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人と人とのパワーバランスで1番理想
的なのは、50:50です。

なぜかというと2人の力を掛け合わせ
ると、フィフティー・フィフティーが
2500で最大になるからです。

例えば片方が40、もう片方が60だと、
2400にしかなりません。もっと極端に
考えると片方が90で、もう片方が10だ
とすると、900にしかなりません。

これは50:50の時の0,36倍にしかなり
ません。そして片方がとてもワンマン
で100:0の力関係なら、掛け合わせ
ると0になってしまいます。

時代的にもワンマンで威張っているの
なんて、まったく流行らなくなりまし
たが、人と人とのパワーバランスを考
えると、最大限の力を発揮するには、
お互いがフィフティー・フィフティー
の力関係であるコトがどのくらい大切
か、とてもわかりやすい例だと思いま
す。

夫婦や恋人や友人なら、50:50が最良
ですが、難しいのが仕事上の人間関係
です。

いえ、50:50が最良なのは変わりませ
んが、例えば新入社員と取締役がフィ
フティー・フィフティーの関係には、
なかなかなりませんよね?

それは、その会社のコトについて詳し
く知っているかどうかだけの違いです。

まず、会社のコトをしっかり教え込ん
で人間関係やパワーバランスは50:50
が理想的なんです。

以前、コンサルタント時代に、こんな
対策をした経験があります。

或る企業の2代目社長が、超ワンマン
で、社員の言うコトをほとんど聞かな
い人でした。

でも、その企業ととても仲のいい社長
からの紹介を頂き、コンサルを依頼さ
れて1か月間、社内を見渡してみると
先代社長の時から専務をしていた年配
の番頭さんのような専務が実にいい働
きをしています。ただ、2代目社長は
彼のやっているコトが理解できていな
いようでした。社長と社員の間で、社
長の求める無理難題を、社員が行動で
きるように落とし込んで、形にして行
く専務の腕前は、わたしが欲しいと思
うような見事なモノでした。

でも社長は、社員の前で専務をこき下
ろしたりするので、最初のうちは社長
をそれとなくたしなめたり、やんわり
と注意したりしてみましたが、ほとん
ど響きませんでした。

そのうちに専務派というか、専務を大
好きな社員達が、社長の言うコトを無
視し始めた時、紹介してくれた社長に
現状を報告し、わたしが或る行動に出
るコトを相談すると、

「うん。実はそういうコトを出来る人
を探してたんだよ。まさにそれをやっ
て欲しいんだ。ただし、絶対専務には
そうするコトを言っちゃダメだよ。彼
は、キミをかばってしまうから。先代
は、とても専務を尊重していたんだ。
そこには50:50の関係があって、専務
は社長を立てていたから素晴しい会社
だったんだ。2代目は人に敬意を払う
コトをあまり知らないから、キミに辛
い役目をさせてしまうけど、よろしく
頼むね」

そして、わたしはその2代目に対して
その社長が社員や専務に対して、して
いるような態度を取るようにしました。

社員や専務の前で、社長が勘違いして
いる戦略を進めようとすると、社長の
ような口の利き方をして怒鳴りつけま
す。そういう態度で接し続けて3か月
経った頃、社長が、

「コンサルはもう結構です。私の会社
なのに、まるでアナタが1番偉いみた
いだ」

と言うので、わたしは、

「コンサル契約は1年ですから、1年
間はこのまま続けますよ。あなた方が
求めたような数字は、わたしがコンサ
ルを開始してからズーッと達成してい
ますから、業績的には何も問題はない
筈ですが?」

と全く傍若無人に振る舞いました。そ
の後も、みんなの前で社長を叱り続け
ました。社員達も、社長が可哀想だ、
と言い始め、専務がわたしにもう少し
穏やかに指導してもらえないか?と言
い出したので、わたしは、

「社長がこの会社のコトを『私の会社』
だと言っています。でも、本当にそう
でしょうか?そのコトについて、社長
と話し合ってみてください。お互いに
ぶっちゃけた気持ちを話し合ってみて
ください。もちろん、社員さん達も一
緒に話し合ってみてください」

とだけ伝えました。その2週間後、社
長が話があるので聞いてください、と
言って来ました。わたしは、その会議
の場に行くと、

「あなたにこんなに辛い役回りをさせ
てしまって本当に申し訳ありませんで
した」

と社長が言い始めました。紹介者の社
長が種明かしをしてしまったコトを悟
りました。でも、そのまま聞いていま
した。

「あなたがこの会社を乗っ取ろうとし
ているんだと本当に疑っていました。
あれだけ私にそっくりな態度を取って
くれていたのに、私は『なんて横柄な
態度なんだ!』と腹を立てていました。

でも専務から、先生(わたしのコトで
す)が社長は私の会社だと言っている
が本当にそうでしょうか?と言ってい
る、社長や私や社員達で話し合ってみ
てくれ、と言っているから、真剣に話
し合ってみましょう、というコトにな
りました。その話し合いの時には私は
みんなのコトを怒鳴りつけていました。

その時、社員達が、それじゃ先生と同
じだよ、という声がボソッと聞こえま
した。ハッとしました。先生が私の態
度を私に解らせるためにわざと真似て
いるんだとしたら、何と辛い役回りを
演じてくれたんだろう…。私は社員や
専務達と4回ミーティングを持ち、自
分達の考えがまとまって来たので、紹
介者の社長に会いに行きました。

私が社長に『会社は私を含めて全社員
のモノで、みんな揃って力を合わせて
進んで行くモノだと思います』と言う
と、彼は『ああ、やっと2代目も先代
の気持ちに近付いて来ましたね』と肩
をたたいて、『先生が悪役を買って出
てくれました』と種明かしをしてくれ
ました。そして、先生は『会社が良い
方向に動き出しても、ずーっと怒鳴り
つけていたコンサルには精神的に腹が
立つでしょうから、この役だけは外様
のスタッフにしか出来ませんよね』と
言って今回のミッションを引き受けて
くれたんです、と教えてくれました。

私もこの年なので、先生のように叱っ
てくれる人はいません。本当にありが
とうございました。これからもよろし
くお願いします」

と言ってくれましたが、

「いえいえ、本当に失礼しました。い
くら会社を良くしたい、とはいえ、社
長にあの態度は、やはり失礼でしたね。
それに、社長と専務を中心に社員の皆
さんとも50:50の関係を築ければ、
元々力はあるのだから、最大パワーが
生み出せると思います。社長が80で
社員が20だったら、1600の力しか出
ませんが、お互いに50-50なら2500
ものパワーが出るんです。そうなれば
社員一人ひとりが自分の会社だと思っ
ている強い会社が出来上がると思いま
す。ようやく、わたしの仕事が完了し
ました。ご無礼の数々、お許しくださ
い。では、皆さんのご発展を、心より
お祈りしています」

と言って、その会社のコンサルを辞退
させていただきました。ところが辞退
してからの方が、実に細かく業績報告
をいただくようになり、いい会社にな
って行くのがよく解りましたし、社員
達がわたしを見かけると、大きな声で
挨拶してくれて、とても気持ちのいい
会社になりました。

人と人との力関係で、最大限のパワー
を発揮するためにとても大切なコトは
常に対等な関係を築けるかどうかです。

お互いに自分の力を出し切るためには
その人同士の関係性を無重力状態にす
るのが最善の方法です。どこかに余計
な力が入ると、自由に動けなくなるか
らです。頭が自由に動くためには精神
的にも自由にしてあげると、相手のポ
テンシャルも上がりますよ(^o^)v。



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