立花大敬先生のワンデイメッセージを紹介します。
読めば、きっと何か気づきがあると思います。
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立花大敬青空ひろば
ファン・マトゥス(メキシコの呪術師)の弟子カスタネダの体験
カスタネダは、師に<世界を止めよ>という課題を与えられ、荒野に向かわせられた。
途方にくれ、疲れ果て、ついに大地に横たわった。甲虫がフンの玉を転がしているのが眼に入って、それをながめていた。
突然あたりがシーンと静まりかえり、自分の左側に何かが忍び寄ってきた。それが「死の影」であると知り、彼は震え上がった。
その時、突然、この甲虫と自分が、結局なんの違いもないのだ。甲虫と自分が平等のいのちだったんだと気づいた。
「甲虫と私は対等だった。どちらかがより勝れているなどということはなかった。私たちの死が、私たちを対等にしたのだ」
その興奮と喜びのあまり、彼はすすり泣きをはじめた。
「師は正しかった。私はもっとも神秘的な世界に住んでおり、ほかの誰もと同じように、私はもっとも神秘的な存在であり、しかも甲虫より重要な存在などではなかった!」
すると、目の前に何かがいる。やがて、それがコヨーテであることが分かった。追っ払っても近づき、やがて横に座った。
カスタネダはなぜか会話出来るように感じて、意識レベルで語りかけた。
「元気かい、コヨーテ君」、「元気だよ。君は?」カスタネダは、コヨーテからコトバがかえってきたのでびっくりした。
「なんで驚いているの?」コヨーテはたずねた。また、「君はそこで何をしているの?」とたずねた。
彼は「師匠に<世界を止める>修行をして来いと言われたのさ」と答えた。コヨーテは、「それは素晴らしい!」と言った。
やがて、そのコヨーテの目が彼を引き込んでゆくように感じ、コヨーテが虹色に変身し、流動的で、液状で、まぶしいほどの輝きを放つ存在に変わっていった。
カスタネダはしびれたようになって、まったく動けず、その輝く存在が自分に触れ、包みこんでくれ、抱きしめてくれ、その温かみを感じて、無上の幸福感に満たされた。
ふと気づくと、太陽は地平線に沈んでいこうとしていた。その太陽をながめていると、突然、師が言っていた<世界のひも>が見えた。世界中のすべてのものをつなぎ、結び付けている無数の蛍光色のひもが知覚できたのだ。(続く)