立花大敬先生のワンデイメッセージを紹介します。
読めば、きっと何か「気づき」があると思います。

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立花大敬青空ひろば

 

(前日に続く)

キツネさんの話を覚えていますか。

昔、弟子の指導に誤りがあったお坊さんが、キツネに生まれ変わってしまったのです。それが、辛くて辛くて、キツネから脱出したいと思い、そのための努力をするのですが、どうしても脱出できず、ついに五百回、キツネに転生を続けているというのです。

それで、百丈という禅僧のもとに救いを求めてやってきたのです。

それに対して、百丈さんは、「因果歴然だ。お前はキツネから脱出できん」と、断言します。

それで、キツネさんは覚悟を決めます。『もうキツネから抜け出そうなどと思うまい。精一杯キツネを生きてみよう』

そう心が定まった途端に、このキツネはキツネの境遇から抜け出すことが出来たのだそうです。

つまり、キツネがいやだ、キツネから抜け出したいと、思い続けるということは、その嫌なキツネを心に描き続けることなのです。そして、心に描いたものが形の世界に現われるのですから、ずっと、キツネの境遇とキツネが体験する世界の拡大再生産を、五百生の間、続けることになったのです。

しかし、キツネから脱出することを諦めた瞬間に、もはや、キツネを心に描かなくなったので、キツネの思いが無い心は、たちまちのうちに、キツネでない身と世界を、現象させたのです。(続く)