか。
こんな言葉があるのは本当だ。
警備業には仕事が無い！
予算とか納期なんて関係無い。
それでは？彼等はどうして旗を振るのか？
それは彼等がその場所に居たいからだ。
直理君はいつも話すのさ。 俺は旗を振りたい
だから、ここに居るんですと。
お母さんに褒めてほしいと。可愛い奴さ。
警備スタッフ一人一人に様々な想いがある。
それこそ多種多様さ・・。
だが共通する想いがあるのさ。
優しいだけじゃ生きていけない。だが、
優しくなければ生きる資格は無い。
警備員の為にある言葉だと私は思うな。
優しい人になりたいからなのさ。
だから彼等はそこに居るのさ。」
押野 丸二 ・・頑固一徹元気盛り盛り60代！
その道40年とか言うおじさん。
通行止めはコメディだ！
押野は語る
「通行止めはいろんな出会いがあるさ～。
可愛いお婆ちゃんが通ろうとしてね？
こう言うのさ。今日は工事かね回り道かい。
そう話されて・・1時間毎に来るんだな。」
「どうして？40年もと思うだろうな・・。
君は18歳だな。君の年齢の2倍以上が
私の警備員ライフだ。馬鹿にもされたさ。
こんな仕事しかできないのか！とかね。
答があるとすればね？今は分からないが、
私が若い頃に警備員はね本当にまぁ、
「案山子」と呼ばれたんだよ。
人間扱いされなかったのさ～。
汚れ仕事中の汚れ仕事というわけだ。
ただ立って誘導棒を振るだけだろう。
「猿でもできるじゃないか」とね。
それでも尚！私が警備員で生きてる理由は、
誰かがやらねば！そしてこの言葉が続くのさ
困る人達がいるからさ・・とね。」