夏至と共に梅雨入りした日本。

 

今日は、定番の「料理」のお話。

院内の夏支度と共にお伝えいたします。

 

 

待合室も夏へ

 

 

厚木産婦人科では、フランス料理、イタリア料理、和食など、入院滞在中にお母様方にできるだけ本格的なメニューを楽しんでいただきたいと思い、日々勉強しながら調理や演出に取り組んでいます。

 

 

 

 

さて、イタリアは南北に細長い国なので、イタリア料理は都市によって地方性が出ることが魅力のひとつだと思います。

 

 

あまりの美味しさから「プッタネスカ(娼婦風)」というTagliatelle

 

 

カチャトゥーラには、トスカーナ風やローマ風があり、気候や土地の違いが味付けに出ることが興味深いです。

 

 

 

 

また、山の恵みは猟師風、海の恵みは漁師風、と、同じ、りょうし、なのに漢字が異なるように、その土地でたくさん採れる食材をうまく使い分け、味付けに生かします。

 

 

 

 

今は南北に長いひとつの国ですが、昔は州ごとが国のようだったので、その土地その土地の色合いがふるさとの味として残っているのかもしれません。

 

日本でも、関東と関西では、お味噌や出汁の使い方が違うのと似ていますね。

 

 

 

 

都市ではモダンアートのようなお店も出てきましたが、イタリア料理の原点はどこかに郷土感があり、料理の味わいの中に自分の故郷や母の味を込めることを良しとしているのかもしれません。

 

 

 

 

だから、イタリアの人たちは、調理の新規性と同時に、自分自身の土地の味をずっと守り続けることも大事にしますね。

 

 

 

 

また、フランス料理は、昔こそ手づかみでしたが、イタリア料理を源流としてマナーが重んじられ、当初は宮廷料理でした。

 

 

 

 

しかし、18世紀末のフランス革命により、宮廷料理が庶民の料理として広く発展していきました。

 

 

ガラスと鰈の協演

 

 

もともとロシアのような寒い国では、料理はすぐに冷めてしまうので、一品一品運んでいました。

 

それをフランスが取り入れ、フランス料理でもコース料理が生まれたようです。

 

 

外来待合室

 

 

そのフランス料理が日本に入ってきたのは明治維新の頃であり、やはり初めは格式高く、海外からの来賓をもてなすためのものでした。

 

 

 

 

それが、1970年代ころから、ホテルオークラの小野料理長や帝国ホテルの村上料理長の力によって、一般の人々でも楽しめるように普及しました。

 

 

 

 

日本のすごさは、東京でも世界中の料理が楽しめるようにすぐに対応し、バライアティーに富んだ料理店が立ち並ぶようになったことです。

 

 

 

 

しかし、その一方で、純粋な日本料理はかえって大事にされ、和食はユネスコ無形文化遺産になるほど、世界の中で見直されています。

 

 

 

 

外国がその魅力に気がつき、日本の侘び寂び文化を取り入れ、特にモダンフレンチでは日本の精進料理のようなテイストを出したり、抹茶や生姜などの日本ならではの食材に敏感に反応しています。

 

 

蓋物椀は開けた瞬間の和の美

 

 

フランスではチョコレート業界はひとつの世界を有しますが、そこでも、日本独自の香辛料や食材をチョコの味わいに仕立てて人気を博しています。

 

 

 

 

料理は、世界の歴史と共に流動し、お互いに影響を及ぼし合う、とても興味深いものです。

 

 

 

ママにお料理に感動していただき、ママを通して将来、子ども達が食の世界に興味をもってくれるといいな、と願っています。

 

「食材そのものの味を味わう」