テキスト95ページを参照して型紙を作る際、くりこし2cmの実線の横に点線でもう一つカーブが描かれており、背縫い側の寸法が書かれていないことに気づかれましたでしょうか?

実は色んな人に縫い方を習って、どうしても納得いかなかったのがここでした。

 

まずくりこし。

ある人は「あんたは2cm」と言い、またある人は「3cm」「5cm」なんてのもありました。

なぜそうなのか、納得のいく説明をしてくれた人は…いなかったような…。イヤ、私の理解力も乏しかった(笑)

仕方がないから本を読み漁り、呉服屋さんに聞いて周り、ようやく、姿勢のいい人、猫背の人、鳩胸の人、肩周りにお肉(筋肉)ががっしりついている人などなど、微妙に人それぞれですとるべく寸法が違うのだとわかりました。

で、標準とされてる2cm。

 

また、写真の付け込み(ココ、と書いているところ)は、昔は衿肩あきとして切った背縫い側の布端をグィッと広げ自然なカーブになるようにヘラのガイドなしでまち針を打っていっていたようです。

もうこれは熟練者の手加減さじ加減の、言葉では説明しきれない和裁ならではの超アバウトないい例ではないでしょうか?

母の娘時代は学校を卒業すると「お針を習うのが当たり前」の世の中で、それこそ袖ばかり1年間毎日、襟付けばかり1年間。。。縫っては解き、縫っては怒られして「手加減」を覚えていったらしいですが、今の時代に(私の娘時代すでに)それでは「縫ってみようか?」と言う気になる人は出てこない。

 

そうして付け込み線もヘラ打ちするようになったようです。

 

では、何センチの深さにするか?

 

小さな物差しを持ち歩いて、綿入れ半纏を見つけるたび測ってまわりました(大笑)。

 

結果、1.5cmという数字を出しましたが、首筋に冷えが入りやすい人は1cmでもいいです。

 

そもそも半纏はタンスや押入れに収め込まず、年中出しっぱなし。肌寒い日にヒョイと羽織るものです。

あまりキチキチと防寒ゴートのようでは日常着っぽくない…(と思いませんか?)

 

因みに実線は裁断線で、点線は縫い線なので混乱しないように気をつけてください‼️  

 

プロならではの説明のブログを見つけたので貼り付けておきます。

 

https://wasaiya.com/%E8%A1%BF%E8%82%A9%E6%98%8E%E3%81%8D%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

 

 

 

 

次回ブログ分からはいよいよ「縫い」に入るので、テキストにひたすら従えばいいので書くことが少なくなります(笑)

 

私が針を持つようになったのはご近所に和裁師のおばぁちゃんがいて、鍵っ子だった私は、おばぁちゃんが暇そうな時を狙って、お人形さんの着物や袋物を縫ってもらいたくてよく遊びに行っていたからのような気がします。

 

母は和裁ではなく洋裁をする人でしたが、端切れをきちんととっておく人で、私の洋服そのものはサイズアウトして捨てたりご近所に差し上げたりしているのに、端切れは残り続ける。「もったいないなぁ」とおばぁちゃんがしてくれたことを思い出しながら、配色を考え接いでいき、いろんなものを作ってました。

 

ミシンかけも好きですが、隙間時間でとにかく手を動かしてさえいれば、何かができる。手縫いの時間は心がシーンとして大好きです。

 

そのままの流れで和裁をするようになり、また着物のリフォーム/アップサイクルが日常の中での必須事項となり始めた頃、「安藤明子の衣生活」という本に出会いました。

 

彼女の提唱する衣生活は筒状に縫った布(彼女は「サロン」と呼んでます)を体に巻き付け、紐の位置、締め方でいろんなバリエーションを持たせる、というものです。

着物をリフォームするとどうしても端切れがが出ます。袋ものばかりに縫い変えてもしょうがない。

サロンならスカートとして履く以外にも素材次第で腹掛け、おんぶ紐、風呂敷、座布団などアイディア次第で色々使いまわせる。

 

半纏を縫うことによって出た端切れを継いで使ってみれば、寒い日のオーバースカート、膝掛けとして、特に重宝しました。

 

きっちりと体に巻きつけて着れば着物の所作の練習にもなります(笑)

 

こちらも読むだけでもホッコリできます。

 

「安藤明子の衣生活」

   主婦と生活社  ISBN4-391-13226-5

 

 

 

 

布を94ページのように裾を出来上がりに畳んで、裏地を乗せ、さらに型紙をずれないように載せてまち針で止め、切りじつけ(ヘラ)をします。

 

もちろん見開きで印つけしてもいいですが、取り掛かったら最後まで机の上に広げたままにしておきたいので、畳んでした方が楽かもしれません。お好みで。

ただし、畳んでする場合、裾見返しの部分が6枚重なることになるので慎重に。

 

背縫いは元々のものは残したままで、縫い代を1.5cmとりましょう。

もちろん解いて1cmの縫い代にしても構いませんが、多くの場合、着ているうちに布や縫い糸に力がかかって弱くなっていたり、布が薄くなっていることが多いので二度縫いの形にした方が丈夫です。

 

どうしたわけか、写真がアップできないので、きりじつけの仕方は、図解してある記事のリンクを貼り付けておきますので、そちらを参考にしてください。

 

https://yousai.net/how_to/kiso/kirijituke

 

なお、切りじつけが終わったら当て布をして、アイロンをかけておきます。そうすることで、糸が抜けにくくなります。