思い返して見れば、物心ついてからずっと母の縫ってくれた半纏を冬場はずっと着続けてきました。
元々、祖母、両親とも着物党で私自身母からの普段着お下がり(単)を見よう見まねで縫い直し、子育てが一段落してからはいわゆる「裏付き」にも挑戦、和裁教室に通ったりもしました。
母が80歳に近くなると、「手順を忘れた」「寸法が合わん」と言うことが増え、「これはそろそろ私の出番か?」と教室でもお願いして縫ってみようとするも、なぜかしっくりするものが縫えない。
何故?を繰り返し、本を十数冊も買い込んだり、教室をハシゴして、ようやくこの本に出会えました。
「はんてん屋日和〜おばぁちゃんに教わったこと」 木村壽子 著
ISBN978-4-901574-80-2
前半の文章も心温まるものですし、付録の「作り方編」も今まで出会った本の中で一番分かりやすいです。ぜひテキストとしてご購入いただきたい。
この本に出会ったのは東北大震災の数年後。
まだ瓦礫も残り、生き延びた方達も仮設住宅で不便な生活を強いられておられる方達の様子がテレビやネットで流れない日はなかった頃でした。
両親のもう着なくなったウールや木綿の長着を教材がわりにせっせと縫い直し、福島の友人を通じて送り続け、ようやくひと段落ついた頃、
「古屋を片付けていると今の目で見ても素敵と思えるウールがたくさん出てくる。古着屋に持って行っても、『うちの売れ残りと一緒に焼いといてあげる』と言われる始末。なんとかできないか?」
との相談を受けるようになり、ようやく重い腰を上げて僭越ながらお教えする場を実家近くに設けることとしました。
ただ帰省は月に3泊4日。
手取り足取りでは、一枚縫い上げるのに4年も5年もかかりかねない。
まずはこの本をテキストとして、熟読していただき、このブログではこの本には書いてない私なりの改変点をお伝えしていきたいと思います。
テキストを読み、ブログを読んでも分からないところは実家周辺の方達限定でマンツーマンお教えする、と言うことになりますが、文章での説明で分かりそうだったらコメント欄に書き込んでいただいてもいいです。わかる範囲でお答えしたいと思います。