ゆかりん先生のツイートから台湾で今も漢字の読み方標記のために公教育で使われている注音符号を当てるクイズゲームにハマっています。もともとは英語の単語当てゲームだったのを奇特な香港の人が注音符号版を考案されたそうです。
注音符号5つで構成される単語を当てるゲームで1回につきチャンスは6度まで。
最初は完全ノーヒントなので適当に入れていくのだけれど、入力した符号が正解に含まれている場合は黄色表示、正解に含まれ位置も合っていれば緑色で表示されます。グレー表示は正解単語に一切使われていない符号なので次の入力で使わないようにすればいいという仕組み。
これらをヒントに正解を導き出すのですが、全てが「当てずっぽう」だと永遠に正解にたどり着けません。
ここで必要になってくるのが注音符号の音韻学的ルールの知識です。
まずゲームで使われる注音符号は5文字のみ(声調記号は含みません)。
これを音節としてどう振り分けるか?
そもそも注音符号とはどんなに長い音節も「3文字」で表現できちゃうという特徴があります。
例えばピンインで一番文字数の多い音節では6文字使うところを注音符号では3文字でおさめられます。
例:狀 zhuàng → ㄓㄨㄤˋ
てな具合です。
そして注音符号であればピンインだと2文字必要なものでも1文字で表示できます。
例:鱼 yú → ㄩˊ
ちなみに2文字で表示できるものはこんな感じ。
找 zhǎo → ㄓㄠˇ
なので5文字に収めるための音節の組み合わせは
① 3文字 + 2文字 專業 ㄓㄨㄢ ㄧㄝˋ (プロフェッショナル)
または
② 2文字 + 3文字 旅行 ㄌㄩˇ ㄒㄧㄥˊ(旅行)
そして数も少なく難易度高めですが
③ 1文字+1文字+3文字 衣物櫃 ㄧ ㄨˋ ㄍㄨㄟˋ (衣類ダンス)
④ 1文字+3文字+1文字 瑜伽衣 ㄩˊ ㄐㄧㄚ ㄧ (ヨガウェア)
⑤ 3文字+1文字+1文字 潛意識 ㄑㄧㄢˊ ㄧˋ ㄕˊ(潜在意識)
⑥ 2文字+1文字+2文字 收益率 ㄕㄡ ㄧˋ ㄌㄩˋ (収益率)
⑦ 1文字+2文字+2文字 醫藥費 ㄧ ㄧㄠˋ ㄈㄟˋ (薬代)
⑧ 2文字+2文字+1文字 深海魚 ㄕㄣ ㄏㄞˇ ㄩˊ (深海魚)
⑨ 1文字+2文字+1文字 一把手 ㄧ ㄅㄚˇ ㄕㄡˇ (仲間の一員)
の9通りになるはずです。
とはいえ、私をはじめ、大多数の方は①か②の組み合わせで考えて遊んでいるかと思います。
ここで肝になるのは3文字の組み合わせパターンの法則です。
注音符号に詳しい方ならすぐにわかることですが、3文字の真ん中に必ず介音と呼ばれる「ㄧ」「ㄨ」「ㄩ」のいずれかが入ります。
ピンインでいうところの間に挟まる「i」「u」「ü」の音ですね。
介音の前には子音、後ろには母音(単母音、複合母音、鼻母音)が来ます。
そして、それぞれの介音の前後につく音には様々な制限があります。それについてはまた今度。(つづく)