猫の地球儀 | 羊雲

猫の地球儀

「イリアの空、UFO の夏」という小説を読んで、秋山瑞人という作家を知りました。同氏の以前の作品です。じゃむさんに強制的に買わされて読んだのですが、これが、表紙とは裏腹にハードボイルドな内容でして、結構面白かったです。

主人公は猫で人間はでてきません。彼らはロボットを操る事ができ、巨大な人工衛星の様なところで暮らしています。あるものは、戦いに自分のありかを求めたり、古い物を探したりしてくらしています。

世界は人工衛星の中が全てであり、そこには宗教があり、地球へ行きたいとか、自分達の世界は人工衛星だとかいうのは、異端論者として扱われてしまい、制裁を受ける様な世界感で、猫達と、その異端論者の物語です。

主人公が猫だったり、ロボットが出てきたりと、なんかアッチ系っぽい感じですが、なんか、抱えてる世界感がハードで、その、なんだ、猫とか、ロボットとか、別にいらなかったんじゃないかと、そう思うような内容でした。エッセンスとしての猫なのです。

思ったよりも楽しめました。こう、読み終わった後の感覚が、投げ出された感じじゃなくて、なんとなく、あー、あくまでもなんとなくですが、納得行くというか、それなりに自分の中になんか残ると言うか、そんな感じで、「イリヤの空~」より、面白かったんじゃないか。と、そんな感じすらしてきます。こうして、考えるほど、やっぱり表紙とのギャップに、なんか違和感を感じてしまう作品です。