太陽物理学の謎、というのがあります。
太陽の活動には周期があり、理由は分からないのですが11年サイクルで活動が繰り返されています。
太陽の表面には、黒く見える場所がところどころにあり、黒点と呼ばれます。
その箇所は周囲に比べて4000度と低温で、強い磁場で満たされており、出現したり消えたりします。その数を計測しながら太陽の活動を観測していると、なぜか理由は未知なのですが、11年周期であることが分かっているのです。
今、太陽活動は2025年の極大期へ向けてピークとなっていて、昨年あたりから度々ニュースでも取り上げられてきました。
そんな矢先に起こった、日本でのオーロラ
ちょうど1か月前、北海道をはじめ日本の各地でオーロラが出現し、きれいな光景が見られました。
オーロラ参考 :朝日新聞デジタルより
5月11日夜から12日明け方にかけてのことでした。
どうして低緯度の日本でオーロラが見られたのでしょう?
NHKニュースより:有名なKAGAYAさんによる撮影
地球は大きな磁石と同じです。北極がN極、南極がS極。
太陽から太陽風により電気を帯びた粒(電子や陽子)が地球に向かって飛んできて、N極やS極に引きつけられます。
環境省:なんきょくキッズより
それらが地球の大気の粒に衝突するとき、光が発生します。これが、オーロラです(蛍光灯の発光のしくみと同じ)。
本来は、高緯度でしか見られないオーロラ。
旅工房より
しかし、太陽活動が活発化し、太陽表面で大きな爆発(太陽フレア)が起こったりすると、地球の磁場が乱れて磁気嵐が発生し、低緯度地へも電子が達することがあります。だから、日本のような場所でもオーロラが見えることがあるのです。
ですので、太陽活動が活発になっている今、日本でもオーロラが見られる機会がまた増えるのでは?といわれています。
アメリカには宇宙天気予報センター(SWPC)がありますが、そこの最新発表によると、2024年1月から10月が太陽活動のピークなのではと予測されています。
地球上の磁気が乱れることで、オーロラ発生以外にどんなことが起こるのでしょう?
2023年陸別の上空:銀河の森天文台より
総務省は、2022年の報告書案で次のようなことを発表しました。
携帯電話やテレビなど、通信障害が起こる。
無線、通信がつながりにくくなる。
GPS機能に誤差が出るため、輸送機器に影響が出る。
停電が起こる地域が出る。
これらは大規模フレアの断続的な発生による想定なので、ここまでは実際に起こることはないと思いますが、このように太陽の状態が地球に大きな影響を及ぼすことは、とても興味深いことです。
地球が宇宙の中のほんの小さなひとつの物体だ、ということを実感しますね。
来月の七夕に向けて、スタッフさんが飾り付けをしてくれました。
短冊がエントランスに設置されていますので、ご来院の際、皆様のお願い事もぜひ書いて吊るしてくださいね。
壮大な宇宙の星々にあなたの願いが届きますように!