朝、窓がばたばたと鳴る音で目が覚めました。




羊が住んでいるマンションは築30年以上と大変古いので

(お風呂バランス釜だしね)

風や地震の時はやたら揺れます。


「あ、死ぬかも」といつも思います。

でも居心地のいいうちなのでまだまだ引っ越しません。

窓の正面に見える富士山はそう簡単には捨てがたいのだ。

(お風呂バランス釜だけど)





さて、今日は朝から両親と電話。

羊の母は、ここ最近少し体調を崩していたのだけど、

毎日キャベツを食べるようになったら調子がいい、とかゆって

声がだいぶ元気になっていた。 ほっ。




父「母さんはね、毎日会う人会う人にようこちゃん(本名)の

  話ばしよっとよ」

羊「へえ。どげな話?」

父「うちの娘は三谷幸喜さんに直接演技指導ば

  してもらいよっとよ。すごかろ?って」

羊「あははそげんね?そのうち「娘は三谷さんのお気に入りばい」

  とか言いだすっちゃない?」

父「そげんそげん。結婚するかも、とかね(笑)」

羊「いやいや、三谷さん既婚者やけん(笑)!」

父「あ、そうね?ならそりゃ言っちゃいかんね。

  あ、母さんに代わるたい。」


母「ようこちゃん?どげんね劇は?」

  (母は何度直しても舞台や芝居とは言わず劇と言う)

羊「うん。お客様はみんなほんとに喜んでくれるばい。

  私はまだ三谷さんに毎日ダメ出しもらいよる」

母「そげんね。でもやっぱり三谷さんに直接演技ば教えて

  もらえるのは嬉しかろ?母さんね、昨日もNさんにようこの話ば

  したとよ。向こう急いどったとに10分も引き留めてしまった(笑)」

羊「いやいやそらいかんやろーもん(笑)。」

母「こないだ病院で検査した時も、看護師さんに

  ようこの宣伝しとったけんね(自慢げ)」

羊「なんち?」

母「うちの末娘は東京で女優ばしよっとよーって。」

羊「母さん、それ宣伝じゃなくて自慢っちいうとよ」

母「あははは(大笑)よかとよかと。

  そうですかーへーっち興味津々に聞きござったけん。」



Nさん、看護師さん、親ばかでほんとごめんなさいねえへへ…


因みに、「三谷さんの舞台が決まったよ」と私が興奮気味に連絡した時、

母は「三谷さんて誰ね?」と言い放った人です。

その後、私と姉の力説により、いかに今回の舞台出演が凄い事かを

理解してからというもの、会う人会う人捕まえては、三谷さんの名前を

出しているらしい(笑)

でもまあ、これも親孝行の一つにはなっているのかな・・・






閑話休題。




今ご覧の皆様はさぞや、共演者とのスナップが見たいとお思いでしょう。

羊もぜひ稽古場からお届けしたかったのですが、まあいろいろと肖像権

やら何やらややこしい問題がありまして断念していたのです。




がっ!





この度・・・



ご本人たちから直接許可を頂きましたので今日から2人ずつ

ご紹介して行こうと思いますキャ


何度も言いますが、ご本人の許可を得て撮影しておりますので、

くれぐれも無断転載はなさらぬようお願いしますねふっ

(以下、三谷さんに倣い50音順で。)


トップバッターは・・・



放牧日記


相島一之さん。


相島さんは・・・


とにかく・・・


優しい!

そして温かい!


こんなに人って優しくなれるもんですか?というくらい優しいです。


稽古初日の顔合わせの時。


そうそうたるメンバーと初顔合わせの羊は、稽古場に入っても所在なく、

15年ぶりの再会を楽しむ皆さんの輪に入る訳にも行かず、ああ初日から

こんな感じじゃ大丈夫かしらんと不安に思っていたのです。

そこへすっと寄ってきて「初めまして」と菩薩のような(男性にも使いますか?)

笑顔で声を掛けて下さったのが相島さんでした。


「初めまして、吉田羊と申します。今回はよろしくお願いいたします。」と

前の晩に何度も練習したあいさつ文を見事なまでの棒読みで披露した私に、

また笑顔で「相島です。緊張してるよね…大丈夫?」と返して下さり、

「今回はよろしくお願いいたします。」と丁寧に頭を下げられたのです。


相島さんは今回の企画の発案者でもあり、短期間の稽古に加え取材も日々

こなしておられ、それはそれは大変だったと思います。

けれどしんどい顔はひとつも見せることなく、この企画を、また15年ぶりの

空間を、誰よりも心から楽しんで、いや噛みしめておられるようでした。


稽古中、勝手知ったる阿吽の呼吸で稽古を進めて行かれる皆さんを横目に

牛歩の足取りで必死に格闘していた羊にそっとアドバイスを下さった相島さん。


「こういう群像劇はね、バトンの受け渡しなんだよね。自分の番が来るなと

思ったらベストポジションを見つけて素早く前に出る。出番が終わったら

次の人にバトンを渡して素早く場を譲る。」


目から鱗のアドバイス。

というのはね、羊こういう間合いとテンポで成立していくお芝居って

初めてだったんですね。これまでは、

「そこに椅子がある。それに座るには意味があり、立って去るにも意味がある。」

というようなことをやってきたわけです。だから、自分がセリフを言って、

もし気持ち的にそこから動けなくなったら動けるまでそこに居ていい、ってことを

やってきたんですね。

でも今回の芝居は、というか三谷さんのコメディはそれだと成立しないんです。

それぞれに役割分担があって、出番を次々と交代していかないともう

ぐちゃぐちゃになるんです。


その事が羊は全然分かってなくて、多分、周りは相当気持ち悪かっただろうし、

私もぐるぐると展開していく動きに自分の場所を見つけられずに往生してて。

けれど相島さんのそのアドバイスをもらった夜、台本をその観点で読んだら

全く違って見えましたし、自分の動きがなんとなく見えてきたのです。しかも、

それが見えたら気持ちまでもそれに合わせて組み立てられるようになった!

これはほんとに、大きな大きな経験でした。


アドバイスありがとうございました、と翌日お礼を言った羊に、

「あれは三谷がいつも言っていた言葉なんだよにこ」と照れ笑いの相島さん。

誰の言葉でも、あのタイミングで言って下さった事に大きな意味があったんです。


今も毎日「羊大丈夫?疲れてない?楽しんでる?」と声を掛けて下さる相島さん。

きっと今日も変わらぬ優しさと笑顔でもってそこにいて下さることでしょう。

東京サンシャインボーイズの、大きな柱。そして深い深い泉。


とここまで書いたら随分と長文だな。二人ずつなんて無理じゃないか。

ほな、とりあえず今回はここまで。


次回は阿南健治さんの登場ですにゃ